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【雇用№016】愛と魔法創造その3

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「愛様、素晴らしいです。これが魔法なんですね。私達にも使えるでしょうか?」

「ええっと、そんなにすごいことなのかな?出来たと言っても、ちょっぴり、目に見えるか見えないかぐらいの小さな水の塊りだよ!?」

「愛様何を言っているんですか?今まさに無から有を作ったのですよ!!これが凄いことと言わずして、一体何を凄いことと言うのですか!!!」

 あ~確かに、日本でもこの現象だけでもかなり、話題になるし、下手したらノーベル賞ものかもしれないわね。でもね、魔法の使える異世界で、これだけの魔法と考えると期待をしていた分ちょっとなんだかな~って感じになるんだよね。

 でも、よかったこれぐらいで喜んでもらえるのであれば攻撃魔法とかは必要なさそうだよね。王様や大臣、貴族の方がた何を言ってくるのかはわからないけど、少なくともここにいるメイド達は、未知の現象に目をキラキラさせて見てくるもん。

 これは、子供が新しい不思議な出来事を期待して、僕もやってみたい、私も運転してみたい、俺も魔法使ってみたいって感覚と似ているね。可愛らしいたったらないよ。

「きっと呪文を唱えたら使えると思いますよ。『魔素感知』」

周辺の魔素を確認したら、うっすら~~っと紫の霧が魔霊樹から漂っているのがわかる。さっきの魔法で使ったのはわずかな魔素だったし、きっと大丈夫だよね。

「でしたら、愛様お願いします。私達にも魔法を教えて下さい。」

「教えて!」

 3人メイド衆が頭を下げて、魔法少女のコスプレをしている私に頭を下げてお願いして来る。いやいやどんなシーンなんでしょうね。これは!?

「わかりました。では、今から呪文を教えますので、復唱して下さいね。」

「「はいっ」」
「うん」


『万物の根源たる愛しき水よ。』
『『『万物の根源たる愛しき水よ。』』』


『女神フェリシアの名の元に』
『『『女神フェリシアの名の元に』』』

『わが前に少量の飲み水を与えよ。』
『『『わが前に少量の飲み水を与えよ。』』』

『ミネラルウォーター』
『『『ミネラルウォーター』』』

 あっ、呪文を発動してから気付いた。一人分の魔素は大丈夫だったけど、4人一遍だと必用な魔素が多くて、発動しないってことはないよね。人に教えを請われて教えている手前失敗するとものすご~~~く恥ずかしいんだけど。お願いだから、みんなの魔法を成功させてください。お願いします神様。

 外から見れば、円陣を組んで手を合わせて、「えいっえいっおーっ」するように見えるかもしれないね。そして、私の指先にみんなより一足早く、水球が出来た。さっきと同じくらいの小粒サイズだ。数秒遅れて、フランダさん、エミリーさん、ロゼさんの指先に水球が出来た。と言っても、目に見えるか見えないかくらいの非常に小さな粒だけどね。こうやって、じっくりと集中してみないとわからないレベルだよ。

「でっ出来ました~~愛様」

「やった~~私にも魔法が使えた」

「ふふふっ、これで私も魔法少女」

 えっ、今ロゼさん何やら不吉な発言をしませんでした。魔法少女のコスプレをした私がメイドに魔法を教えて、魔法少女にしていく?いったいどんな漫画ですか。それは。私もこの人達と契約していった方がいいのかな?そして、そのワードが広まっていくと、私の存在が魔法少女として固定されてしまうんじゃ・・・ブルブルブル。

 それはちょっと勘弁してもらいたいかも。なんとか呼称を変更して無難なものにしておかないと、あっ、これってこの世界での初の魔法発現だよね。もしかして、歴史書にのっちゃうやつじゃないの?魔法少女愛の手によって、人間に魔法が伝授されたみたいな感じで。いやなにそれ、超恥ずかしいやつだわ。それが写真つきで、このコスプレ魔法少女姿だと、黒歴史もいいとこだよね。しかも、個人の日記帳やノートじゃなくて、国いや世界レベルでの黒歴史の公開だよ。

 それはなんなの私に、恥ずかし死して欲しいのかしらね。それはほんっ~~~~とうに勘弁してもらいたいわ。知り合いなんかに知られた日には一生そのネタでおちょくられてしまうもん。特にリュウ君だけにはこんな恥ずかしいこと知られるわけにはいかないわ。

 もっとも異世界転移・転生でこの世界に来る知人がいればの話なんだけど、ないよね。凄い数いってたし、って1兆人って、日本人が確か、1億2000万人くらいでしょ。で、世界はだいたい80億人くらいだから。うん、きっと大丈夫だよね。世界の人口の10倍くらいの人数の当選確率だから、きっといないはずだよ。いても、元の世界に帰れないからきっと大丈夫。

 いや、異世界人がいてくれて、元の世界に戻る方法をしってくれていた方がこの場合は助かるのかな?いや、でも、その人が戻ると私の魔法少女のコスプレが世界に知らさせるかもしれないわけで・・・・うむむむ。。。。





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