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アプローチの準備
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総治郎の帰りを待っている間、直生はアダルト動画を見ていた。
実家にいるときは、こういうものを目に入れる機会などほとんどなかったから、つい夢中になっていろいろ見てしまった。
そうしているうちに、寝入ってしまったらしい。
目が覚めたら、夕方になっていた。
──ああ、いけない!
あわてて飛び起きたところ、総治郎はまだ帰っていない様子だった。
もっとも、ほとんど帰ってきたためしがないのだけど。
壁掛け時計の針は17時をさしている。
総治郎が帰ってくるのは、まだまだ早い時間帯だ。
──とりあえず、これを洗わないと…
今さらになって、直生は自分の姿が恥ずかしくなった。
急いで脱衣所に向かうと、着ていたベビードールとTバック、ガウンをネットに入れて、洗濯機に放り込んだ。
そのとき、ほかの洗濯物もついでに洗おうと考えて、脱衣カゴに入っていた服も放り込んだ。
このとき直生は、乾燥機能がついたタイプの洗濯機でよかったと、心の奥底から思った。
もしこれが乾燥機能のついていない洗濯機だったら、必然的にこの下着を外に干さなくてはならない。
こんな下着を外に干しているところを誰かに見られたらと思うと、血の気が引く。
これからのことを考えると、近所付き合いもより濃厚なものとなっていくだろうし、変な噂を立てられたら、総治郎にだって迷惑をかけてしまう。
──さすがに、それはマズい…
直生が勝手な想像をして、勝手に青ざめているうち、ピーッという通知音が聞こえてきた。
「乾燥が完了した」の合図だ。
直生は洗濯物を取り出すと、手早くキレイに畳んで片付けた。
結局、その夜も総治郎は帰らず、翌朝の挨拶も簡単に済まされてしまう。
毎度のことだが、これでは何の進展もないままだ。
そこで直生は、ちょうど発情期が来る頃合いに、総治郎に早く帰るように頼んでみた。
難しい頼み事かもしれないと思ったが、総治郎は案外あっさり聞き入れてくれた。
そうとなれば、後は行動あるのみだ。
そうして迎えた発情期の予測日。
直生の予想が正しければ、発情期がやってくるのは今日の夕方から夜間だ。
その間に総治郎が帰ってきてくれれば、うまくアプローチできるかもしれない。
たしか、20時から21時くらいには帰ってくると言っていた。
──ドキドキしちゃう…
総治郎を送り出してすぐに、直生はタンスの奥にしまっていた下着をいそいそと取り出した。
どうしたわけかわからないが、送り出した際の総治郎は、いつもよりずっと上機嫌に見えた。
やはり、中野の言っていたことは正しかったのだろう。
総治郎は若い妻に遠慮する気持ちがあった。
だから、なるだけ気を遣って距離を置き、ずっと直生に手を出さないでいてくれた。
それが一変、若い妻から誘いを受けたものだから、総治郎も少しは嬉しく思ってくれたのかもしれない。
そう思うと、胸の鼓動も大きくなる。
色っぽい格好で発情期のフェロモンを利用して、「抱いてほしい」と素直に強請ってみれば、総治郎だって何かしらの反応はしてくれるはず。
期待は膨らむばかりだ。
しかし、今はまだ朝の8時半。
直生が意を決して購入したベビードールとTバックの出番は、まだまだ先のこと。
──そうだ、ベッド周りを整えておこう!シーツと枕カバーと、毛布も洗わないとね!!
実家にいるときは、こういうものを目に入れる機会などほとんどなかったから、つい夢中になっていろいろ見てしまった。
そうしているうちに、寝入ってしまったらしい。
目が覚めたら、夕方になっていた。
──ああ、いけない!
あわてて飛び起きたところ、総治郎はまだ帰っていない様子だった。
もっとも、ほとんど帰ってきたためしがないのだけど。
壁掛け時計の針は17時をさしている。
総治郎が帰ってくるのは、まだまだ早い時間帯だ。
──とりあえず、これを洗わないと…
今さらになって、直生は自分の姿が恥ずかしくなった。
急いで脱衣所に向かうと、着ていたベビードールとTバック、ガウンをネットに入れて、洗濯機に放り込んだ。
そのとき、ほかの洗濯物もついでに洗おうと考えて、脱衣カゴに入っていた服も放り込んだ。
このとき直生は、乾燥機能がついたタイプの洗濯機でよかったと、心の奥底から思った。
もしこれが乾燥機能のついていない洗濯機だったら、必然的にこの下着を外に干さなくてはならない。
こんな下着を外に干しているところを誰かに見られたらと思うと、血の気が引く。
これからのことを考えると、近所付き合いもより濃厚なものとなっていくだろうし、変な噂を立てられたら、総治郎にだって迷惑をかけてしまう。
──さすがに、それはマズい…
直生が勝手な想像をして、勝手に青ざめているうち、ピーッという通知音が聞こえてきた。
「乾燥が完了した」の合図だ。
直生は洗濯物を取り出すと、手早くキレイに畳んで片付けた。
結局、その夜も総治郎は帰らず、翌朝の挨拶も簡単に済まされてしまう。
毎度のことだが、これでは何の進展もないままだ。
そこで直生は、ちょうど発情期が来る頃合いに、総治郎に早く帰るように頼んでみた。
難しい頼み事かもしれないと思ったが、総治郎は案外あっさり聞き入れてくれた。
そうとなれば、後は行動あるのみだ。
そうして迎えた発情期の予測日。
直生の予想が正しければ、発情期がやってくるのは今日の夕方から夜間だ。
その間に総治郎が帰ってきてくれれば、うまくアプローチできるかもしれない。
たしか、20時から21時くらいには帰ってくると言っていた。
──ドキドキしちゃう…
総治郎を送り出してすぐに、直生はタンスの奥にしまっていた下着をいそいそと取り出した。
どうしたわけかわからないが、送り出した際の総治郎は、いつもよりずっと上機嫌に見えた。
やはり、中野の言っていたことは正しかったのだろう。
総治郎は若い妻に遠慮する気持ちがあった。
だから、なるだけ気を遣って距離を置き、ずっと直生に手を出さないでいてくれた。
それが一変、若い妻から誘いを受けたものだから、総治郎も少しは嬉しく思ってくれたのかもしれない。
そう思うと、胸の鼓動も大きくなる。
色っぽい格好で発情期のフェロモンを利用して、「抱いてほしい」と素直に強請ってみれば、総治郎だって何かしらの反応はしてくれるはず。
期待は膨らむばかりだ。
しかし、今はまだ朝の8時半。
直生が意を決して購入したベビードールとTバックの出番は、まだまだ先のこと。
──そうだ、ベッド周りを整えておこう!シーツと枕カバーと、毛布も洗わないとね!!
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