6 / 13
聞き取り開始
しおりを挟む
「おかえりなさいませ、アレキサンドリアお嬢様」
屋敷に帰ると、アルベルティーナが恭しく出迎えてくれた。
「ただいま、アルベルティーナ。ねえ、ジェヌビエーブはどこにいるかしら?もっと詳しく話を聞かなくちゃ!」
「そうですね。ジェヌビエーブさんには今、向こうの部屋で休んでいただいております」
「わかったわ」
アレキサンドリアはさっそく、ジェヌビエーブのいる部屋へ向かった。
「失礼するわね、ジェヌビエーブ」
「あ、はい」
ドアをノックすると、弱々しい答えが返ってきた。
「待たせてごめんなさいね。外せない公務があったものだから」
アレキサンドリアはドアを開けて中に入った。
「いえ、とんでもございません。こちらこそ、いきなり訪ねてきて、申し訳ございません…」
ジェヌビエーブは、部屋の中心に置かれた椅子に座っていた。
「それはいいわ、ジェヌビエーブ。ちょっと聞いていくわね」
アレキサンドリアはテーブルを挟んでジェヌビエーブの向かいに座った。
「いっしょに食事したと聞いているのだけど、それはどこかのお店で?あなたの家?」
「…お店です。街の繁華街にあるところお店で、「お茶しないか」とか「話がしたい」と言われて…それで」
「そう、そのお店の名前を教えてくれる?」
「あの?どうしてです?」
ジェヌビエーブは困惑した様子でアレキサンドリアを見た。
なぜこんなことを聞いてくるのか、まるでわからないのだろう。
「妊娠を知った途端にあなたから逃げた男が、本当にアルフレッド王子か確かめるためよ。もしお腹の子の父親がアルフレッド王子なら、わたしは婚約破棄するつもりだし、もしアルフレッド王子を騙るニセモノなら、詐欺で立件する必要があるの。だから、質問にはしっかり答えて欲しいの。あなたの証言が頼りなのよ、ジェヌビエーブ」
アレキサンドリアは、身を乗り出してジェヌビエーブの手を握った。
「……か、かしこまりました。しっかり答えてみせます!」
真剣な眼差しで見つめられて、ジェヌビエーブは一瞬たじろいだようだが、アレキサンドリアの熱意が伝わったらしい。
その後のアレキサンドリアの細かい質問にも、しっかりと克明に答えてくれた。
──もっとも、まだジェヌビエーブの言ってることが、全部ほんとうかどうかの確信が無いから事細かに質問している、といのもあるのだけどね…
アレキサンドリアのそんな心中などまるで気づかないまま、ジェヌビエーブは話が終わると「ありがとうございました」と礼を言って帰っていった。
屋敷に帰ると、アルベルティーナが恭しく出迎えてくれた。
「ただいま、アルベルティーナ。ねえ、ジェヌビエーブはどこにいるかしら?もっと詳しく話を聞かなくちゃ!」
「そうですね。ジェヌビエーブさんには今、向こうの部屋で休んでいただいております」
「わかったわ」
アレキサンドリアはさっそく、ジェヌビエーブのいる部屋へ向かった。
「失礼するわね、ジェヌビエーブ」
「あ、はい」
ドアをノックすると、弱々しい答えが返ってきた。
「待たせてごめんなさいね。外せない公務があったものだから」
アレキサンドリアはドアを開けて中に入った。
「いえ、とんでもございません。こちらこそ、いきなり訪ねてきて、申し訳ございません…」
ジェヌビエーブは、部屋の中心に置かれた椅子に座っていた。
「それはいいわ、ジェヌビエーブ。ちょっと聞いていくわね」
アレキサンドリアはテーブルを挟んでジェヌビエーブの向かいに座った。
「いっしょに食事したと聞いているのだけど、それはどこかのお店で?あなたの家?」
「…お店です。街の繁華街にあるところお店で、「お茶しないか」とか「話がしたい」と言われて…それで」
「そう、そのお店の名前を教えてくれる?」
「あの?どうしてです?」
ジェヌビエーブは困惑した様子でアレキサンドリアを見た。
なぜこんなことを聞いてくるのか、まるでわからないのだろう。
「妊娠を知った途端にあなたから逃げた男が、本当にアルフレッド王子か確かめるためよ。もしお腹の子の父親がアルフレッド王子なら、わたしは婚約破棄するつもりだし、もしアルフレッド王子を騙るニセモノなら、詐欺で立件する必要があるの。だから、質問にはしっかり答えて欲しいの。あなたの証言が頼りなのよ、ジェヌビエーブ」
アレキサンドリアは、身を乗り出してジェヌビエーブの手を握った。
「……か、かしこまりました。しっかり答えてみせます!」
真剣な眼差しで見つめられて、ジェヌビエーブは一瞬たじろいだようだが、アレキサンドリアの熱意が伝わったらしい。
その後のアレキサンドリアの細かい質問にも、しっかりと克明に答えてくれた。
──もっとも、まだジェヌビエーブの言ってることが、全部ほんとうかどうかの確信が無いから事細かに質問している、といのもあるのだけどね…
アレキサンドリアのそんな心中などまるで気づかないまま、ジェヌビエーブは話が終わると「ありがとうございました」と礼を言って帰っていった。
1
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
伯爵令嬢の逆転劇
春夜夢
恋愛
名門貴族の令嬢クラリスは、婚約者である侯爵子息から突然の婚約破棄を言い渡される。理由は「平民の令嬢と真実の愛を見つけたから」。だがそれは仕組まれた陰謀だった──。家族を守るため黙って身を引いたクラリスだったが、彼女の真の力と人脈が今、王都で花開く。裏切った彼らに「ざまぁ」を届けながら、唯一自分を信じてくれた騎士と新たな未来を歩むことに――!
