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4章
34話「生きるか、死ぬか」
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広場を埋め尽くす絶望と、焼けた血の匂い。
私は胸の奥で、ずっと押し込めてきた感情が、今にも崩れそうになるのを感じていた。
結界がきしみ、魔力の糸がいくつも切れていく。
中心区画に逃げ込んだ兵士や住民たちは、もう限界に近い顔をしていた。
誰もが分かっていた――これ以上、奇跡は起きない。
生き延びるか、ここで終わるか、その分岐点に立たされているのだと。
私は自分の両手をじっと見つめる。
小刻みに震える指先。
魔導士として多くの命を救ってきたはずのこの手で、どれだけの絶望を、同じくらい掴んできただろう。
「ノクティアさん、下がってください!」
レオナートが叫ぶ。
彼の肩口には血が滲んでいる。
カイラスも剣を振るいながら、私のそばに立っていた。
彼の目は冷静で、しかしその奥に隠された焦りを、私は知っている。
「ノクティア、お前が倒れたら、ここは終わる。自分を守れ!」
「……でも、私だけ守っても、意味がない」
私は唇を噛みしめ、ゆっくり首を振る。
敵兵が一斉に突撃してきた。
結界の光が弾け、数人の兵が倒れ込む。
だが、次の瞬間にはまた別の敵が、肉薄してくる。
「エイミー、負傷者を後ろに!」
「はい!」
エイミーは必死で負傷者を支え、子どもたちを盾の影に押し込んでいる。
その小さな肩が、涙で濡れていた。
(ここで、私が崩れたら……全て終わる)
私は足元の地面に魔法陣を刻む。
緊急防御の術式、何重にも張り巡らせる。
「ノクティア、体力の限界だろう、これ以上は――」
カイラスの言葉をさえぎるように、私は叫んだ。
「まだ、やれる! ここが私たちの家よ!
私たちの――生きる場所なの!」
その言葉に、兵士たちが一瞬、顔を上げる。
(守りたい。守らなきゃいけない)
私は、幼いころからずっと誰かの期待に応えられなかった。
でも、今だけは、今ここだけは――
敵リーダーの男が静かに前進する。
彼の鎧には無数の傷、けれどもその目には微塵の迷いもなかった。
「ノクティア・エルヴァーン。お前の命を差し出せ。
さもなくば、この砦ごと皆殺しにする」
背後で、エイミーがすすり泣くのが聞こえた。
レオナートは剣を握りしめて睨みつけ、カイラスは私をかばうように立つ。
私は敵将の顔を正面から見据え、口を開いた。
「あなたは、なぜここまで残酷になれるの?」
男はほんの少し、口元を歪めた。
「それが、仕事だからだ。命令に背けば、私も家族も死ぬ。それだけだ」
(恐怖、そして絶望。
どちらも、私たちだけじゃない、敵だって同じなのか――)
その時、突然、砦の北側で新たな爆音が轟いた。
「北門が破られたぞ――!」
兵士の悲鳴。
さらに多くの敵兵がなだれ込み、戦線が一気に崩れ始める。
(もう、守り切れない……!)
私は必死で魔法陣を展開し、治癒魔法を唱え続ける。
だが、魔力の枯渇が体を蝕んでいく。
床に膝をつき、私は肩で息をした。
気を抜けば、すぐに意識が遠のきそうだ。
――ふと、背後から手が伸びてきた。
「ノクティア、休め。俺たちが時間を稼ぐ」
カイラスが私の肩を掴む。
その手の力強さに、私は心が揺れた。
「でも、私がいなきゃ、結界が……」
「もう十分だ。ここからは人間の意地で踏ん張るしかない」
レオナートも、負傷した体で前に立った。
「ノクティアさん、私たちを信じてください。
みんな、あなたに守られてここまで来た。
今度は、私たちが守ります!」
兵士たちが、立ち上がり、盾と剣を構え直す。
「誰も、諦めていません!」
「エイミー、子どもたちを!」
「はい!」
仲間の声が、絶望の淵にある私の心を引き戻した。
私は、もう一度立ち上がる。
(こんなところで、倒れるわけにはいかない)
敵兵が殺到し、盾が割れ、壁が崩れる。
私は小さな防御魔法で、最後の一線を支え続けた。
「ノクティアさん、後ろに!」
レオナートが私の前に立ち、敵兵の刃を受け止める。
私は咄嗟に彼に治癒魔法を施す。
(彼らの“生きたい”という願いが、私の魔力になる)
数人の敵兵が中心区画になだれ込む。
兵士たちが迎え撃ち、絶叫と鉄の音が響く。
私は祈るように魔法を唱え続けた。
「お願い、誰も死なないで……」
だが、現実は無慈悲だった。
盾を失った兵士が倒れ、血が地面に広がる。
負傷した少年兵が、必死で隣の仲間を守ろうとする姿。
砦に生きる民が、涙をこらえながら懸命に子どもを守る姿。
私は、その全てを見て、心が壊れそうになった。
「ノクティア、下がれ!」
カイラスが私を庇い、敵兵の刃を受け止める。
その腕が深く裂け、血が噴き出した。
「カイラス!」
私は叫び、すぐに治癒魔法を施す。
だが、彼は笑いながら首を振った。
「これが、俺たちの生き方だ。最後まで、諦めるな」
私は涙をこらえながら、仲間の隣に立った。
(たとえ絶望しかなくても、私たちは、ここで生きてみせる)
敵将が再び前に出た。
「これ以上の抵抗に意味はない。ノクティア・エルヴァーン、最後の忠告だ。お前が出れば、他の命は助ける」
広場の誰もが、私を見た。
子どもたち、母親、負傷した兵士――
全員の“命”が、私の返事に懸かっている。
私は目を閉じ、深く息を吐いた。
(私が行けば、みんなは助かる――本当に、そうだろうか?
