【完結】人妻オメガの密かな願望

若目

文字の大きさ
37 / 82

アプローチの準備

しおりを挟む
総治郎の帰りを待っている間、直生はアダルト動画を見ていた。

実家にいるときは、こういうものを目に入れる機会などほとんどなかったから、つい夢中になっていろいろ見てしまった。

そうしているうちに、寝入ってしまったらしい。
目が覚めたら、夕方になっていた。

──ああ、いけない!

あわてて飛び起きたところ、総治郎はまだ帰っていない様子だった。
もっとも、ほとんど帰ってきたためしがないのだけど。

壁掛け時計の針は17時をさしている。
総治郎が帰ってくるのは、まだまだ早い時間帯だ。

──とりあえず、これを洗わないと…

今さらになって、直生は自分の姿が恥ずかしくなった。
急いで脱衣所に向かうと、着ていたベビードールとTバック、ガウンをネットに入れて、洗濯機に放り込んだ。
そのとき、ほかの洗濯物もついでに洗おうと考えて、脱衣カゴに入っていた服も放り込んだ。

このとき直生は、乾燥機能がついたタイプの洗濯機でよかったと、心の奥底から思った。
もしこれが乾燥機能のついていない洗濯機だったら、必然的にこの下着を外に干さなくてはならない。
こんな下着を外に干しているところを誰かに見られたらと思うと、血の気が引く。

これからのことを考えると、近所付き合いもより濃厚なものとなっていくだろうし、変な噂を立てられたら、総治郎にだって迷惑をかけてしまう。


──さすがに、それはマズい…

直生が勝手な想像をして、勝手に青ざめているうち、ピーッという通知音が聞こえてきた。
「乾燥が完了した」の合図だ。
直生は洗濯物を取り出すと、手早くキレイに畳んで片付けた。



結局、その夜も総治郎は帰らず、翌朝の挨拶も簡単に済まされてしまう。
毎度のことだが、これでは何の進展もないままだ。

そこで直生は、ちょうど発情期が来る頃合いに、総治郎に早く帰るように頼んでみた。
難しい頼み事かもしれないと思ったが、総治郎は案外あっさり聞き入れてくれた。
そうとなれば、後は行動あるのみだ。


そうして迎えた発情期の予測日。
直生の予想が正しければ、発情期がやってくるのは今日の夕方から夜間だ。

その間に総治郎が帰ってきてくれれば、うまくアプローチできるかもしれない。
たしか、20時から21時くらいには帰ってくると言っていた。


──ドキドキしちゃう…

総治郎を送り出してすぐに、直生はタンスの奥にしまっていた下着をいそいそと取り出した。

どうしたわけかわからないが、送り出した際の総治郎は、いつもよりずっと上機嫌に見えた。
やはり、中野の言っていたことは正しかったのだろう。

総治郎は若い妻に遠慮する気持ちがあった。
だから、なるだけ気を遣って距離を置き、ずっと直生に手を出さないでいてくれた。

それが一変、若い妻から誘いを受けたものだから、総治郎も少しは嬉しく思ってくれたのかもしれない。
そう思うと、胸の鼓動も大きくなる。

色っぽい格好で発情期のフェロモンを利用して、「抱いてほしい」と素直に強請ってみれば、総治郎だって何かしらの反応はしてくれるはず。
期待は膨らむばかりだ。

しかし、今はまだ朝の8時半。
直生が意を決して購入したベビードールとTバックの出番は、まだまだ先のこと。


──そうだ、ベッド周りを整えておこう!シーツと枕カバーと、毛布も洗わないとね!!

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~

ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。 転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。 朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。 生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。 どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。 忙しい大人の甘いオフィスラブ。 フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

ほおつきよ

兎守 優
BL
過去のトラウマから音に敏感な真昼は、歩道橋の下、ごうごうと鳴り響く風に耳を傾ける夕空と出会う。やがては視力と聴力を失って無音の闇に包まれる夕空、事件に巻き込まれ片目を失ったカメラマン・夜一、警察官になりたかった・朝日、四者四様の運命が絡み合う、痛みと喪失を抉り合い、そして、埋め合う物語。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...