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第1話
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敵が空へ逃げるのを見て、綺羅は地を蹴って飛び上がった。
だが、綺羅の跳躍力が足らず、敵の足元にも届かないまま今度は地上が目に飛び込んで来た。
綺羅は黄金の剣を振って墜落を回避するが、ズサーっという音と共に綺羅の身体が土の上を滑った。
「くぅ・・・・・・」
綺羅は悔しがるが、相手は無表情のまま倒れた綺羅を見下ろしている。
「まだまだ甘いな、お姫さんは」
上からシアンの声がした。
「今回の相手、強すぎない?」
綺羅は立ち上がってシアンに文句を言う。
「黄金龍の力を使いこなせば敵より高く飛び上がることも、飛ぶことも可能だ。だいたい、何度も言っているが妖魔には心臓がない。妖魔ごとに急所は違う。大動脈や心臓ばかり狙おうとするな。」
シアンは宙に浮いたまま綺羅に言い返す。
綺羅が闘っていた相手はシアンの傀儡である。
ピックスとの闘いから半年、綺羅達はガルシャム帝国の最北端にあるシャラ街に隠れ住んで居る。
シャラ街は、冬の間は雪に閉ざされてしまう。
特にシャラ街の北側にある切り立った岩山の間に近づくような人はいない。
その岩間に綺羅達の隠れ家はある。
冬場でもシャラ街に残るのは街の南側にある療養所に入れられた貴族の子女やそこで働く人、開拓移民ぐらいである。
つまり、妖魔から逃れるには餌になる人がいないシャラ街は、絶好の隠れ場所であった。
だが、このシャラの街でも南側は、夏になれば避暑地として多くの貴族が使用人を引き連れて訪れる。
その季節がそろそろ巡ってくるのだが、シアンは移動する気はない。
仕方なく綺羅はシアンの言う通り訓練を積んだ。だが、その努力もむなしく、シャラ街が雪で閉ざされる時期になってしまった。
さすがに綺羅は移動するべきだと主張するが、シアンは頑として譲らない。
「お姫さんがまだ、黄金龍の力を使いこなせてないからな。そもそも、なぜ人間の目など気にしなければならないのだ」
台詞の後半がシアンの本音だろう。
なんとも妖魔らしい答えだと綺羅は思う。
綺羅は紅茶を飲む。
稽古を終えた綺羅はシアンに身体を清めてもらい、望月の淹れた紅茶を飲んで休憩していた。
ビンテージ木材の家具、ダークブラウン以外の色味はカーテンやクッションのロイヤルブルーやワインレッドだけである。
若い綺羅には渋い空間だが、綺羅はかなり気に入っていた。
「そんなこと言ったって2人の話を聞いただけで、黄金龍の力が使えるようになるわけないでしょう」
閉ざされた街に居ることに不満がある綺羅は、文句を言う。
黄金龍の力は、妖魔によって人生を狂わされた人間をもとの人生に戻す。在るべき場所に還すものだとシアンから聞いていた。
「黄金龍の使い手と会うのは私が3人目なの?」
「あぁ。お姫さんで3人目だ」
なぜ、このような訓練をする必要があるのか疑問をぶつけた時にシアンは答えた。
「俺が会った黄金龍の使い手は他にも、さまざまな能力があり戦闘能力も高かった。少なくとも、お姫さんのように、なんでも真っ向勝負というタイプは居なかったな」
どこか皮肉るような言い方が気になったが、綺羅は黄金龍の能力に興味があった。
「例えばどんな」
「1人目の黄金龍は治癒能力に優れていた。当時は疫病が流行っていたから、各地を治療して歩いた。2人目は半妖であるが故に悩む人々を救う能力を持っていた」
「半妖の人を救って、何をするの?」
シアンは一瞬、逡巡するような目をしたように見えた。
「・・・・・・。具体的にはわからない。在るべき姿に戻す、そんな力だ」
綺羅はシアンの僅かな変化に気がついたが、それよりもシアンの言葉が引っかかる。
「在るべき姿に戻す。ということは人間に戻すということかしら・・・・・・」
綺羅はシアンに問いかけたつもりだったが、隣に居たと思っていたシアンの姿はなかった。
「もう、肝心なことはいつも教えてくれないのね」
プンプンしながら綺羅は、先程までシアンが居た場所を睨みつけた。
それから数日後。
「陛下と王妃殿下は大丈夫かしら」
綺羅は望月に尋ねた。
「大丈夫ですよ。皇帝陛下の元で療養されているのですから」
「私に昔の黄金龍のような治癒能力があれば治して差し上げられるのに」
「まぁ、綺羅様は昔の黄金龍についてお調べになっていたのですか」
紅茶を淹れていた望月が驚いたように綺羅を見た。
「望月は黄金龍のことを知っているの?」
「もちろんですとも」
望月は大きく頷くと綺羅の隣に座った。
「綺羅様をお預かりした時、金の髪に瞳だったので、もしかしたら黄金龍の使い手ではないかと思い、調べていたのです」
「そうだったの。それで、望月は黄金龍の何を知っているの?」
綺羅は何も知らなかった。
そもそも、本当の自分が金の髪と瞳であることすら最近知ったのである。
