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第二部
王城内への導き②
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にこやかな笑みを浮かべ、その青みがかったグレーの瞳でわたしに視線を合わせた。その視線は強くはないのに、視線をそらせない引き寄せられる何かがあった。
その視線を遮るように黒い背中がテーブルに身を乗り出し右肘をつき顎を乗せた。
「そういえば全員名乗っていなかったな。筋肉のがガエル、少年剣士がゲーデ。俺がリュシオン、こいつがリンカ。そして我らがグリューフェルト伯爵だ」
「お嬢さんに聞いたんだがまぁいいか。ご丁寧にありがとう。こちらはこの部屋にいる者たちは俺が全幅の信頼を寄せている。なんでも言付けてくれ」
わたしが困っているのを助けに入ってくれたようで助かった。
テオドール王子は気にした風もなく従者を呼び、何事かを指示した。
「予定通りあんたらには当分城に寝泊まりしてもらうつもりだ。部屋を用意してあるから後で案内するが、まずは城内をぐるっと見て回ろう。当分の住まいで仕事場だ、早く把握しておきたいだろう?」
「そうですね、助かります」
「よし、では行こうか。それに案内がてら、会わせたい相手がいる」
「どなたですか?」
「俺の妹さ」
持ち前のフットワークの軽さを発揮し、王女様にもさらっと合わせてくれるつもりのようだ。しかし臥せっているとのことだったけれど…
「あの、妹さんの体調は…」
「ああ、今朝は起き上がっていられたから、客人を連れて行くと伝えてある。気にかけてくれてありがとうな、リンカ嬢」
「じょ、嬢…?」
妙な呼び方が気になるものの、王女様の体調がいいなら良かった。
みんなでぞろぞろと廊下を各部屋の並びや飾られた絵画や陶器の煌びやかさに目を止めながら歩いていると、前方から歩いてくる一団がいる。
先頭を歩くのは上背があり、肩幅もあるがっしりした体型の壮年の男性。黒髪を後ろに撫で付け口髭を生やした眉間に深い皺のあるその男性は、低音の声を響かせた。
「殿下、また外国に遊びに行かれるとは感心しませんな」
「ご挨拶だな。外遊ではなく視察だよ、メトセラール公爵」
どうやら、くだんの悪役の登場らしい。
その視線を遮るように黒い背中がテーブルに身を乗り出し右肘をつき顎を乗せた。
「そういえば全員名乗っていなかったな。筋肉のがガエル、少年剣士がゲーデ。俺がリュシオン、こいつがリンカ。そして我らがグリューフェルト伯爵だ」
「お嬢さんに聞いたんだがまぁいいか。ご丁寧にありがとう。こちらはこの部屋にいる者たちは俺が全幅の信頼を寄せている。なんでも言付けてくれ」
わたしが困っているのを助けに入ってくれたようで助かった。
テオドール王子は気にした風もなく従者を呼び、何事かを指示した。
「予定通りあんたらには当分城に寝泊まりしてもらうつもりだ。部屋を用意してあるから後で案内するが、まずは城内をぐるっと見て回ろう。当分の住まいで仕事場だ、早く把握しておきたいだろう?」
「そうですね、助かります」
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「どなたですか?」
「俺の妹さ」
持ち前のフットワークの軽さを発揮し、王女様にもさらっと合わせてくれるつもりのようだ。しかし臥せっているとのことだったけれど…
「あの、妹さんの体調は…」
「ああ、今朝は起き上がっていられたから、客人を連れて行くと伝えてある。気にかけてくれてありがとうな、リンカ嬢」
「じょ、嬢…?」
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みんなでぞろぞろと廊下を各部屋の並びや飾られた絵画や陶器の煌びやかさに目を止めながら歩いていると、前方から歩いてくる一団がいる。
先頭を歩くのは上背があり、肩幅もあるがっしりした体型の壮年の男性。黒髪を後ろに撫で付け口髭を生やした眉間に深い皺のあるその男性は、低音の声を響かせた。
「殿下、また外国に遊びに行かれるとは感心しませんな」
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