「妹より醜い」と言われていた私、今から龍の神様と結婚します。〜ウズメの末裔令嬢の結婚〜

麻麻(あさあさ)

文字の大きさ
9 / 10

8話 座敷牢の中の令嬢

気がつくと深子みこは木とは違う土の匂いを感じていた。

上の窓からわずかな光が入ってきてようやく深子は自分がゴザの上に寝てたと気づくが、着せてもらった桔梗桔梗色の着物は土埃つちぼこりが付き、こんな場所にいた事も驚いたが着物を汚した事にも落ち込んだ。

「ここは?」
ろうに入ってる事を知るが確か深子に代わって女中が淹れたお茶を飲んでから記憶がない。

「まさか、ここは屋敷の中なの?」
こんな場所があるなんて知らなかった。

「そうよう。
今までアンタに使ってなかったのよ
感謝なさい」

突然、扉から舞華まいか蝋燭ろうそくを持って入って来て驚いた。

「あの日から何日経っているの?」
閃羅せんらを待たせていたままの深子は危惧した。


「彼なら今夜ここに来るわ」
舞華に言われほっとしたのも束の間

「でもここまでは来ないわよ」
と彼女は笑う。

どういう事だろう?

「姉様私ね、雷龍らいりゅう様と結婚するのよ!」
「え?」

意味が分からない。
かたちだけでいいけど彼とちぎりを交わしたのは深子だ。

「でも、私は彼と」
契った、なんて誤解されそうだ。
言えない。

「一緒にいてほしいって言われて」
と話すが舞華はそんな言葉は無視だ。

「あら。でも招待状を送ったらちゃんと喜んで応じてくれたわ」

袖から出して見せられた手紙には確かに人の字でちゃんと「雷龍」と書かれていた。

「嘘」
馬車に乗る前まで深子は彼と仲つまじく話していたのだ。


「嘘って何よ。
アンタ私に意見する方だったかしら?」

ただの生意気じゃないスウッと冷たい視線を舞華は深子に浴びせる。

「だって猿田彦さるたひこ様は?」

そうだ。家には猿田彦様が家には来るはずだ。
深子は問う。

「破談にしてもらったの」
「そんな!」

繰り返された末裔同士の結婚がいくら舞華でも破談にできるものなのかと深子は思った。

でも手紙には彼の大きなうろこが付けてある。

(手紙は本物?やっぱり選ばれるのは舞華なの!?)

彼女は今夜って言った。

「じゃあ私、今から着付けなの」
もう行くわねっ。

舞華は楽しみで浮かれていて深子の処遇なんてどうでもいいらしい。

「待って!」
深子の声なんて聞こえる、いや聞くわけない。

「嫌・・・」
きっと作り話だ。

深子は牢の中、そう思うしかなかった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

姉の陰謀で追放されました

たくわん
恋愛
魔力なしと断じられ、姉の陰謀で侯爵家を追放されたリディア。辿り着いた辺境の村で絶望の淵に立った時、彼女の中に眠っていた「聖癒の魔法」が目覚める。 傷ついた村人を救ったリディアは、冷酷無慈悲と恐れられる辺境伯ルカの目に留まり、専属治癒師として城に迎えられる。凍てついた心を持つ辺境伯との出会いが、リディアの運命を大きく変えていく――。

『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』

六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。 王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。  数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。  そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。  「復讐? いいえ、これは正当な監査です」  リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。  孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。  やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。

魔力量だけで選んじゃっていいんですか?

satomi
恋愛
メアリーとルアリーはビックト侯爵家に生まれた姉妹。ビックト侯爵家は代々魔力が多い家系。 特にメアリーは5歳の計測日に計測器の針が振りきれて、一周したことでかなり有名。そのことがきっかけでメアリーは王太子妃として生活することになりました。 主人公のルアリーはというと、姉のメアリーの魔力量が物凄かったんだからという期待を背負い5歳の計測日に測定。結果は針がちょびっと動いただけ。 その日からというもの、ルアリーの生活は使用人にも蔑まれるような惨めな生活を強いられるようになったのです。 しかし真実は……

こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした

綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。 伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。 ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。 ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。 ……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。 妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。 他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。

妹は病弱アピールで全てを奪い去っていく

希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢マチルダには妹がいる。 妹のビヨネッタは幼い頃に病気で何度か生死の境を彷徨った事実がある。 そのために両親は過保護になりビヨネッタばかり可愛がった。 それは成長した今も変わらない。 今はもう健康なくせに病弱アピールで周囲を思い通り操るビヨネッタ。 その魔の手はマチルダに求婚したレオポルドにまで伸びていく。

お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?

朱音ゆうひ@4月1日新刊発売!
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。 何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!   と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど? 別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)

愛されたい妹と逃げる婚約者

キャルキャル
恋愛
正気からバカップルを見るときっとこうなりそう

【完結】妹に婚約者まであげちゃったけれど、あげられないものもあるのです

ムキムキゴリラ
恋愛
主人公はアナスタシア。妹のキャシーにほしいとせがまれたら、何でも断らずにあげてきた結果、婚約者まであげちゃった。 「まあ、魔術の研究やりたかったから、別にいいんだけれどね」 それから、早三年。アナスタシアは魔術研究所で持ち前の才能を活かしながら働いていると、なんやかんやである騎士と交流を持つことに……。 誤字脱字等のお知らせをいただけると助かります。 感想もいただけると嬉しいです。 小説家になろうにも掲載しています。