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九州6泊7日編
旅行2日目 甘いか苦いか、そこが問題だ。
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博多の街を歩いて回ると、行き交う人の量こそ少ないものの駅内は活気で溢れていた。
この日は僕とみーこにとっては休日でも世間一般には平日だったので、恐らくは仕事中の人々が大多数なのだろう。
人気が無さすぎるとそれはそれで寂れているように思えてしまうので、人混みにホッとした気持ちも無くは無い。某感染症禍だから人混みは避けるべきなんだけどね。
旅行日程的にはまだ余裕があるのでこの段階でお土産を買う必要は無いけれど、次の予定までまだ幾ばくかの時間がある。このようなスキマ時間を利用して出来るうちに下調べしておいて損は無いだろう。
◇◇◇
お店を見て回り終える頃には11時過ぎになっていたので、この後のスケジュール的にもこのまま博多駅周辺でお昼を済ませることにする。
とはいえ、2人とも朝食を食べ過ぎたせいでそれほどお腹は空いていない。お昼は軽食で十分だろう。
勿論、軽くした分は晩御飯で美味しい物を沢山食べるつもりである。
【抹茶カフェ HACHI 博多店】
博多駅内にある立地の良さからお昼は『抹茶カフェ HACHI』に決まった。旅行先では周辺地理に対する知識が乏しくなりがちなので、立地の良さはお店選びの上でも重要だろう。
店名からも分かる通り、抹茶の飲料やスイーツを売りにしたカフェではあるがフードメニューも豊富で、写真に載っていたカレーが最後の一押しになったのである。
スイーツメインのお店のフードメニューと言えばあまり期待できないイメージがあるが、このお店の『薬膳自家製チキンカレー』に限るなら、そのイメージは捨ててしまって良いだろう。そう思えるほどには美味しく、本格的なカレーだった。
薬膳と言うだけあってルーは使用せずに豊富なスパイスとお野菜から作られているのだが、豆類もふんだんに使われているおかげで食べ応え十分。
旅行では好きなものばかりを食べてしまいがちなので、ヘルシーかつ体に良いものを食べられるのは健康面でもちょうど良かった。
そう言う意味ではダイエット中の女性にもオススメな1品ではあるのだけれど、そもそもこのお店がダイエット中の女性が来るには誘惑が強過ぎるので総合的に見るならばオススメはできない。だって食べちゃうでしょ、スイーツも。
個人的にはご飯が白米ではなく雑穀米だったのもポイントが高い。
「この、プレートにちょい載せされてるお野菜も美味しいね。」
「そうだね、じゃあこっちのニンジンもお食べ?」
「それはゆうさんにあげる。」
お野菜美味しいって言ったじゃん……。
ただ、カレーが期待以上の美味しさだった代わりに、他に残念な部分もあった。このお店の目玉である抹茶を使用した飲み物、『抹茶ラテ』だ。
僕はこの旅行で何度か抹茶ラテを注文しているのだけれど、その中でもワースト1位な美味しさだったのである。なんなら、ホテルのウェルカムドリンクの抹茶ラテにも負けている。
なんと言うか……甘くないのだ。
僕はラテじゃない抹茶も美味しく飲めるタイプではあるけれど、この時は甘いラテを飲む舌になっていたので『抹茶を牛乳で割っただけ』って感じの甘くない抹茶ラテは受け付けられなかった。間違ってはいないけど……抹茶ラテってそうじゃ無いだろう。
勿論、これは僕個人の感想なので『甘くないカフェラテだってあるんだから、これで良いんだ』という人もいるだろう。僕もそれで良いと思う。その時の僕の口には合わなかったと言うだけである。
まぁでも、改めて考えると抹茶ラテって難しい飲み物だなぁとは思う。
抹茶である以上、『苦み』を全て失ってしまえばアイデンティティに欠けてしまうが、ラテにするなら明確な『甘さ』も楽しめるようにしないと満足して貰えないのだから、そもそも要求されているハードルが高いのだ。
相反する『苦み』と『甘さ』両方を同時に要求されるのって『休み』と『仕事』が同時に舞い込むみたいな無理難題さではないだろうか?
