貴方の思い描く、異世界とは違う物語が存在します。格好の良い勇者も魔王もいない世界の物語を綴った本棚にお越しください。

南悠

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勇者最後の旅に

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「もう。いい加減にしてくれ!」
男の足元に魔方陣が輝く。

一瞬にして目の前には白い空間とひとりの老人が、嫌そうな顔をしている。

「また、お前さんかい。今度で何度目の召喚だ。」
「こちらが聞きたいよ。5回までは、数えていたが、それ以降は忘れた。」
「まぁ。恒例のスキルを与えるが、もう大概は持っているから、要らんじゃろう。」
「あぁ。重要なスキルは有るし、能力も有りすぎる。下手すれば、一発で魔王アウトだね。」
「まぁ。そうじゃろうな。」

「で!じいさんよ。今度は何処に行くんだ。」
「Cー3 らしい。まぁ、次の神に情報は送付済じゃ。頑張ってこいよ。死ぬなよ!」
「じじい!それ死亡フラグだろう。・・・。まぁ、じゃーな。じいさんも元気でな。」
「あー。そうそう。今度の召喚先は、地球と聞いておるぞ。」
「地球て!俺の故郷じゃん。地球が大変なのか。じいさんよ。」
「落ち着け。依頼の地球は、パラレルワールドじゃ。簡単に説明するとお前のいた地球と別次元になる。この地球に突然ダンジョンが発生し、魔物が地上に闊歩する様になった世界じゃ。」

「その世界は、俺の世界と違うのか?俺はいるのか?」
「落ち着け。お前の世界とソックリそのままじゃよ。ただし、近代武器は、魔物には効かず魔法と剣で戦う様じゃが。
そして、お主の親や友人は、健在じゃ。しかし、地球のお主は現在異世界へ召喚中となる。そこで召喚された地球のお主に代わって、今のお前が行って地球を守って欲しいとの依頼じゃ。」
「変な話だな。で!依頼て、王はいないだろ。誰から。」
「地球の神から依頼じゃ。
丁度良いからお前に決めたのじゃよ。感謝せいよ。但し、召喚された地球のお主に近いステータスからのスタートだがの。レベルの上昇で調整する段取りじゃ。頑張ってこいよ。」
「ありがとうよ。じいさん。会えるのは、これで最後して欲しいもんだね!」
「気を付けてな。今度こそ最後の別れじゃよ!元気でなぁ。」

神に見送られて、男は意気揚々と最後の旅に出掛けていった。
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