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第4章 ポーション 緊急納品編
【雇用№047】雇われ勇者 現地民の魔法の学び処その4
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へ~ここで木工職人さんが家具などを作っているのか?
大きなログハウスの家の隣、シンプルだけど味わいのある丸太で作られた作業小屋があった。
「ぎこぎこ」と子気味のよい音が作業小屋の方から聞こえてくる。
「こんにちは~」
「はい、ちょっと待ってください。今行きます。」
でかい、ランニングを着たいかついおじさんではなく、その相方をしていた若い少年が来た。
「はい、お待たせしました。なんの御用でしょうか?」
「ええと、ですね。こういうものを作ってもらいたくて、こっちに来たんですけど」
と言って、地面に近くの石で作ってほしいものの図を書いていく。
立体に見える図と、天面図、正面図、背面図、底面図の展開図まで記載して、説明した。
「なるほど、こういうものを作りたいんですね。ちなみにどういった使用用途でしょうか?」
「使用用途は秘密です。」
と口の前に右手をもってきて、一指し指をあてました。
「といいたいとこですけど、用途がわからないと、材質や木材の切れ目の精度等に関係してきますからね。お話しまけど、内緒でお願いしますよ。」
「ええ、わかりました。」
「メモを取りたいんですよ。紙は高いので、これを作成して、なんとかしようかと思いまして。」
「は~メモですか?木板でいいのではありませんか?いらなくなったら削れば良いので。
それにどこに書くのですか?このまま使うなら普通に木板と変わりませんよ。周囲に装飾がある分、一回使ったきりになりますけど」
「この枠で囲った中に蝋燭をとかした、蝋を入れるんですよ。蝋って冷めると固くなるじゃないですか、その固まった箇所に、刃先の尖ったものを使って、文字を刻むんですよ。」
「なるほど、確かにそれなら、メモ変わりになりますね。でも、消すときはどうすんですか?また、蝋を温めて、入れるんですか?それともカンナで削るんですか?」
「いえ、それだと、毎回蝋燭を近くにおいて作業しないといけませんし、カンナだと一般の家庭にはおいてませんから、毎回ここまで来てお願いするのは流石に手間ですよ。」
「確かにそうですね。ではどうやって?」
「ヘラか何か刃先がヘラベッタイものを使用して、文字の書いてある上面だけ、削りとれば、問題ないですよ。」
「あ~なるほど、確かにその方法なら、出来そうですね。作りたいものは分かりました。ちょっと親方に相談してくるので、お待ちください。」
「親方・・・かくかくしかじかで、・・・」
「あ~なるほど、よくわかった。これは俺が話した方がよさそうだ。」
「なぁ~~兄さん、話は聞かせてもらった。かなり使い勝手がよさそうで、しかもコスト面でも安価に出来そうだ。俺は、ロベルタってんだ。兄さんの名は教えてくれるかい?」」
「僕の名前はリュウです。宜しくロベルタさん。それで作ってもらえそうですか?5個ほどとりあえず欲しいのですが。」
「あ~その件なんだがな、ちょっとリュウさんに相談があるんだ。これだけの一品、兄さんに依頼された分だけ作ったら、もったいないんだわ。」
????
「んっ、もったいない???どういうことですか?材料費は端材でも十分できるのでコストはさほどかからないはずですけど。」
「あっいや俺の説明がわるかった。う~ん、まどろっこしいのはどうも苦手だな。単刀直入に言う、これをうちの販売商品にさせて欲しい。」
「はぁ~~、それをなんでまた僕に言うんですか?勝手に作ってしまって販売しても誰もわかりませんよ。構造自体はすごく簡単で、極論言えば、僕でも作れるんですから。」
「それはだな。兄さん、見たことないけど、ここのもんじゃないだろ。てことはどこか他所から来たわけだ。それで、こんな話を相談に来てくれたってことは、懇意にしている所もないんだろ。
ここで俺が不義理を働いて勝手に売りだしたら、確かに利益はでるだろうよ。でもな、なんかあんたにはまだいろいろ隠し持っているアイデアがありそうなんだわ。
ここで不義理を働いて、小金を稼ぐよりかは、長期的に信頼関係を結んでお互いWIN-WINの関係にした方が、お互いにうま味がでかいと思ってな。」
「なるほど、そういうお考えでしたか。でも今の所他にアイデアはありませんよ。それでよければ、販売してもらっても構いませんよ。」
ちょっと落胆した声になるロベルタさん。結構気持が身体に出やすい人のようだ。
「そっそうか。なら、うちの販売価格の10%をリュウさんに月に一度渡すことにするけどいいか?」
ああ、なるほどロイヤリティ契約を結びたいってことか。
「いいですよ。原価、人件費、利益、その他間接費を考えればその辺が妥当なところでしょう。それに元々僕はそのアイデアを売りに来るつもりはなかったので、その金額でOKです」
