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私の親友は『背景要員のハエ』でいいらしい
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「どうしよう、シェリー!! フラグだわ……!!」
本日もきたか。ローズマリー様の持病『フラグ』病。
我が親友、ローズマリー様はなんと侯爵家の長女、麗しの17歳。多少目が吊り上がっているものの、十分に美少女である彼女は、この国一の勝ち組だ。なんせ婚約者がこの国の第一王子、ノア様なのだから。ちなみにノア様は身分だけでなく、容姿端麗、文武両道というおまけつき。神様に不平等を訴えたい。
そんな私は彼女の親友という特権を活かし、あれやこれやと彼女に倣って虐めもすれば、施しもする。いわゆるとりまきだ。別にやりたくてやってるわけではない。
すべては将来安泰のため。
なぜなら私は貴族の娘だから。世の中は世知辛い。有事の際、後ろ盾がないと貴族でも簡単に没落してしまう。お金や繋がりは命の次に大事なものだ。
だから私は彼女を大切にした。好ましい人ではなかったけれど。
だが半年前のある日、ローズマリー様は別人のように人が変わってしまった。
理由はわからない。
まず「おーほっほほ」と笑わなくなった。侍女に意地悪もしない。人を見下すのが大好きだった彼女が、ペコペコと頭をさげ「シェリーいつもごめんね」とか言った日には「誰だ? お前」と口にしそうになった。
極めつけは、異世界設定である。
「シェリー、親友の貴方にだけ打ち明けるわ。この世界は乙女ゲーム『アルカディアの乙女』の世界なの。私は登場人物の悪役令嬢でね、主人公のリリーを虐めて処刑されてしまうのよ」
とまぁこのように『本かなにか』の世界に例えようとするのだ。
きいた当初「頭、大丈夫かな?」と私は真剣に悩んだ。
だが私は洗練された取り巻き。このぐらいで動揺したりしない。だって世は弱肉強食だ。私の表情筋は、全身全霊で同情顔を維持しきった。きっと思春期アルアルのアレだからいつか治るだろうとも思った。
けれどもローズマリー様の妄想は治らなかった。とうとう虐めてもないのに「リリーを虐めちゃった~~」と言い出すまでになったのだ。
事の顛末はこの間の『舞踏会前』にさかのぼる。
その日、ローズマリー様が酷く動揺して私にこう言った。
「『ワインぶっかけ高笑い事件』のフラグを回避したいの。手伝って」
と。
「なにその事件」と私は心の中で突っ込んだ。二回ぐらい聞き直した。
なんでもローズマリー様が、高笑いしながらリリーにワインをかける事件が起こるらしい。昔のローズマリー様ならわかるが、今はそんな事をする人ではない。
そもそもワインを飲まなきゃいいのでは? と進言したがそこは頑固なローズマリー様。聞いてはくださらなかった。
どうしても『すちる回収』という崇高な儀式をしたいらしい。『ローズマリー様がワイン片手に、王子とリリーが出会うシーン目撃する』という場面を再現したいというのだ。だから背景要員に専念したいと。
そこは何事にも真剣に受け止めるのが真の取り巻きである。
背景要員ってなに? と突っ込んではいけない。
結果、私はリリー役となりロールプレイのお付き合いをした。いかなる時もワインが零れぬよう、ワインを片手に反復横跳びの練習までやりとげた。
それは「こんなロールプレイいらなくね?」と反復のたび思うぐらい過酷な訓練だった。
ここまですれば大丈夫だろうと当時の私は思った。だが見通しが甘かったらしい。
舞踏会当日、ローズマリー様は緊張され、ぶっこけてしまった。そこに悲しいかな、偶然目の前にいたリリーにワインをぶっかけてしまったのである。
そして現在のフラグが~に至る。