それとも、敵の言葉を信じて、もっと多くの命が奪われるのか?)
選択の重みが、肩にのしかかる。
私は――
「……ごめんなさい」
静かに呟き、敵将の前に一歩、踏み出した。
「……ノクティア!」
カイラスが叫ぶ。
私は振り返らず、敵将をまっすぐ見つめた。
「私の命で、本当に全員を助けると約束できるのなら、ここで降伏する。
だが、ひとつでも約束を破れば、私は――必ずこの命で報いを受けさせる」
敵将はしばし無言で私を見つめ――やがて、静かに頷いた。
「いいだろう。武器を捨てろ、魔法を封じろ」
私は静かに両手を上げ、魔力を解除する。
広場が、静まり返った。
カイラスも、レオナートも、エイミーも――
みんなの顔が、私を見つめている。
私は微笑んだ。
「大丈夫。ここで終わりじゃない。
生きてさえいれば、きっとまた会える。
私は、誰も死なせないって約束したもの」
涙が止まらないエイミーが、私にしがみつこうとする。
「ノクティアさん、いや、ダメです、行かないで――!」
私はそっと彼女の頭を撫でる。
「ありがとう、エイミー。あなたのおかげで、何度も立ち上がれた。
みんなも……カイラスも、レオナートも……。本当にありがとう」
敵兵が私の腕を取る。
私は深く一礼して、仲間の元を離れた。
「……私が生きるか、死ぬかは、もうどうでもいい。
でも、あなたたちは――絶対に、生きて」
砦の扉が、軋みながら開く。
私は敵兵に連れられ、外へ歩き出した。
冷たい朝の光が、血の染みた地面に落ちる。
砦の中から、誰かのすすり泣きが響く。
生きるか、死ぬか――
その選択が、今、私のすべてだった。
私は胸の奥で、ずっと押し込めてきた感情が、今にも崩れそうになるのを感じていた。
結界がきしみ、魔力の糸がいくつも切れていく。
中心区画に逃げ込んだ兵士や住民たちは、もう限界に近い顔をしていた。
誰もが分かっていた――これ以上、奇跡は起きない。
生き延びるか、ここで終わるか、その分岐点に立たされているのだと。
私は自分の両手をじっと見つめる。
小刻みに震える指先。
魔導士として多くの命を救ってきたはずのこの手で、どれだけの絶望を、同じくらい掴んできただろう。
「ノクティアさん、下がってください!」
レオナートが叫ぶ。
彼の肩口には血が滲んでいる。
カイラスも剣を振るいながら、私のそばに立っていた。
彼の目は冷静で、しかしその奥に隠された焦りを、私は知っている。
「ノクティア、お前が倒れたら、ここは終わる。自分を守れ!」
「……でも、私だけ守っても、意味がない」
私は唇を噛みしめ、ゆっくり首を振る。
敵兵が一斉に突撃してきた。
結界の光が弾け、数人の兵が倒れ込む。
だが、次の瞬間にはまた別の敵が、肉薄してくる。
「エイミー、負傷者を後ろに!」
「はい!」
エイミーは必死で負傷者を支え、子どもたちを盾の影に押し込んでいる。
その小さな肩が、涙で濡れていた。
(ここで、私が崩れたら……全て終わる)
私は足元の地面に魔法陣を刻む。
緊急防御の術式、何重にも張り巡らせる。
「ノクティア、体力の限界だろう、これ以上は――」
カイラスの言葉をさえぎるように、私は叫んだ。
「まだ、やれる! ここが私たちの家よ!
私たちの――生きる場所なの!」
その言葉に、兵士たちが一瞬、顔を上げる。
(守りたい。守らなきゃいけない)
私は、幼いころからずっと誰かの期待に応えられなかった。
でも、今だけは、今ここだけは――
敵リーダーの男が静かに前進する。
彼の鎧には無数の傷、けれどもその目には微塵の迷いもなかった。
「ノクティア・エルヴァーン。お前の命を差し出せ。
さもなくば、この砦ごと皆殺しにする」
背後で、エイミーがすすり泣くのが聞こえた。
レオナートは剣を握りしめて睨みつけ、カイラスは私をかばうように立つ。
私は敵将の顔を正面から見据え、口を開いた。
「あなたは、なぜここまで残酷になれるの?」
男はほんの少し、口元を歪めた。
「それが、仕事だからだ。命令に背けば、私も家族も死ぬ。それだけだ」
(恐怖、そして絶望。
どちらも、私たちだけじゃない、敵だって同じなのか――)
その時、突然、砦の北側で新たな爆音が轟いた。
「北門が破られたぞ――!」
兵士の悲鳴。
さらに多くの敵兵がなだれ込み、戦線が一気に崩れ始める。
(もう、守り切れない……!)