「そっそうか、なら、リュウさんに収める4個は試作品として、代金はいらないわ。その代わり、実際に使うところを見せてくれ。」
「ええ、そのくらいお安い御用ですよ。」
大きなログハウスの家の隣、シンプルだけど味わいのある丸太で作られた作業小屋があった。
「ぎこぎこ」と子気味のよい音が作業小屋の方から聞こえてくる。
「こんにちは~」
「はい、ちょっと待ってください。今行きます。」
でかい、ランニングを着たいかついおじさんではなく、その相方をしていた若い少年が来た。
「はい、お待たせしました。なんの御用でしょうか?」
「ええと、ですね。こういうものを作ってもらいたくて、こっちに来たんですけど」
と言って、地面に近くの石で作ってほしいものの図を書いていく。
立体に見える図と、天面図、正面図、背面図、底面図の展開図まで記載して、説明した。
「なるほど、こういうものを作りたいんですね。ちなみにどういった使用用途でしょうか?」
「使用用途は秘密です。」
と口の前に右手をもってきて、一指し指をあてました。
「といいたいとこですけど、用途がわからないと、材質や木材の切れ目の精度等に関係してきますからね。お話しまけど、内緒でお願いしますよ。」
「ええ、わかりました。」
「メモを取りたいんですよ。紙は高いので、これを作成して、なんとかしようかと思いまして。」
「は~メモですか?木板でいいのではありませんか?いらなくなったら削れば良いので。
それにどこに書くのですか?このまま使うなら普通に木板と変わりませんよ。周囲に装飾がある分、一回使ったきりになりますけど」
「この枠で囲った中に蝋燭をとかした、蝋を入れるんですよ。蝋って冷めると固くなるじゃないですか、その固まった箇所に、刃先の尖ったものを使って、文字を刻むんですよ。」
「なるほど、確かにそれなら、メモ変わりになりますね。でも、消すときはどうすんですか?また、蝋を温めて、入れるんですか?それともカンナで削るんですか?」
「いえ、それだと、毎回蝋燭を近くにおいて作業しないといけませんし、カンナだと一般の家庭にはおいてませんから、毎回ここまで来てお願いするのは流石に手間ですよ。」
「確かにそうですね。ではどうやって?」
「ヘラか何か刃先がヘラベッタイものを使用して、文字の書いてある上面だけ、削りとれば、問題ないですよ。」
「あ~なるほど、確かにその方法なら、出来そうですね。作りたいものは分かりました。ちょっと親方に相談してくるので、お待ちください。」
「親方・・・かくかくしかじかで、・・・」
「あ~なるほど、よくわかった。これは俺が話した方がよさそうだ。」
「なぁ~~兄さん、話は聞かせてもらった。かなり使い勝手がよさそうで、しかもコスト面でも安価に出来そうだ。俺は、ロベルタってんだ。兄さんの名は教えてくれるかい?」」
「僕の名前はリュウです。宜しくロベルタさん。それで作ってもらえそうですか?5個ほどとりあえず欲しいのですが。」
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「んっ、もったいない???どういうことですか?材料費は端材でも十分できるのでコストはさほどかからないはずですけど。」
「あっいや俺の説明がわるかった。う~ん、まどろっこしいのはどうも苦手だな。単刀直入に言う、これをうちの販売商品にさせて欲しい。」
「はぁ~~、それをなんでまた僕に言うんですか?勝手に作ってしまって販売しても誰もわかりませんよ。構造自体はすごく簡単で、極論言えば、僕でも作れるんですから。」
「それはだな。兄さん、見たことないけど、ここのもんじゃないだろ。てことはどこか他所から来たわけだ。それで、こんな話を相談に来てくれたってことは、懇意にしている所もないんだろ。
ここで俺が不義理を働いて勝手に売りだしたら、確かに利益はでるだろうよ。でもな、なんかあんたにはまだいろいろ隠し持っているアイデアがありそうなんだわ。
ここで不義理を働いて、小金を稼ぐよりかは、長期的に信頼関係を結んでお互いWIN-WINの関係にした方が、お互いにうま味がでかいと思ってな。」
「なるほど、そういうお考えでしたか。でも今の所他にアイデアはありませんよ。それでよければ、販売してもらっても構いませんよ。」
ちょっと落胆した声になるロベルタさん。結構気持が身体に出やすい人のようだ。
「そっそうか。なら、うちの販売価格の10%をリュウさんに月に一度渡すことにするけどいいか?」
ああ、なるほどロイヤリティ契約を結びたいってことか。
「いいですよ。原価、人件費、利益、その他間接費を考えればその辺が妥当なところでしょう。それに元々僕はそのアイデアを売りに来るつもりはなかったので、その金額でOKです」
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