そうローズマリー様はここ数日、その事を何度も思い出しては落ちこんでおられるのだ。
「あぁ、シェリーワインをぶっかけるとか……処刑されちゃえ~❤って思われたよね? ヤバイ人認定されてたらどうしよう」
いや処刑に❤つけるとか、そっちのほうがヤバイだろう。
「大丈夫ですよ。ローズマリー様は丁寧に謝罪なさってたじゃないですか。リリーも「気にしてませんわ」といってましたし。ドレスだって王宮御用達のドレスショップで仕立てたものをプレゼントしたんですよ? 私だったら高いドレスを貰ったと喜んじゃいますけど」
「そうかしら……高いドレスを押し付けて「なんて人!! 私のドレスはボロッボロのくず布とでもいいたいの!」って怒ってないかしら。そしてっ処刑台にっ」
どんだけ処刑台にいきたいの。
「処刑なんてありえません。それより、そろそろノア王子とお散歩に出かける時間ですよ? 私と話していてよろしいのですか?」
「……!! む、ムリィィイ!!」
ローズマリー様は頬を桃色に染め、もじもじし始めた。以前のローズマリー様なら、王子ゲットしてくるぜ!! って感じで行動してたのに。本当に人が変わってしまった。
「……いきなりお散歩とか。私は処刑を回避しつつ、リリーと推しの幸せを傍観したいの。そこに全人生を賭けて生きるとあの日誓ったのよ」
どんな人生なんですか? それ。
「なのにこの私と推しが散歩とか。距離を考えただけで尊すぎて死ぬ!! 薄い本を描くしか能のない課金奴隷に、何をさせる気なの?」
「散歩ですが」
どうしよう。母国語なのに半分も意味が分からない。
「そうじゃなくて!! 非モテには荷が重いのよ」
「つまり王子と散歩する間、会話の話題に困ると言う事でしょうか?」
「うん……だからシェリーも一緒にいきましょう!」
それだと私が空気を読めない人になるだけでは。
「大丈夫ですよ。ローズマリー様が緊張しておられても優しくエスコートしてくださいますから」
「いやだぁぁ。もしお散歩中にリリーが出てきたらどうするの? 私が虐めるから処刑してとか言われたら!! うわぁぁん」
「侯爵家の庭にどうしてリリーが出現するんです? ありえません。がんばってください」
私はローズマリー様のお願いを突っぱねた。これでも人間だ。泣いている方に心を鬼にして言うのは辛い。しかしローズマリー様には王子と結婚してもらわねばならない。ゆくゆくは王妃となって私の強い後ろ盾になっていただくために。
取り巻きよ、欲望に忠実であれ。
私の強い拒絶でローズマリー様は諦めたのか、覚悟を決めた顔で「がんばる」とおっしゃった。そうして顔をマッチョな戦士に変貌させると(幻覚?)、私に一冊のスケッチブックを差し出された。
なんだろう。取り巻きの第六感が断れと言ってる気がする。
「ローズマリー様これは?」
「スケッチブックよ」
いや、わかる。それはわかる。私が言いたいのは何故ここでスケッチブックが登場するかという事だ。
「シェリー、こんなこともあろうかと私は手取り足取りイケメンの描き方を教えたわよね?」
たしかに教わった。どんなことがあろうかと思って教わった。イケメンの周りには謎の風が吹き、必要に応じてバラが背景に添えられるというやつを。
「私の代わりにスチルを回収してちょうだい。チャンスがくれば合図するわ」
声を三オクターブぐらい下げて、ローズマリー様が言う。
「……すちるとはスケッチする事でしょうか?」
「正確には違うわ。乙女がときめく瞬間を形にしたものね。私にはそれを回収する使命があるの……レディの嗜たしなみと思って頑張って」
そんな嗜み初めて聞いたぞ。
「わかりました。仲睦まじいお二人を絵にすればいいのですね」
「違う! 違うわ!!」
違うの? なんで?
「王子だけを描くのよ。私は背景──そうね薔薇の葉っぱにとまるハエぐらいの扱いでいいわ」
ご自分を卑下しすぎでは!!?
