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5章 獣鬼
川島医師
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「担当の医師は女性だそうです」
浜田がメモを見て言った。
「ええっ!女性が?ドラマじゃないんだぞ」
「うん、ある意味ですごい。きっときついおばさんだぜ」
「そうですね。あはは」
「ところで、浜田」
「はい」
「お前の体、向うの世界ではどうなっている?」
「確認はできませんが冷凍保存しているはずです」
「そうだよな、もし体がくさったりしていたら
二度と戻れないな」
「ええ、和久井警視正を信じていますし、
任務が無事遂行できれば死んでも仕方がありません」
「覚悟ができているんだな」
「はい、他の連中も同じです。
隊長と運命を共にします」
「そう言われても、俺はこっちでは
年収二百五十万円の運転手だからな」
「ええ?それしか稼いでいないの?」
魔美は馬鹿にしたような口調で言った
「馬鹿!今は厳しいんだよ、運賃も上がって客も減ったし」
「うふふ、運賃が上がったのよ最近」
「隊長、こっちの世界を捨ててSSATの
隊長をした方がいいんじゃないですか?」
浜田は目を輝かせた
「いや、私の世界へ来てママと結婚すればいいのよ」
「あはは」
「そう言えば魔美ちゃんのお父さん何の仕事していたの?」
「う~ん、科学者」
「じゃあ、無理だ。俺にはできない、
向うの世界でもタクシーの運転手じゃあなあ」
「そうかなあ」
魔美は腕を組んだ
礼司達が大学病院の駐車場にタクシーを止めると
ナイルと嵐丸とごえもんを車内に残し
院内に入ると
玄関に女医が待っていた。
それは、南里大学病院にいた川島由美だった
「ああー」
礼司は驚いて川島由美を指差した
「先日はどうも」
「はい」
礼司は頭を下げた
「おい、浜田。お前が入院していた病院の先生だぞ」
「はい」
浜田は納得が行かない顔をして
川島に頭を下げた
「そうね、浜田さんが意識を戻した時急用ができて
会っていないんですものね」
「は、はい」
「では、解剖室へ案内します」
「ところで先生どうしてこちらにいるんですか」
「そうね。解剖医が本業なのかな」
「そうですか」礼司は顔を傾げた
三人は川島から数メートル離れて
「隊長、あの先生うちの由美さんに似ていませんか」
「ああ。そっくりだ」
「ねね、ひょっとしたら」
魔美が言うと川島を見た。
「そうかもな」
「ええ、そうかもしれません」
「でも、向うの由美が影響していたら、もっと俺に優しいはずだ」
「それはしょうがないでしょ。うふふ」
三人は別棟の3階の解剖室へ案内された
「浜田さん、毛皮は体から剥ぎ取って隣の部屋
に置いてありますがどうします?」
川島は淡々と話した
「じゃあ、死体から」
浜田は礼司を見て言った
「魔美は見るな」
「いや、見たい」
「お嬢さん見ない方がいいわよ」
川島は優しく言った
「大丈夫です」
魔美は微笑んでいった
四人はホルマリンの臭いが漂う
部屋にはステンレスの解剖台があってシルバーのシートが
かけてありそれを川島が取ると
三人は息を止めた。
それは、首と手首と膝から
先にしか肉がついていなかった
「ああこれはひどい!」
三人は口をそろえて言った
「骨の部分は肉のかけら一つ残っていません」
「本当、ツルツルですね」
「大丈夫か、魔美」
「うん全然」
魔美のあっけらかんとした態度に礼司は驚いた
「この、肉の部分傷はどうなっていますか?」
浜田が川島に聞いた
「はい、部分的に20mmの犬歯の痕が残っていますので
柴犬くらいの大きさの動物に食われたんだと思います」
「毛皮の方は?」
礼司が聞くと浜田が指さした。
「隣の部屋にあります」
その毛皮内側は余す所無に真っ赤な血が
半分固まりだしてべっとりとついて
いた。
そこで川島と浜田は会話を始めた
「体から毛皮を取るのが大変でした、
首、手首、膝に食い込んでいて」
「そんなに?」
「ええ」
「じゃあ、外から食われた訳ではないですね」
「鑑識ではないのではっきり言えませんが、
毛皮に噛痕はありませんでした」
「じゃあ、あの女性は・・・・・内側から食われた」
「ええ、他に考えられません」
