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子どもたち
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朝っぱらからの電話にイライラした大成にどやされた後、総治郎はジムで時間をつぶした。
──もう帰るか…
運動を一通り終えると、総治郎はロッカールームに引っ込んで、帰り支度を始めた。
現在午後15時半。
帰るにはあまりにも早すぎるが、昨夜のことや大成の言っていたことが、どうしても気になる。
不審がられるだろうが、今はそれどころではないし、「たまにこれぐらい早く帰ることもあるんだ」の一言でカタはつくだろう。
──この請求の多さについても、いろいろ聞きたいしな
総治郎は、スマートフォンの画面に写ったクレジットカードの明細を眺めた。
大成の言う通りに、何に金を使っているのか調べたのだ。
駐車場からセダンを発車させ、帰宅を急いだ。
こんなに早くに帰ったのは、いつぶりだろうか。
そんな経緯もあってか、普段ならあり得ないことだが、自宅まであと100メートルというときに10人前後の小学生の群れに出くわした。
おそらく、下校途中なのだろう。
黒、青、赤、ピンク…さまざまな色のランドセルを背負った背の低い影が、日光を浴びて地面に落ちる。
注意散漫で無用心な彼らは、セダンの脇スレスレを平然と歩いて、総治郎をやきもきさせた。
それこそ、その群れの中でも最年少と思わしき1、2年生くらいの男の子が急に眼前に出てきて、あやうく衝突しそうになった。
あわててブレーキを踏んだおかげで事故には至らなかったが、総治郎は異常な量の汗をかいた。
これほど焦りを感じたことはない。
そばにいた4、5年生くらいの女の子が男の子に駆け寄り、彼の肩を掴んで注意する姿が、フロントガラス越しに確認できた。
女の子は男の子を道路脇に誘導すると、窓越しに総治郎に会釈した。
総治郎も会釈すると、セダンを発車させる。
──あんな生き物と四六時中いっしょにいる親は大変だな、頭が下がる…
親という存在の偉大さと大変さを考えているうちに、帰路に着いた。
車庫にセダンを停めて、玄関ドアまで向かう。
そのドアの前で、総治郎は深呼吸した。
昨夜のアレは何だったのか、何に金を使ったのか。
込み入った話をアレコレしないといけない。
こんなに緊張したのは、何年ぶりだろうか。
ドアノブに手をかけて、ゆっくりドアを開ける。
靴を脱いで框を跨いだと同時に、聞き慣れた足音が響いてきた。
予想外の時間帯に帰ったから、焦ったのだろうか。
どことなく、足音が忙しない気がする。
「おかえりなさい、総治郎さん。今日はホントに早かったんですね」
いつもの変わらない様子の直生が、いつものように出迎えてくれた。
「え、ああ…そうだ、たまにこれぐらいの時間に終わることもあるんだ」
「そうですか。お風呂入られますか?お食事召し上がります?」
直生がいかにも夫を出迎えた妻らしいことを言う。
よくよく考えてみると、「ご飯にする?お風呂にする?」という夫婦の定番の会話など、今日が初めてであった。
今の今まで、泊まりがけの仕事と偽って家を出て、「食事も風呂も済ませてる」と言って帰宅していたからだ。
「いや、あー、ちょっと話したいことがあるんだ。リビングに行こう」
「…わかりました」
少し間を置いて、直生は答えた。
この間は、いったいどんな意味を持つのだろうか。
それも後で聞こうと、総治郎はリビングに急いだ。
──もう帰るか…
運動を一通り終えると、総治郎はロッカールームに引っ込んで、帰り支度を始めた。
現在午後15時半。
帰るにはあまりにも早すぎるが、昨夜のことや大成の言っていたことが、どうしても気になる。
不審がられるだろうが、今はそれどころではないし、「たまにこれぐらい早く帰ることもあるんだ」の一言でカタはつくだろう。
──この請求の多さについても、いろいろ聞きたいしな
総治郎は、スマートフォンの画面に写ったクレジットカードの明細を眺めた。
大成の言う通りに、何に金を使っているのか調べたのだ。
駐車場からセダンを発車させ、帰宅を急いだ。
こんなに早くに帰ったのは、いつぶりだろうか。
そんな経緯もあってか、普段ならあり得ないことだが、自宅まであと100メートルというときに10人前後の小学生の群れに出くわした。
おそらく、下校途中なのだろう。
黒、青、赤、ピンク…さまざまな色のランドセルを背負った背の低い影が、日光を浴びて地面に落ちる。
注意散漫で無用心な彼らは、セダンの脇スレスレを平然と歩いて、総治郎をやきもきさせた。
それこそ、その群れの中でも最年少と思わしき1、2年生くらいの男の子が急に眼前に出てきて、あやうく衝突しそうになった。
あわててブレーキを踏んだおかげで事故には至らなかったが、総治郎は異常な量の汗をかいた。
これほど焦りを感じたことはない。
そばにいた4、5年生くらいの女の子が男の子に駆け寄り、彼の肩を掴んで注意する姿が、フロントガラス越しに確認できた。
女の子は男の子を道路脇に誘導すると、窓越しに総治郎に会釈した。
総治郎も会釈すると、セダンを発車させる。
──あんな生き物と四六時中いっしょにいる親は大変だな、頭が下がる…
親という存在の偉大さと大変さを考えているうちに、帰路に着いた。
車庫にセダンを停めて、玄関ドアまで向かう。
そのドアの前で、総治郎は深呼吸した。
昨夜のアレは何だったのか、何に金を使ったのか。
込み入った話をアレコレしないといけない。
こんなに緊張したのは、何年ぶりだろうか。
ドアノブに手をかけて、ゆっくりドアを開ける。
靴を脱いで框を跨いだと同時に、聞き慣れた足音が響いてきた。
予想外の時間帯に帰ったから、焦ったのだろうか。
どことなく、足音が忙しない気がする。
「おかえりなさい、総治郎さん。今日はホントに早かったんですね」
いつもの変わらない様子の直生が、いつものように出迎えてくれた。
「え、ああ…そうだ、たまにこれぐらいの時間に終わることもあるんだ」
「そうですか。お風呂入られますか?お食事召し上がります?」
直生がいかにも夫を出迎えた妻らしいことを言う。
よくよく考えてみると、「ご飯にする?お風呂にする?」という夫婦の定番の会話など、今日が初めてであった。
今の今まで、泊まりがけの仕事と偽って家を出て、「食事も風呂も済ませてる」と言って帰宅していたからだ。
「いや、あー、ちょっと話したいことがあるんだ。リビングに行こう」
「…わかりました」
少し間を置いて、直生は答えた。
この間は、いったいどんな意味を持つのだろうか。
それも後で聞こうと、総治郎はリビングに急いだ。
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