貴方の思い描く、異世界とは違う物語が存在します。格好の良い勇者も魔王もいない世界の物語を綴った本棚にお越しください。

女神さまのご褒美

魔王との激しい戦いは終わった。
勇者と仲間たちは歓喜の声に迎えられて、王様の元へ向かう。
叙爵式の後に、数々のセレモニーが続く。

その後も各界の貴族、要人たちのパーティーが続いた。
連続連夜のパーティーに疲れた勇者は、一人ベットで呟いた。
｢魔王軍との戦いは、苦しく辛い日々だつたが、生きている実感が有った。平和な今から考えると、懐かしく楽しい日々に思えてならないな。｣
過去を懐かしむ耳元で、突然に女神様の声が。
｢勇者くん。過去を振り返ってはダメよ。私は貴方に自由に生きなさいとお願いしました。そして、貴方は、この世界を守りました。ありがとうございます。でも、過去は過去なの前を見て生きてね。｣

勇者は、ただ一言｢ありがとうございます。｣と返した。

｢あぁ！私からのご褒美をあげるわ。｣と少しの悪そうな顔付きの女神様。
｢ご褒美？｣　少し嬉しそうな勇者。

｢ええ！ご褒美は、もっと充実した世界にご招待します。極上の魔王軍付きの異世界へね！｣

驚く勇者。だが少しづつだが、笑みに変わる。
そして、勇者は突然と旅立った。