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アルフレッド王子
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ジェヌビエーブが言っていたことを総合すると、考えられる可能性はいろいろある。
婚約を発表したとき、アレキサンドリアの領内にやってきた王族はアルフレッド王子だけではない。
彼の従兄弟や、同格の貴族の子息が何人か来ていたし、その中のひとりがアルフレッド王子の名を騙ってジェヌビエーブを誘惑した可能性だってある。
アルフレッド王子は王族の中でも高位にあるし、よその領民が王族と関わることなどほとんどない。
よって、「自分は王子だ」と言ってうぶな庶民の少女ひとりをたぶらかすなどわけもないだろう。
ジェヌビエーブが持ってきたあのボタンは、本物であるから、王家の人間であることは間違いなさそうだ。
──帰ったら、もっと話を聞く必要があるわね…
ジェヌビエーブは本当に間の悪いときに来てしまったな、などと考えているうち、馬車が王宮に着いた。
──今はとりあえず、アルフレッド王子への挨拶をしに行かないとね!
「やあ、アレキサンドリア。よく来てくれたね!」
馬車を降りて、鉄の門扉をくぐると、アルフレッド王子が出迎えてくれた。
「ごきげんよう、アルフレッド王子」
アレキサンドリアはドレスの両端をつまんで、深々と頭を下げた。
たとえ婚約者であっても、王族に対する挨拶は必ずこうしなければならない。
つくづく面倒だな、とアレキサンドリアは思う。
──それにしても、この人がねえ…
そんなバカなと思いたかったが、そうも思えないところがあるのが、この王子様だった。
眉目秀麗で学があり、振る舞いや言葉使いは上品そのものだが、彼の母にあたる王妃様曰く、優柔不断で誘惑にもそんなに強い方では無いらしい。
「アレキサンドリア、あなたには、アルフレッドの手綱をしっかり握って欲しいの。あなたぐらいしっかりしたご令嬢じゃないと、王太子妃なんて務まらないわ」
婚約が決まった矢先に、王妃様に言われたセリフがそれだった。
──それにしても、ふつう自分の婚約者の領民に手を出すなんて、ありえる?
しかもその上で、妊娠がわかるなり逃げるなど、王族としてどころか、男としても人としても問題ではないか。
アレキサンドリアは別に側室やら愛人やら設けられても、別に構わないと思っていた。
しかしそれは、負うべき責任を負っている場合でのことだ。
──まずは、ジェヌビエーブが言ったことの事実確認を進めなきゃね!!
帰ったら、ジェヌビエーブにもっと突っ込んで聞いてみよう!
アルフレッド王子への謁見を終えると、アレキサンドリアはさっそくジェヌビエーブのところへ向かった。
婚約を発表したとき、アレキサンドリアの領内にやってきた王族はアルフレッド王子だけではない。
彼の従兄弟や、同格の貴族の子息が何人か来ていたし、その中のひとりがアルフレッド王子の名を騙ってジェヌビエーブを誘惑した可能性だってある。
アルフレッド王子は王族の中でも高位にあるし、よその領民が王族と関わることなどほとんどない。
よって、「自分は王子だ」と言ってうぶな庶民の少女ひとりをたぶらかすなどわけもないだろう。
ジェヌビエーブが持ってきたあのボタンは、本物であるから、王家の人間であることは間違いなさそうだ。
──帰ったら、もっと話を聞く必要があるわね…
ジェヌビエーブは本当に間の悪いときに来てしまったな、などと考えているうち、馬車が王宮に着いた。
──今はとりあえず、アルフレッド王子への挨拶をしに行かないとね!
「やあ、アレキサンドリア。よく来てくれたね!」
馬車を降りて、鉄の門扉をくぐると、アルフレッド王子が出迎えてくれた。
「ごきげんよう、アルフレッド王子」
アレキサンドリアはドレスの両端をつまんで、深々と頭を下げた。
たとえ婚約者であっても、王族に対する挨拶は必ずこうしなければならない。
つくづく面倒だな、とアレキサンドリアは思う。
──それにしても、この人がねえ…
そんなバカなと思いたかったが、そうも思えないところがあるのが、この王子様だった。
眉目秀麗で学があり、振る舞いや言葉使いは上品そのものだが、彼の母にあたる王妃様曰く、優柔不断で誘惑にもそんなに強い方では無いらしい。
「アレキサンドリア、あなたには、アルフレッドの手綱をしっかり握って欲しいの。あなたぐらいしっかりしたご令嬢じゃないと、王太子妃なんて務まらないわ」
婚約が決まった矢先に、王妃様に言われたセリフがそれだった。
──それにしても、ふつう自分の婚約者の領民に手を出すなんて、ありえる?
しかもその上で、妊娠がわかるなり逃げるなど、王族としてどころか、男としても人としても問題ではないか。
アレキサンドリアは別に側室やら愛人やら設けられても、別に構わないと思っていた。
しかしそれは、負うべき責任を負っている場合でのことだ。
──まずは、ジェヌビエーブが言ったことの事実確認を進めなきゃね!!
帰ったら、ジェヌビエーブにもっと突っ込んで聞いてみよう!
アルフレッド王子への謁見を終えると、アレキサンドリアはさっそくジェヌビエーブのところへ向かった。
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