縁の鎖

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王城の暮らし

編入試験

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エガリテ学園の編入試験を受け、最後に潜在魔力検査をする。

「ジュエリア様、こちらの水鏡に手を触れて下さい。」

試験官が水晶の様な光沢のある水鏡を、ジュエリアの前へ差し出す。

「心を鎮め、目を瞑り、水鏡の感触を感じて下さい。」


ジュエリアは言われた通りにする。
心を落ち着かせるため、目を瞑り深呼吸を2,3度繰り返す。
水鏡は最初、冷んやりと感じた。
だが次第に暖かく感じ、眩しい光に包まれた。

「!!・・・こ、これ程の魔力は、見たことがない!しかも“奇跡魔法”とは…。」
「どう言う意味でしょうか?」
「ジュエリア様、今までに病気や怪我をされても、次の日には治っていたりしませんでしたか?」
「…はい。切り傷くらいでしたら、直ぐに治ります。不気味ですよね…。」
「不気味だなど、とんでもございません!ご自身の病気や怪我だけでなく、人の病気や怪我を癒す事のできる魔力が“奇跡魔法”なのです!しかも魔力量が計り知れません!これからジュエリア様が本格的に魔法を学ばれれば、この国の人々を全て癒す事も可能になる程なのです!」

ダチュラので受けた傷が翌日には痛みもなく、傷痕が残ることもなかった。
アルミナにはこの能力を気づかれてはいけない、と言われていた。
だから誰にも言ったことはなかった。

『今まで不気味に思っていた能力だったのに。初めて褒められた。初めて認められた。王太子殿下の婚約者として役に立てないかもしれないと思っていたけど、もしかすると私でも役に立てれるのかもしれない。』


これからの王妃教育や学園での勉学を不安に思っていたジュエリアには、嬉しい結果となった。
ジュエリアはより一層、気合が入った。
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