そう考えれば、これぐらいの不満は我慢できる範囲内である。ガムシロップあればちょうど良かったのになとは思ったけども。
飲み物はもう1つ『ほうじ茶ラテ』を注文していたのだが、こちらはしっかりと甘さを感じられてとても美味しかった。
僕はこれまでほうじ茶をほとんど飲んだことがなかったのだけれど、これを機に注文してみようと思えた程である。
前述の通り、今回のほうじ茶ラテがどれほど美味しかったのかを相対的に比較することはできないが、仮に今回のほうじ茶ラテが『始まりの街の中ボス』ぐらいの出来栄えだったなら僕はほうじ茶ラテにハマる自信がある。いずれは茶どころの中心である京都にも旅行してみたいものだね。
また、当然ながらオシャレなスイーツ店に来たのならスイーツを頼まない訳にはいかない。
直方体の枡に入った状態で出てくる抹茶ティラミスがこのお店の看板メニューらしいのだが、今回は『抹茶ニューヨークチーズケーキのアイス添え』を注文。
看板メニューならまず間違いないのだろうけども、その時食べたいものを食べるのが結局は一番なのである。
ちなみに、アイスは抹茶・ほうじ茶・ミルクの中から選べるが、ここは当然抹茶一択だ。
「ん~~! 美味しいっ!」
「抹茶とチーズケーキって案外合うんだね? どれ、僕も食べてみよう。」
と言いつつも、フォークに手を伸ばしたりはしない。代わりに口をパクパクさせる事で何も言わずともこちらの要求を彼女に伝えているのである。所謂、アーンの要求である。
「そこにフォークあるよ?」
「それは知ってるけど、そうじゃない!」
……要求が伝わろうとも、素直に実行してくれるとは限らないのである。
チーズケーキは抹茶の風味も含まれているため控えめな甘さで食べやすく、別腹に収めやすい上品な美味しさだった。
スイーツのサイドに抹茶わらび餅・栗・小豆の粒あん・アイス・ホイップクリームがちょい載せされているのもよく考えられている。
これなら味覚にバリエーションを付けられるので、スイーツがそれほど好きでない男性でも最後まで飽きずに食べる事ができるだろう。
尚、それぞれのお値段は抹茶とほうじ茶ラテが各580円、カレーが1300円、チーズケーキが1000円の合計約3500円である。
実際にはそこからさらにドリンク+スイーツ等のセット割引が適用されるので軽食込みだと思えば一般的なお値段なのではないだろうか。
ただ、『お昼は軽食にしよう』って話がどこに行ったのかは不明である。カレーとチーズケーキは1人分のシェアなのでセーフってことにしておこう。
この日は僕とみーこにとっては休日でも世間一般には平日だったので、恐らくは仕事中の人々が大多数なのだろう。
人気が無さすぎるとそれはそれで寂れているように思えてしまうので、人混みにホッとした気持ちも無くは無い。某感染症禍だから人混みは避けるべきなんだけどね。
旅行日程的にはまだ余裕があるのでこの段階でお土産を買う必要は無いけれど、次の予定までまだ幾ばくかの時間がある。このようなスキマ時間を利用して出来るうちに下調べしておいて損は無いだろう。
◇◇◇
お店を見て回り終える頃には11時過ぎになっていたので、この後のスケジュール的にもこのまま博多駅周辺でお昼を済ませることにする。
とはいえ、2人とも朝食を食べ過ぎたせいでそれほどお腹は空いていない。お昼は軽食で十分だろう。
勿論、軽くした分は晩御飯で美味しい物を沢山食べるつもりである。
【抹茶カフェ HACHI 博多店】
博多駅内にある立地の良さからお昼は『抹茶カフェ HACHI』に決まった。旅行先では周辺地理に対する知識が乏しくなりがちなので、立地の良さはお店選びの上でも重要だろう。
店名からも分かる通り、抹茶の飲料やスイーツを売りにしたカフェではあるがフードメニューも豊富で、写真に載っていたカレーが最後の一押しになったのである。
スイーツメインのお店のフードメニューと言えばあまり期待できないイメージがあるが、このお店の『薬膳自家製チキンカレー』に限るなら、そのイメージは捨ててしまって良いだろう。そう思えるほどには美味しく、本格的なカレーだった。
薬膳と言うだけあってルーは使用せずに豊富なスパイスとお野菜から作られているのだが、豆類もふんだんに使われているおかげで食べ応え十分。
旅行では好きなものばかりを食べてしまいがちなので、ヘルシーかつ体に良いものを食べられるのは健康面でもちょうど良かった。