礼司と魔美は川島に聞こえないように離れて話をしていた
「やっぱり、毛皮に食べられちゃったんだね」
浜田がメモを見て言った。
「ええっ!女性が?ドラマじゃないんだぞ」
「うん、ある意味ですごい。きっときついおばさんだぜ」
「そうですね。あはは」
「ところで、浜田」
「はい」
「お前の体、向うの世界ではどうなっている?」
「確認はできませんが冷凍保存しているはずです」
「そうだよな、もし体がくさったりしていたら
二度と戻れないな」
「ええ、和久井警視正を信じていますし、
任務が無事遂行できれば死んでも仕方がありません」
「覚悟ができているんだな」
「はい、他の連中も同じです。
隊長と運命を共にします」
「そう言われても、俺はこっちでは
年収二百五十万円の運転手だからな」
「ええ?それしか稼いでいないの?」
魔美は馬鹿にしたような口調で言った
「馬鹿!今は厳しいんだよ、運賃も上がって客も減ったし」
「うふふ、運賃が上がったのよ最近」
「隊長、こっちの世界を捨ててSSATの
隊長をした方がいいんじゃないですか?」
浜田は目を輝かせた
「いや、私の世界へ来てママと結婚すればいいのよ」
「あはは」
「そう言えば魔美ちゃんのお父さん何の仕事していたの?」
「う~ん、科学者」
「じゃあ、無理だ。俺にはできない、
向うの世界でもタクシーの運転手じゃあなあ」
「そうかなあ」
魔美は腕を組んだ
礼司達が大学病院の駐車場にタクシーを止めると
ナイルと嵐丸とごえもんを車内に残し
院内に入ると
玄関に女医が待っていた。
それは、南里大学病院にいた川島由美だった
「ああー」
礼司は驚いて川島由美を指差した
「先日はどうも」
「はい」
礼司は頭を下げた
「おい、浜田。お前が入院していた病院の先生だぞ」
「はい」
浜田は納得が行かない顔をして
川島に頭を下げた
「そうね、浜田さんが意識を戻した時急用ができて
会っていないんですものね」
「は、はい」
「では、解剖室へ案内します」
「ところで先生どうしてこちらにいるんですか」
「そうね。解剖医が本業なのかな」
「そうですか」礼司は顔を傾げた
三人は川島から数メートル離れて
「隊長、あの先生うちの由美さんに似ていませんか」
「ああ。そっくりだ」
「ねね、ひょっとしたら」
魔美が言うと川島を見た。
「そうかもな」
「ええ、そうかもしれません」
「でも、向うの由美が影響していたら、もっと俺に優しいはずだ」
「それはしょうがないでしょ。うふふ」
三人は別棟の3階の解剖室へ案内された
「浜田さん、毛皮は体から剥ぎ取って隣の部屋
に置いてありますがどうします?」
川島は淡々と話した
「じゃあ、死体から」
浜田は礼司を見て言った
「魔美は見るな」
「いや、見たい」
「お嬢さん見ない方がいいわよ」
川島は優しく言った
「大丈夫です」
魔美は微笑んでいった
四人はホルマリンの臭いが漂う
部屋にはステンレスの解剖台があってシルバーのシートが
かけてありそれを川島が取ると
三人は息を止めた。
それは、首と手首と膝から
先にしか肉がついていなかった
「ああこれはひどい!」
三人は口をそろえて言った
「骨の部分は肉のかけら一つ残っていません」
「本当、ツルツルですね」
「大丈夫か、魔美」
「うん全然」
魔美のあっけらかんとした態度に礼司は驚いた
「この、肉の部分傷はどうなっていますか?」
浜田が川島に聞いた
「はい、部分的に20mmの犬歯の痕が残っていますので
柴犬くらいの大きさの動物に食われたんだと思います」
「毛皮の方は?」
礼司が聞くと浜田が指さした。
「隣の部屋にあります」
その毛皮内側は余す所無に真っ赤な血が
半分固まりだしてべっとりとついて
いた。
そこで川島と浜田は会話を始めた
「体から毛皮を取るのが大変でした、
首、手首、膝に食い込んでいて」
「そんなに?」
「ええ」
「じゃあ、外から食われた訳ではないですね」
「鑑識ではないのではっきり言えませんが、
毛皮に噛痕はありませんでした」
「じゃあ、あの女性は・・・・・内側から食われた」
「ええ、他に考えられません」
礼司と魔美は川島に聞こえないように離れて話をしていた
「やっぱり、毛皮に食べられちゃったんだね」
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