縁の鎖

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王太子と侍女

朝から胸焼け

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翌日は天候も良く、視察日和になった。

「殿下。今日は昨日、素通りした港へ向かう事になっております。隣国の貿易船が今日から停泊する事になっておりますので、船上で積荷や取引の現場を視察いたでけます。」
「船にも乗れるのか!?それは嬉しいサプライズだ。」
「では後程、準備ができ次第お声がけいたします。」

朝食を取りながら、ジェイドがカーネリアンに予定を伝える。


「では大公、私は先に準備をするため退席するよ。」

朝食を取りにダチュラとフィサリスが入室するのと入れ替わる様に、カーネリアンが席を立つ。


「おはようございます。殿下。」
「カーネリアン様ぁ~。おはようございますぅ~。私も視察に行きたいですわぁ~。」

朝から胸焼けのする糖度を撒き散らしながら、視察に付いて来ると言うフィサリスを無視する形でカーネリアンはダイニング・ルームを出る。



カーネリアンが退出したダイニング・ルームでは

「貴男、おはようございます。今日は殿下と何処を視察なさるの?」
「港だよ。」
「ねぇ~お父様。私も視察に連れて行って欲しいわ。殿下も私みたいな可愛い女の子を連れている方が、花があっていいと思われるわ。」
「フィリー。視察はショッピングや観劇ではないのだよ。いくら可愛いフィリーの頼みでも、こればかりは許可できないな。」
「お父様の意地悪!キライ!お父様なんてキライ!ぷんぷん!」
「まぁまぁ。フィリー。お父様を困らせてはいけないわ。その代わりに、お父様に隣国からの珍しい品物を買っていただくのはいかがかしら?」
「むぅぅーう。仕方ないな~。それじゃ、お父様!こういたしましょう!私への贈り物は、殿下に見立てていただくの!ねぇ~、それくらいは、いいでしょ~??」


カーネリアンの預かり知らない所で、勝手にフィサリスへのプレゼントを選ぶことが決定していた。
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