「という事でよろしくね。私も覚悟を決めて頑張るからっ!」
ローズマリー様は目をキラキラさせ、私にお願いをした。
さてどうしましょうか?
本日もきたか。ローズマリー様の持病『フラグ』病。
我が親友、ローズマリー様はなんと侯爵家の長女、麗しの17歳。多少目が吊り上がっているものの、十分に美少女である彼女は、この国一の勝ち組だ。なんせ婚約者がこの国の第一王子、ノア様なのだから。ちなみにノア様は身分だけでなく、容姿端麗、文武両道というおまけつき。神様に不平等を訴えたい。
そんな私は彼女の親友という特権を活かし、あれやこれやと彼女に倣って虐めもすれば、施しもする。いわゆるとりまきだ。別にやりたくてやってるわけではない。
すべては将来安泰のため。
なぜなら私は貴族の娘だから。世の中は世知辛い。有事の際、後ろ盾がないと貴族でも簡単に没落してしまう。お金や繋がりは命の次に大事なものだ。
だから私は彼女を大切にした。好ましい人ではなかったけれど。
だが半年前のある日、ローズマリー様は別人のように人が変わってしまった。
理由はわからない。
まず「おーほっほほ」と笑わなくなった。侍女に意地悪もしない。人を見下すのが大好きだった彼女が、ペコペコと頭をさげ「シェリーいつもごめんね」とか言った日には「誰だ? お前」と口にしそうになった。
極めつけは、異世界設定である。
「シェリー、親友の貴方にだけ打ち明けるわ。この世界は乙女ゲーム『アルカディアの乙女』の世界なの。私は登場人物の悪役令嬢でね、主人公のリリーを虐めて処刑されてしまうのよ」
とまぁこのように『本かなにか』の世界に例えようとするのだ。
きいた当初「頭、大丈夫かな?」と私は真剣に悩んだ。
だが私は洗練された取り巻き。このぐらいで動揺したりしない。だって世は弱肉強食だ。私の表情筋は、全身全霊で同情顔を維持しきった。きっと思春期アルアルのアレだからいつか治るだろうとも思った。
けれどもローズマリー様の妄想は治らなかった。とうとう虐めてもないのに「リリーを虐めちゃった~~」と言い出すまでになったのだ。
事の顛末はこの間の『舞踏会前』にさかのぼる。
その日、ローズマリー様が酷く動揺して私にこう言った。
「『ワインぶっかけ高笑い事件』のフラグを回避したいの。手伝って」
と。
「なにその事件」と私は心の中で突っ込んだ。二回ぐらい聞き直した。
なんでもローズマリー様が、高笑いしながらリリーにワインをかける事件が起こるらしい。昔のローズマリー様ならわかるが、今はそんな事をする人ではない。
そもそもワインを飲まなきゃいいのでは? と進言したがそこは頑固なローズマリー様。聞いてはくださらなかった。
どうしても『すちる回収』という崇高な儀式をしたいらしい。『ローズマリー様がワイン片手に、王子とリリーが出会うシーン目撃する』という場面を再現したいというのだ。だから背景要員に専念したいと。
そこは何事にも真剣に受け止めるのが真の取り巻きである。
背景要員ってなに? と突っ込んではいけない。
結果、私はリリー役となりロールプレイのお付き合いをした。いかなる時もワインが零れぬよう、ワインを片手に反復横跳びの練習までやりとげた。
それは「こんなロールプレイいらなくね?」と反復のたび思うぐらい過酷な訓練だった。
ここまですれば大丈夫だろうと当時の私は思った。だが見通しが甘かったらしい。
舞踏会当日、ローズマリー様は緊張され、ぶっこけてしまった。そこに悲しいかな、偶然目の前にいたリリーにワインをぶっかけてしまったのである。
そして現在のフラグが~に至る。
そうローズマリー様はここ数日、その事を何度も思い出しては落ちこんでおられるのだ。
「あぁ、シェリーワインをぶっかけるとか……処刑されちゃえ~❤って思われたよね? ヤバイ人認定されてたらどうしよう」