そう言う意味ではダイエット中の女性にもオススメな1品ではあるのだけれど、そもそもこのお店がダイエット中の女性が来るには誘惑が強過ぎるので総合的に見るならばオススメはできない。だって食べちゃうでしょ、スイーツも。
個人的にはご飯が白米ではなく雑穀米だったのもポイントが高い。
「この、プレートにちょい載せされてるお野菜も美味しいね。」
「そうだね、じゃあこっちのニンジンもお食べ?」
「それはゆうさんにあげる。」
お野菜美味しいって言ったじゃん……。
ただ、カレーが期待以上の美味しさだった代わりに、他に残念な部分もあった。このお店の目玉である抹茶を使用した飲み物、『抹茶ラテ』だ。
僕はこの旅行で何度か抹茶ラテを注文しているのだけれど、その中でもワースト1位な美味しさだったのである。なんなら、ホテルのウェルカムドリンクの抹茶ラテにも負けている。
なんと言うか……甘くないのだ。
僕はラテじゃない抹茶も美味しく飲めるタイプではあるけれど、この時は甘いラテを飲む舌になっていたので『抹茶を牛乳で割っただけ』って感じの甘くない抹茶ラテは受け付けられなかった。間違ってはいないけど……抹茶ラテってそうじゃ無いだろう。
勿論、これは僕個人の感想なので『甘くないカフェラテだってあるんだから、これで良いんだ』という人もいるだろう。僕もそれで良いと思う。その時の僕の口には合わなかったと言うだけである。
まぁでも、改めて考えると抹茶ラテって難しい飲み物だなぁとは思う。
抹茶である以上、『苦み』を全て失ってしまえばアイデンティティに欠けてしまうが、ラテにするなら明確な『甘さ』も楽しめるようにしないと満足して貰えないのだから、そもそも要求されているハードルが高いのだ。
相反する『苦み』と『甘さ』両方を同時に要求されるのって『休み』と『仕事』が同時に舞い込むみたいな無理難題さではないだろうか?
そう考えれば、これぐらいの不満は我慢できる範囲内である。ガムシロップあればちょうど良かったのになとは思ったけども。
飲み物はもう1つ『ほうじ茶ラテ』を注文していたのだが、こちらはしっかりと甘さを感じられてとても美味しかった。
僕はこれまでほうじ茶をほとんど飲んだことがなかったのだけれど、これを機に注文してみようと思えた程である。
前述の通り、今回のほうじ茶ラテがどれほど美味しかったのかを相対的に比較することはできないが、仮に今回のほうじ茶ラテが『始まりの街の中ボス』ぐらいの出来栄えだったなら僕はほうじ茶ラテにハマる自信がある。いずれは茶どころの中心である京都にも旅行してみたいものだね。
また、当然ながらオシャレなスイーツ店に来たのならスイーツを頼まない訳にはいかない。
直方体の枡に入った状態で出てくる抹茶ティラミスがこのお店の看板メニューらしいのだが、今回は『抹茶ニューヨークチーズケーキのアイス添え』を注文。
看板メニューならまず間違いないのだろうけども、その時食べたいものを食べるのが結局は一番なのである。
ちなみに、アイスは抹茶・ほうじ茶・ミルクの中から選べるが、ここは当然抹茶一択だ。
「ん~~! 美味しいっ!」
「抹茶とチーズケーキって案外合うんだね? どれ、僕も食べてみよう。」
と言いつつも、フォークに手を伸ばしたりはしない。代わりに口をパクパクさせる事で何も言わずともこちらの要求を彼女に伝えているのである。所謂、アーンの要求である。
「そこにフォークあるよ?」
「それは知ってるけど、そうじゃない!」
……要求が伝わろうとも、素直に実行してくれるとは限らないのである。
チーズケーキは抹茶の風味も含まれているため控えめな甘さで食べやすく、別腹に収めやすい上品な美味しさだった。
スイーツのサイドに抹茶わらび餅・栗・小豆の粒あん・アイス・ホイップクリームがちょい載せされているのもよく考えられている。
これなら味覚にバリエーションを付けられるので、スイーツがそれほど好きでない男性でも最後まで飽きずに食べる事ができるだろう。
尚、それぞれのお値段は抹茶とほうじ茶ラテが各580円、カレーが1300円、チーズケーキが1000円の合計約3500円である。
実際にはそこからさらにドリンク+スイーツ等のセット割引が適用されるので軽食込みだと思えば一般的なお値段なのではないだろうか。
ただ、『お昼は軽食にしよう』って話がどこに行ったのかは不明である。カレーとチーズケーキは1人分のシェアなのでセーフってことにしておこう。
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