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創作スキルと願い事

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「まーそれにね栞。世界平和って、人間の夢見る世界じゃない?人間が生物のピラミッドの頂点に言えるから言えることなんだと思うよ。人も動物も、植物も、地球や天に輝く星さえもみんな平等に平和になってくれたら~って思う訳よ。でもな、栞あんたはこんな小難しいことは考えなくてていいよ。栞は今まで通り、世界の平和を願う優しい女の子であってくれたらいいよ。」

 神奈が唐突に抱きしめてくる。

「私は私、このままでいいってことね。ありがとね。神奈。」

「不老不死も老いなくなる事は、好きな人と一緒に生きる時間を過ごせないからね。それもパスだし、世界征服も征服する意味が分からないから、いらないよ。なくなった人も蘇らせる予定も今はないかな。今のところ彼氏は元気に生きてるし、お祖父ちゃん、お婆ちゃんは亡くなってるけど、じんせいを全うしてるからね。もし、最愛の人が不慮の事故で亡くなった場合は、どうしたいかはその時にならないと分からないけど………。」

「それなら、創作スキルで色々出来そうだけど、使うことって殆どないってこと?神奈は、この創作スキルでやりたいことってないの?」

「ナイナイ。出来そうなことや使ってみたい事は色々あるけど、大きければ大きいほど、使用した時の余波がどれほどでるか分からないじゃない?自分の出来る範囲でいいなら、私が頑張ればいいだけだしね。」

「それもそうだね。なら、このスキルってあんまり使えないね。」

「せっかくもらったんだからさ。栞は使ったらいいと思うよ。ぽっともらった技術だからさ、また、ぽっとなくなるかもしれないし、依存しない様に使えばいいと思うよ。個人の範囲でね。」

「個人の範囲がちょっと難しいかも。」

「ちょっと勇気をちょびっと分けてもらうとか、何かを始める時に最後の一押しをそっとしてもらうとか、そんな感じで使えばいいんじゃないかな?」

「そうだね。もうそれだと、スキルというより神頼みに近い所があるね。不可思議な力だから、それがいいのかもね。でも、お金を出さなくていいの?」

「いいのいいの。通貨偽造は犯罪だし、偽造じゃない場合は、どこかのお金がこっちに来るってことでしょ。それに、泡銭(あぶくぜに)は身につかないっていうからね。身の丈に合わないお金や資産は身を滅ぼすからいらないのよ。栞は絶対しないと思うけど、やっちゃダメよ。」

「分かってるわかってる。ちょっと聞いてみただけ。」

「さっせっかく来たんだから、栞の小説をネットに、上げることを始めようか。」

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