いや処刑に❤つけるとか、そっちのほうがヤバイだろう。
「大丈夫ですよ。ローズマリー様は丁寧に謝罪なさってたじゃないですか。リリーも「気にしてませんわ」といってましたし。ドレスだって王宮御用達のドレスショップで仕立てたものをプレゼントしたんですよ? 私だったら高いドレスを貰ったと喜んじゃいますけど」
「そうかしら……高いドレスを押し付けて「なんて人!! 私のドレスはボロッボロのくず布とでもいいたいの!」って怒ってないかしら。そしてっ処刑台にっ」
どんだけ処刑台にいきたいの。
「処刑なんてありえません。それより、そろそろノア王子とお散歩に出かける時間ですよ? 私と話していてよろしいのですか?」
「……!! む、ムリィィイ!!」
ローズマリー様は頬を桃色に染め、もじもじし始めた。以前のローズマリー様なら、王子ゲットしてくるぜ!! って感じで行動してたのに。本当に人が変わってしまった。
「……いきなりお散歩とか。私は処刑を回避しつつ、リリーと推しの幸せを傍観したいの。そこに全人生を賭けて生きるとあの日誓ったのよ」
どんな人生なんですか? それ。
「なのにこの私と推しが散歩とか。距離を考えただけで尊すぎて死ぬ!! 薄い本を描くしか能のない課金奴隷に、何をさせる気なの?」
「散歩ですが」
どうしよう。母国語なのに半分も意味が分からない。
「そうじゃなくて!! 非モテには荷が重いのよ」
「つまり王子と散歩する間、会話の話題に困ると言う事でしょうか?」
「うん……だからシェリーも一緒にいきましょう!」
それだと私が空気を読めない人になるだけでは。
「大丈夫ですよ。ローズマリー様が緊張しておられても優しくエスコートしてくださいますから」
「いやだぁぁ。もしお散歩中にリリーが出てきたらどうするの? 私が虐めるから処刑してとか言われたら!! うわぁぁん」
「侯爵家の庭にどうしてリリーが出現するんです? ありえません。がんばってください」
私はローズマリー様のお願いを突っぱねた。これでも人間だ。泣いている方に心を鬼にして言うのは辛い。しかしローズマリー様には王子と結婚してもらわねばならない。ゆくゆくは王妃となって私の強い後ろ盾になっていただくために。
取り巻きよ、欲望に忠実であれ。
私の強い拒絶でローズマリー様は諦めたのか、覚悟を決めた顔で「がんばる」とおっしゃった。そうして顔をマッチョな戦士に変貌させると(幻覚?)、私に一冊のスケッチブックを差し出された。
なんだろう。取り巻きの第六感が断れと言ってる気がする。
「ローズマリー様これは?」
「スケッチブックよ」
いや、わかる。それはわかる。私が言いたいのは何故ここでスケッチブックが登場するかという事だ。
「シェリー、こんなこともあろうかと私は手取り足取りイケメンの描き方を教えたわよね?」
たしかに教わった。どんなことがあろうかと思って教わった。イケメンの周りには謎の風が吹き、必要に応じてバラが背景に添えられるというやつを。
「私の代わりにスチルを回収してちょうだい。チャンスがくれば合図するわ」
声を三オクターブぐらい下げて、ローズマリー様が言う。
「……すちるとはスケッチする事でしょうか?」
「正確には違うわ。乙女がときめく瞬間を形にしたものね。私にはそれを回収する使命があるの……レディの嗜たしなみと思って頑張って」
そんな嗜み初めて聞いたぞ。
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「違う! 違うわ!!」
違うの? なんで?
「王子だけを描くのよ。私は背景──そうね薔薇の葉っぱにとまるハエぐらいの扱いでいいわ」
ご自分を卑下しすぎでは!!?
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