お粗末な断罪シナリオ!これって誰が考えたの?!
haru.
恋愛
双子の兄弟王子として育ってきた。
それぞれ婚約者もいてどちらも王位にはさほど興味はなく兄弟仲も悪くなかった。
それなのに弟は何故か、ありもしない断罪を兄にした挙げ句国外追放を宣言した。
兄の婚約者を抱き締めながら...
お粗末に思えた断罪のシナリオだったけどその裏にあった思惑とは一体...
聖女の力は使いたくありません!
三谷朱花
恋愛
目の前に並ぶ、婚約者と、気弱そうに隣に立つ義理の姉の姿に、私はめまいを覚えた。
ここは、私がヒロインの舞台じゃなかったの?
昨日までは、これまでの人生を逆転させて、ヒロインになりあがった自分を自分で褒めていたのに!
どうしてこうなったのか、誰か教えて!
※アルファポリスのみの公開です。
その婚約破棄喜んで
空月 若葉
恋愛
婚約者のエスコートなしに卒業パーティーにいる私は不思議がられていた。けれどなんとなく気がついている人もこの中に何人かは居るだろう。
そして、私も知っている。これから私がどうなるのか。私の婚約者がどこにいるのか。知っているのはそれだけじゃないわ。私、知っているの。この世界の秘密を、ね。
注意…主人公がちょっと怖いかも(笑)
4話で完結します。短いです。の割に詰め込んだので、かなりめちゃくちゃで読みにくいかもしれません。もし改善できるところを見つけてくださった方がいれば、教えていただけると嬉しいです。
完結後、番外編を付け足しました。
カクヨムにも掲載しています。
悪役令嬢として断罪された聖女様は復讐する
青の雀
恋愛
公爵令嬢のマリアベルーナは、厳しい母の躾により、完ぺきな淑女として生まれ育つ。
両親は政略結婚で、父は母以外の女性を囲っていた。
母の死後1年も経たないうちに、その愛人を公爵家に入れ、同い年のリリアーヌが異母妹となった。
リリアーヌは、自分こそが公爵家の一人娘だと言わんばかりにわが物顔で振る舞いマリアベルーナに迷惑をかける。
マリアベルーナには、5歳の頃より婚約者がいて、第1王子のレオンハルト殿下も、次第にリリアーヌに魅了されてしまい、ついには婚約破棄されてしまう。
すべてを失ったマリアベルーナは悲しみのあまり、修道院へ自ら行く。
修道院で聖女様に覚醒して……
大慌てになるレオンハルトと公爵家の人々は、なんとかマリアベルーナに戻ってきてもらおうとあの手この手を画策するが
マリアベルーナを巡って、各国で戦争が起こるかもしれない
完ぺきな淑女の上に、完ぺきなボディライン、完ぺきなお妃教育を持った聖女様は、自由に羽ばたいていく
今回も短編です
誰と結ばれるかは、ご想像にお任せします♡
美人の偽聖女に真実の愛を見た王太子は、超デブス聖女と婚約破棄、今さら戻ってこいと言えずに国は滅ぶ
青の雀
恋愛
メープル国には二人の聖女候補がいるが、一人は超デブスな醜女、もう一人は見た目だけの超絶美人
世界旅行を続けていく中で、痩せて見違えるほどの美女に変身します。
デブスは本当の聖女で、美人は偽聖女
小国は栄え、大国は滅びる。
【完結】どうやっても婚約破棄ができない
みやちゃん
恋愛
優秀な第二王子アルフードの横にいるのはこんな落ちこぼれの自分じゃない。
公爵令嬢アメリアはアルフードとの婚約をどうしても破棄したい。
過去に戻って第二王子との関わりを絶ったはずだったのに…
どんなに過去を変えても、アルフードは常にアメリアの婚約者となっている。
なぜ?
どうしたら婚約破棄ができるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる