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最初で最後の恋心

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運命なんて信じたことはない。

けれど、これじゃそうじゃないというのならば他にはないと直感で思うのです。

「ナタリー、僕は君のような婚約者が欲しかったなぁ。そしたら本当の意味で愛というものを知れたのだろうな」

悲しそうな顔で彼は私に言います。

「アルバス様……」

でもあなたのおかげで私は愛を知りました。

例え、あなたがまだわからなくとも私にはちゃんと芽生えたのですよ。

王族や貴族。一般的な価値観から離れた教育や生き方、恋愛を求められます。

それは私も、そして彼は私以上に辛い錘になっていることでしょう。

なのに、どうしてこうも心が温まるのでしょうか。

「貴方様に会えたことを私は誇りに思います。幸せというものを知りました。たとえそれが一時のものだとしても私は一生この想いを忘れないように生きていくのでしょう」

「ナタリー……ありがとう。僕も少しわかった気がするんだ」

彼は少し涙ぐんでそう言う。

私じゃなくて彼がだ。

そんなのずるいと思ってしまうのは私が意地悪なんでしょうか。

アルバス様と私が結ばれることはないのです。

それは何があろうとも変わりません。

運命というものは信じてはおりませんが、もしあるならば結ばれないという確かな運命です。

だけど、

「心より愛しておりました」


時期、国王になられるこのお方はきっと素敵な世界を作ってくださる。

そのとき、もし願いが叶うのならば、側室でもいいからそばに居たいです。
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