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運命のシナリオ
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男は、見知らぬ部屋へ召喚された。
部屋には、無数の本が積まれており、本の中に埋もれて老人が存在している。
「此処はどこですか?」
男は、恐る恐る老人に訪ねると、老人は
「此処は、【時を司る部屋】じゃよ。まあ、ここに人が紛れ込むのは数十年ぶりじゃがな。」
「なぜ、僕がここにいるのですか。」
「多分じゃが、魔王討伐の為に異世界から多量の勇者を召喚したと噂を聞いておる。・・・手違いで天使の奴が送り間違えたのじゃろう。」
「召喚!・・・僕は勇者になれるのてすか?」
「女神の奴は、今回の召喚を大量発注したからの今から行っても、大したスキルも残ってはおらぬじゃないかな。」
「えぇー。そんな・・・。」
崩れ落ちる男を哀れみ、老人は、
「どうじゃ、ワシがお前のシナリオを書いてしんぜよう。」
「シナリオ?」
スキルではなく、シナリオに怪しむ男。
「わしの部屋に数十年ぶりに紛れ込んだのじゃ。お前の【運命のシナリオ】を書いてやろう。
何か、要望はあるかな?」
自信ありげな老人の言葉に、ついつい男は、夢見ていた勇者を語った。
「フムフム。その知勇兼備の勇者が望みなのだな。・・・わかった。少し待て。」
長い様な短い様な時間の後に、老人は
応えた。
「知勇兼備の勇者としてのシナリオを買い上げたぞ。場を盛り上げる為に、多少の危機も盛り込み済みじゃ。しかし、最後は格好良く、魔王を倒して英雄となるシナリオじゃ。」
「ありがとうございます。」
男は、半信半疑ながら、一応はお礼を述べていると、不意に天使が現れて、
「居た!・・【運命の神様】申し訳御座いませんでした。」と老人に頭を下げて、男を回収していった。微かに「達者でなぁ」の声が聞こえた。
女神様の部屋では、男が最後の召喚者らしく、案の定、大した能力もスキルも残っていなかったが、直ぐ様に与えられて、召喚先に送られていった。
時は立ち、数多くの勇者達は、戦禍に倒れていった。だが、一人の勇者が、多くの危機を乗り越えて、魔王と対峙して、悪戦苦闘の末に倒した。
その勇者は、英雄として後の世まで語り尽くされていった。
勇者は、ある時教会で、愚痴を呟いていた。
「運命の神様!シナリオ通りに魔王を倒して、英雄となりましたが、何故か、私生活が上手く行きません。何故なのでしょうか?」
心の奥底で、あの老人の言葉が聞こえてくる。
「あの時、お前からはシナリオに【ロマンス】や【共演者】の要望は無かったからの・・・」と。
部屋には、無数の本が積まれており、本の中に埋もれて老人が存在している。
「此処はどこですか?」
男は、恐る恐る老人に訪ねると、老人は
「此処は、【時を司る部屋】じゃよ。まあ、ここに人が紛れ込むのは数十年ぶりじゃがな。」
「なぜ、僕がここにいるのですか。」
「多分じゃが、魔王討伐の為に異世界から多量の勇者を召喚したと噂を聞いておる。・・・手違いで天使の奴が送り間違えたのじゃろう。」
「召喚!・・・僕は勇者になれるのてすか?」
「女神の奴は、今回の召喚を大量発注したからの今から行っても、大したスキルも残ってはおらぬじゃないかな。」
「えぇー。そんな・・・。」
崩れ落ちる男を哀れみ、老人は、
「どうじゃ、ワシがお前のシナリオを書いてしんぜよう。」
「シナリオ?」
スキルではなく、シナリオに怪しむ男。
「わしの部屋に数十年ぶりに紛れ込んだのじゃ。お前の【運命のシナリオ】を書いてやろう。
何か、要望はあるかな?」
自信ありげな老人の言葉に、ついつい男は、夢見ていた勇者を語った。
「フムフム。その知勇兼備の勇者が望みなのだな。・・・わかった。少し待て。」
長い様な短い様な時間の後に、老人は
応えた。
「知勇兼備の勇者としてのシナリオを買い上げたぞ。場を盛り上げる為に、多少の危機も盛り込み済みじゃ。しかし、最後は格好良く、魔王を倒して英雄となるシナリオじゃ。」
「ありがとうございます。」
男は、半信半疑ながら、一応はお礼を述べていると、不意に天使が現れて、
「居た!・・【運命の神様】申し訳御座いませんでした。」と老人に頭を下げて、男を回収していった。微かに「達者でなぁ」の声が聞こえた。
女神様の部屋では、男が最後の召喚者らしく、案の定、大した能力もスキルも残っていなかったが、直ぐ様に与えられて、召喚先に送られていった。
時は立ち、数多くの勇者達は、戦禍に倒れていった。だが、一人の勇者が、多くの危機を乗り越えて、魔王と対峙して、悪戦苦闘の末に倒した。
その勇者は、英雄として後の世まで語り尽くされていった。
勇者は、ある時教会で、愚痴を呟いていた。
「運命の神様!シナリオ通りに魔王を倒して、英雄となりましたが、何故か、私生活が上手く行きません。何故なのでしょうか?」
心の奥底で、あの老人の言葉が聞こえてくる。
「あの時、お前からはシナリオに【ロマンス】や【共演者】の要望は無かったからの・・・」と。
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