縁の鎖

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それぞれの真実

ダチュラの真の姿

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「私のお母様とお義姉様のお義母様は、腹違いの姉妹ですもの!!」

フィサリスの声が、パーティー会場に木霊する。


「ぷっ!ふははははは!!あぁ~やっぱり、あの毒花の娘だ!こうまで似ていると、あの忌々しい毒花を見ているようだ!殺意と憎しみが湧いてくるわ!」

アベンチュリン皇帝は蔑むように、殺気の篭った瞳でフィサリスの中にダチュラの面影を見る。

「な、何が、おかしいと言うのですか!?わ、私は事実を言ったまでです!」
「それが滑稽だと言うのだ。と言うのだから、証拠があるのだろうな?」
「証拠は、お母様がそう…」
「そう言っていたか?ではその母が、何か証明できるものは残しておるのか?」
「そ、それは…。そうです!お父様なら、ご存知のはずです!」
「ほう~。ではソーディア公爵、そこの小娘は私の血縁か?」
「いえ。フィサリスは皇帝陛下のお血筋に、関わりございません。」

ジェイドの答えに、フィサリスだけでなくジュエリアも驚きを隠せない。

「う、嘘よ!お父様!なぜ嘘を言われるのですか!?お義姉様を殺そうとしたからですか!?」
「コレで実証すれば、納得もするだろう。」

皇帝は一冊の本を取り出した。

「これは血の聖書サンビーブルと言う魔法道具マジカルウイティだ。この本に関係性を調べたい者同士の血を垂らす。さすれば関係性が印される。試しに公爵と、そなたの関係を見るか。」

ジェイドとフィサリスの血をサンビーブルに垂らすと【親娘】印された。

「では私とそなたの血だ。」

サンビーブルに【他人】と印された。

「な、なんで!?どうして!?」
「当然だ!あの毒花と私達兄妹は無関係だからだ!何故なら、あの毒花の母…そなたの祖母は、父上の寵妾ちょうしょうになり損ねた女だ!だがあの毒花はその事実を受け入れず、あろう事かオブシディアン王国の姫だと言い張っていた!」

フィサリスの信じていたモノが、一つ一つ崩れて行く。

「そなたの祖母、あの女は元は隣国の踊り子だった。父上が隣国を外遊していた時に父上を蠱惑の力で籠絡し、オブシディアン王国へ付いて来た。国に戻った父上は解術が施され、野放しにはできんと幽閉の処分が下った。その直後、妊娠が分かり父上だけでなく家臣まで怪しんだ。生まれた赤子と父上の親子関係を調べたが、サンビーブルは【他人】と印した。あの女は何かの間違いだと、事あるごとに癇癪を起こしておった!本当に親娘三代、よく似ておるわ!」

フィサリスは無言で俯く。
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