私の婚約者は妹と二度も浮気をしていたようなので絶対に許しません!

青杉春香

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「やはりここにいたのね。待ってたわよエミア」

「はい。お姉様」

エミア。私の実の妹である。

「エミア。貴方がこのパーティーを成功させる鍵を握っているのよ。絶対に下手な真似はしないように」

「大丈夫です。お姉様」

彼女は額に汗を掻きながら、答える。

相当、緊張しているのだろう。もしくは、何かしらの恐怖に支配でもされているか。

まさに、息を呑むといった様子。

「任せたわね」


今居る、この狭い個室はパーティー参加者の中で知る人はきっといないだろう。

隠し部屋のようなものなのだ。

私は裏方として、あくまで指示役。

妹の他にあと数人、協力者を雇っている。

彼ら以外がここに立ち入ることはない。


「では、エクサス皇太子様のところへ行って参ります」

即座に振り返って、去ろうとするエミアに、

「ちょっと待って。エミア」

「はい」

彼女は立ち止まりこちらを向く。



「ーー今どんな気分?」


立ち止まり固まっていたエミアはしばらくして、怯えるようにして部屋を出た。

家族とは名ばかりなほど、関係性も崩れてしまったものだ。

もっとも、私は関係を修復する気すらないのだけれどね。
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