【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~ 【累計13万PT & 123大賞4一次通過】

近衛 愛

文字の大きさ
48 / 188
第4章 ポーション 緊急納品編

【雇用№047】雇われ勇者 現地民の魔法の学び処その4

しおりを挟む
へ~ここで木工職人さんが家具などを作っているのか?

大きなログハウスの家の隣、シンプルだけど味わいのある丸太で作られた作業小屋があった。
「ぎこぎこ」と子気味のよい音が作業小屋の方から聞こえてくる。

「こんにちは~」
「はい、ちょっと待ってください。今行きます。」

でかい、ランニングを着たいかついおじさんではなく、その相方をしていた若い少年が来た。

「はい、お待たせしました。なんの御用でしょうか?」

「ええと、ですね。こういうものを作ってもらいたくて、こっちに来たんですけど」

と言って、地面に近くの石で作ってほしいものの図を書いていく。
立体に見える図と、天面図、正面図、背面図、底面図の展開図まで記載して、説明した。

「なるほど、こういうものを作りたいんですね。ちなみにどういった使用用途でしょうか?」

「使用用途は秘密です。」

と口の前に右手をもってきて、一指し指をあてました。

「といいたいとこですけど、用途がわからないと、材質や木材の切れ目の精度等に関係してきますからね。お話しまけど、内緒でお願いしますよ。」

「ええ、わかりました。」

「メモを取りたいんですよ。紙は高いので、これを作成して、なんとかしようかと思いまして。」

「は~メモですか?木板でいいのではありませんか?いらなくなったら削れば良いので。
それにどこに書くのですか?このまま使うなら普通に木板と変わりませんよ。周囲に装飾がある分、一回使ったきりになりますけど」

「この枠で囲った中に蝋燭をとかした、蝋を入れるんですよ。蝋って冷めると固くなるじゃないですか、その固まった箇所に、刃先の尖ったものを使って、文字を刻むんですよ。」

「なるほど、確かにそれなら、メモ変わりになりますね。でも、消すときはどうすんですか?また、蝋を温めて、入れるんですか?それともカンナで削るんですか?」

「いえ、それだと、毎回蝋燭を近くにおいて作業しないといけませんし、カンナだと一般の家庭にはおいてませんから、毎回ここまで来てお願いするのは流石に手間ですよ。」

「確かにそうですね。ではどうやって?」

「ヘラか何か刃先がヘラベッタイものを使用して、文字の書いてある上面だけ、削りとれば、問題ないですよ。」

「あ~なるほど、確かにその方法なら、出来そうですね。作りたいものは分かりました。ちょっと親方に相談してくるので、お待ちください。」

「親方・・・かくかくしかじかで、・・・」

「あ~なるほど、よくわかった。これは俺が話した方がよさそうだ。」

「なぁ~~兄さん、話は聞かせてもらった。かなり使い勝手がよさそうで、しかもコスト面でも安価に出来そうだ。俺は、ロベルタってんだ。兄さんの名は教えてくれるかい?」」

「僕の名前はリュウです。宜しくロベルタさん。それで作ってもらえそうですか?5個ほどとりあえず欲しいのですが。」

「あ~その件なんだがな、ちょっとリュウさんに相談があるんだ。これだけの一品、兄さんに依頼された分だけ作ったら、もったいないんだわ。」

????

「んっ、もったいない???どういうことですか?材料費は端材でも十分できるのでコストはさほどかからないはずですけど。」

「あっいや俺の説明がわるかった。う~ん、まどろっこしいのはどうも苦手だな。単刀直入に言う、これをうちの販売商品にさせて欲しい。」

「はぁ~~、それをなんでまた僕に言うんですか?勝手に作ってしまって販売しても誰もわかりませんよ。構造自体はすごく簡単で、極論言えば、僕でも作れるんですから。」

「それはだな。兄さん、見たことないけど、ここのもんじゃないだろ。てことはどこか他所から来たわけだ。それで、こんな話を相談に来てくれたってことは、懇意にしている所もないんだろ。

ここで俺が不義理を働いて勝手に売りだしたら、確かに利益はでるだろうよ。でもな、なんかあんたにはまだいろいろ隠し持っているアイデアがありそうなんだわ。

ここで不義理を働いて、小金を稼ぐよりかは、長期的に信頼関係を結んでお互いWIN-WINの関係にした方が、お互いにうま味がでかいと思ってな。」

「なるほど、そういうお考えでしたか。でも今の所他にアイデアはありませんよ。それでよければ、販売してもらっても構いませんよ。」

ちょっと落胆した声になるロベルタさん。結構気持が身体に出やすい人のようだ。

「そっそうか。なら、うちの販売価格の10%をリュウさんに月に一度渡すことにするけどいいか?」

ああ、なるほどロイヤリティ契約を結びたいってことか。

「いいですよ。原価、人件費、利益、その他間接費を考えればその辺が妥当なところでしょう。それに元々僕はそのアイデアを売りに来るつもりはなかったので、その金額でOKです」

「そっそうか、なら、リュウさんに収める4個は試作品として、代金はいらないわ。その代わり、実際に使うところを見せてくれ。」

「ええ、そのくらいお安い御用ですよ。」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが…… この世界の文明レベル、低すぎじゃない!? 私はそんなに凄い人じゃないんですけど! スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...