貴方の思い描く、異世界とは違う物語が存在します。格好の良い勇者も魔王もいない世界の物語を綴った本棚にお越しください。

南悠

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もう一人の勇者

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ある男が召喚された。
神より祝福され、優れた能力と強力なスキルを与えられた事で、勇者として王国の期待を一身に受ける事となった。本人も魔王軍に苦しむ王国民の期待に応えるべく、決意を固めて旅立ったので有る。

しかし、幾ら高い能力も強力なスキルが有ったとしても旅立ちの初めは低レベルでスキルも開花してなく、呆気ない程、巨大な魔物の前に倒れてしまった。

悲報に落胆する王国。高笑いする魔王軍。王国壊滅も近いと思われたのだが、何故か魔王軍の幹部達が一人二人と原因不明で倒れていく。
突然の事で動揺する魔王軍。そして魔王。

暫くするとその魔王が亡くなったとの情報が王国中に伝わり、王国の危機は何か釈然としないまま終わった。

だが危機は去った事で王と王国民は神に感謝をしたので有る。

神テレビで観戦中の女神は一言。
「良かった。亡くなった勇者は気の毒な事をしましたが、もう一人の勇者が魔王を倒してくれました。ありがとう」

女神が勇者に力を与えた際に、偶々一個のウイルスが影響を受けた。彼は自我に目覚め、また女神の付与に反応した事で新たな力を与えられた勇者となった。その彼も宿主の勇者同様の高い決意を持って旅立ったが宿主の突然の死亡にも負けず、魔王軍と魔王に取りつき、それらを打ち破ったのだ。

誰にも称えられなかったが、女神は静かに賛辞を贈った。







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