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第二部
かつて過ごした亡き国へ②
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ものの数分待つと、ジョゼフィーヌとアルマが平身低頭しながらバスケットに入れたお昼を持ってきてくれた。
魔王の前だからたぶん畏多さと緊張でそうなったんだろうけど、中腰で頭下げながら歩くのは腰痛めそうだからやめた方がいいと思う。
ガクガク震えるジョゼフィーヌの手からバスケットを受け取りお礼を言った。アルマなんか顔色もよろしくない。さっさと魔王とこの場を立ち去ってあげた方が良さそうだ。
「執事長さんと、料理人さんにもありがとうって伝えてくれる? わたしが直接話せたらいいんだけど困らせちゃうからね」
「つ、伝えます…」
アルマがじっと見つめて何か考えてそうだけど、すぐに立ち去ることにして魔王を促してて歩き出した。
このバスケットは荷物になるから魔導書に入れておこう。魔導書にしまうとそれを見ていた魔王に聞かれる。
「使用人とも顔を合わせたいか? そう命令しようか?」
「ううん、いいよ。みんなのペースで本人の意思で話してもいいって思ってくれたらそのうち話せたらいいなって思ってるから」
「…ゼルマにそのうちみなが変わることになると言ったそうだな」
「うん、言ったけど…」
前にゼルマと話したあのことか。
使用人のみんなと会いたいわたしに、ゼルマは昔からの習慣だから難しいだろうと言った。
それに対してわたしが言ったのはこうだ。
『外の世界は時代が変わって常識も変わったんだと思う。この城も邪神をどうにかしたら、瘴気のない普通の国になるんじゃない? そうしたら外とも交流するようになるだろうから、いつまでもこのままではなくて変わることになるんじゃないかな』
『普通の国に… そんな日が、来ると?』
『うん、きっとね。いつかは』
あの少年と直接話すこともあるのか。
四天王とばかりいる印象だったから意外だ。
「その日が来ることを、信じているのか?」
邪神がいなくなった日が来ること、それを実現できるか。
…そう問う魔王の心境はわたしにはわからない。
不安なのか、非現実的だとでも思っているのか。
わからないけれどわたしはこう思う。
「『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる』って誰かの言葉があってね。そうかもって思ってる」
「『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる』…」
「だから、その日を想像できてるわたしは、実現できると信じてる」
「…そうか」
「そうだよ」
「…その時が来たら、この地はどうなるだろうな」
「あなたは国王してるんじゃない?」
「それは想像できんな。お前は、ここにいて俺に協力し側で支えているかな」
「それは、どうかな…」
魔王が手を差し出してきた。
わたしはその手のひらに自分の手のひらを重ねて、旧ラスタ王国に転移した。
魔王の前だからたぶん畏多さと緊張でそうなったんだろうけど、中腰で頭下げながら歩くのは腰痛めそうだからやめた方がいいと思う。
ガクガク震えるジョゼフィーヌの手からバスケットを受け取りお礼を言った。アルマなんか顔色もよろしくない。さっさと魔王とこの場を立ち去ってあげた方が良さそうだ。
「執事長さんと、料理人さんにもありがとうって伝えてくれる? わたしが直接話せたらいいんだけど困らせちゃうからね」
「つ、伝えます…」
アルマがじっと見つめて何か考えてそうだけど、すぐに立ち去ることにして魔王を促してて歩き出した。
このバスケットは荷物になるから魔導書に入れておこう。魔導書にしまうとそれを見ていた魔王に聞かれる。
「使用人とも顔を合わせたいか? そう命令しようか?」
「ううん、いいよ。みんなのペースで本人の意思で話してもいいって思ってくれたらそのうち話せたらいいなって思ってるから」
「…ゼルマにそのうちみなが変わることになると言ったそうだな」
「うん、言ったけど…」
前にゼルマと話したあのことか。
使用人のみんなと会いたいわたしに、ゼルマは昔からの習慣だから難しいだろうと言った。
それに対してわたしが言ったのはこうだ。
『外の世界は時代が変わって常識も変わったんだと思う。この城も邪神をどうにかしたら、瘴気のない普通の国になるんじゃない? そうしたら外とも交流するようになるだろうから、いつまでもこのままではなくて変わることになるんじゃないかな』
『普通の国に… そんな日が、来ると?』
『うん、きっとね。いつかは』
あの少年と直接話すこともあるのか。
四天王とばかりいる印象だったから意外だ。
「その日が来ることを、信じているのか?」
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…そう問う魔王の心境はわたしにはわからない。
不安なのか、非現実的だとでも思っているのか。
わからないけれどわたしはこう思う。
「『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる』って誰かの言葉があってね。そうかもって思ってる」
「『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる』…」
「だから、その日を想像できてるわたしは、実現できると信じてる」
「…そうか」
「そうだよ」
「…その時が来たら、この地はどうなるだろうな」
「あなたは国王してるんじゃない?」
「それは想像できんな。お前は、ここにいて俺に協力し側で支えているかな」
「それは、どうかな…」
魔王が手を差し出してきた。
わたしはその手のひらに自分の手のひらを重ねて、旧ラスタ王国に転移した。
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