私は必死で魔法陣を展開し、治癒魔法を唱え続ける。
だが、魔力の枯渇が体を蝕んでいく。
床に膝をつき、私は肩で息をした。
気を抜けば、すぐに意識が遠のきそうだ。
――ふと、背後から手が伸びてきた。
「ノクティア、休め。俺たちが時間を稼ぐ」
カイラスが私の肩を掴む。
その手の力強さに、私は心が揺れた。
「でも、私がいなきゃ、結界が……」
「もう十分だ。ここからは人間の意地で踏ん張るしかない」
レオナートも、負傷した体で前に立った。
「ノクティアさん、私たちを信じてください。
みんな、あなたに守られてここまで来た。
今度は、私たちが守ります!」
兵士たちが、立ち上がり、盾と剣を構え直す。
「誰も、諦めていません!」
「エイミー、子どもたちを!」
「はい!」
仲間の声が、絶望の淵にある私の心を引き戻した。
私は、もう一度立ち上がる。
(こんなところで、倒れるわけにはいかない)
敵兵が殺到し、盾が割れ、壁が崩れる。
私は小さな防御魔法で、最後の一線を支え続けた。
「ノクティアさん、後ろに!」
レオナートが私の前に立ち、敵兵の刃を受け止める。
私は咄嗟に彼に治癒魔法を施す。
(彼らの“生きたい”という願いが、私の魔力になる)
数人の敵兵が中心区画になだれ込む。
兵士たちが迎え撃ち、絶叫と鉄の音が響く。
私は祈るように魔法を唱え続けた。
「お願い、誰も死なないで……」
だが、現実は無慈悲だった。
盾を失った兵士が倒れ、血が地面に広がる。
負傷した少年兵が、必死で隣の仲間を守ろうとする姿。
砦に生きる民が、涙をこらえながら懸命に子どもを守る姿。
私は、その全てを見て、心が壊れそうになった。
「ノクティア、下がれ!」
カイラスが私を庇い、敵兵の刃を受け止める。
その腕が深く裂け、血が噴き出した。
「カイラス!」
私は叫び、すぐに治癒魔法を施す。
だが、彼は笑いながら首を振った。
「これが、俺たちの生き方だ。最後まで、諦めるな」
私は涙をこらえながら、仲間の隣に立った。
(たとえ絶望しかなくても、私たちは、ここで生きてみせる)
敵将が再び前に出た。
「これ以上の抵抗に意味はない。ノクティア・エルヴァーン、最後の忠告だ。お前が出れば、他の命は助ける」
広場の誰もが、私を見た。
子どもたち、母親、負傷した兵士――
全員の“命”が、私の返事に懸かっている。
私は目を閉じ、深く息を吐いた。
(私が行けば、みんなは助かる――本当に、そうだろうか?
それとも、敵の言葉を信じて、もっと多くの命が奪われるのか?)
選択の重みが、肩にのしかかる。
私は――
「……ごめんなさい」
静かに呟き、敵将の前に一歩、踏み出した。
「……ノクティア!」
カイラスが叫ぶ。
私は振り返らず、敵将をまっすぐ見つめた。
「私の命で、本当に全員を助けると約束できるのなら、ここで降伏する。
だが、ひとつでも約束を破れば、私は――必ずこの命で報いを受けさせる」
敵将はしばし無言で私を見つめ――やがて、静かに頷いた。
「いいだろう。武器を捨てろ、魔法を封じろ」
私は静かに両手を上げ、魔力を解除する。
広場が、静まり返った。
カイラスも、レオナートも、エイミーも――
みんなの顔が、私を見つめている。
私は微笑んだ。
「大丈夫。ここで終わりじゃない。
生きてさえいれば、きっとまた会える。
私は、誰も死なせないって約束したもの」
涙が止まらないエイミーが、私にしがみつこうとする。
「ノクティアさん、いや、ダメです、行かないで――!」
私はそっと彼女の頭を撫でる。
「ありがとう、エイミー。あなたのおかげで、何度も立ち上がれた。
みんなも……カイラスも、レオナートも……。本当にありがとう」
敵兵が私の腕を取る。
私は深く一礼して、仲間の元を離れた。
「……私が生きるか、死ぬかは、もうどうでもいい。
でも、あなたたちは――絶対に、生きて」
砦の扉が、軋みながら開く。
私は敵兵に連れられ、外へ歩き出した。
冷たい朝の光が、血の染みた地面に落ちる。
砦の中から、誰かのすすり泣きが響く。
生きるか、死ぬか――
その選択が、今、私のすべてだった。
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