「黄金龍の使い手は治癒や結界、風、火、水などあらゆる龍を従える力があるということです。その中で使い手と相性の良い能力が開花するようですね。おそらく、疫病を治して歩いた使い手は治癒の能力と相性が良かったのでしょう」
こうして綺羅はシアンと望月から黄金龍の使い手について教えてもらったのである。
「私には何ができるのかしら」
リビングの窓から降り積もる雪を眺めながら呟く。
シアンと望月から聞いてから、綺羅は幾度となく考えていた。
水の青龍と火の赤龍、黄金の剣に変化する白龍を従えているが、どの力が優れているのか分からない。
「だから訓練しているのだろう」
突然、綺羅の背後からバリトンが響く。
「シアン」
綺羅が嬉しそうに振り向くのを望月は苦々しく見つめる。
「綺羅様に訓練をさせるのは構いませんが、怪我だけはさせないでくださいね」
無感情に望月は言った。
「その心配は無用だ。怪我をしてもすぐに治せる。そもそも、お姫さんは龍から落ちようが怪我1つしないだろう」
確かに龍宮王との訓練で何度も地面に叩きつけられたが、捻挫や骨折をしたことがない。
「それって半妖だからじゃないの」
「何度も言っているが、お姫さんの中にある妖魔の力は黄金龍に喰われている。怪我をしないのは黄金龍の力だろう」
シアンは少し呆れたように言う。
「あ、そうか。じゃあ、私は人間ってこと」
「まぁ、妖魔の力が残っているとすれば人間より長生きだということぐらいだろう。平穏に暮らせればな」
「へぇ、そうなの」
綺羅が感心していると、望月が立ち上がった。
「綺羅様。あまり妖魔の言うことを信じてはなりません」
「もう、望月。シアンは私を護る契約をしているのよ。嘘を教えたりしないわ」
「その契約は誰が交したのですか」
「・・・・・・。それは、わからないけど」
未だにシアンは誰と契約をしたのか綺羅に明かしてくれていなかった。
「そもそも、その契約云々が嘘かも知れません」
「それは違うわ。確かに肝心な時に居ないし、教えてくれないけれど、こうして身を隠す場所を提供してくれて、黄金龍の力を開花させるために訓練までさせてくれているのよ」
「それが、手練手管ですよ。綺羅様をそうやって信じ込ませて、自分の良いように使う気です」
「だから、そんなことないってば」
綺羅は食い下がるが、望月は聞き入れない。
望月と再会してからシアンのことになると毎回言い合いになる。
妖魔は人間の敵。そのために天から授けられたのが龍使いである以上、妖魔を信じる方がおかしいのだろう。
だが、綺羅はすでにシアンを疑うことも嫌うこともできない。
そのことを母親代わりの望月に理解してもらえないことが悲しかった。
ぼんやりと降り積もる雪を眺めていると六角柱から声が聞こえた。
『雪崩だ。雪崩が起きるよ』
『ケンタウルス達、死んじゃうね』
青龍と赤龍の声がしたかと思うと、2匹は綺羅の目の前に降りてきた。
黄金龍の力を得てから綺羅は青龍と赤龍と会話ができるようになった。だが、2匹は同時に話すうえに声が同じなので、どちらが何を言っているのは判別不能である。
「雪崩?青龍、赤龍。止められる?」
『できるよ』
『簡単。簡単』
どこか楽しげに青龍と赤龍は答えて、2匹は綺羅の周囲を飛び回る。
「じゃあ、お願い。行って来てくれる?」
綺羅の周りを飛び回っていた青龍と赤龍は『行ってくる』『ちょっと遊んで来て良い?』とキャッキャッと騒ぎながら出て行った。
綺羅と話ができるようになってから、青龍と赤龍は六角柱から小さな姿で出て来ては、部屋の中を飛び回ってじゃれ合っている。
青龍と赤龍があんなに天真爛漫な性格だと思っていなかった綺羅は、彼らの性格を知って接し方を変えた。と、いうよりも自然と変わった。
何より、青龍と赤龍が可愛くなったのである。
ただ、白龍とは相変わらず意思の疎通ができない。
青龍や赤龍とは違う能力であり、力の使い方も違うから仕方がないのかも知れない。
「あとどれだけ頑張ればいいのかな」
綺羅は零す。
綺羅自身、子供の頃から努力をしているつもりである。それでも認めて貰えずにあがいてあがいて、ようやく黄金龍の力を開花させることができた。
それでも、まだ認めて貰えない。
龍使いなのに、龍に認めて貰えない。
それは半人前を意味する。
早く龍にも龍宮王や龍宮国の仲間にも認めて貰えるような龍使いになりたい。
綺羅の悩みは降り積もる雪のように深く重いものだった。
だが、綺羅の跳躍力が足らず、敵の足元にも届かないまま今度は地上が目に飛び込んで来た。
綺羅は黄金の剣を振って墜落を回避するが、ズサーっという音と共に綺羅の身体が土の上を滑った。
「くぅ・・・・・・」
綺羅は悔しがるが、相手は無表情のまま倒れた綺羅を見下ろしている。
「まだまだ甘いな、お姫さんは」
上からシアンの声がした。
「今回の相手、強すぎない?」
綺羅は立ち上がってシアンに文句を言う。
「黄金龍の力を使いこなせば敵より高く飛び上がることも、飛ぶことも可能だ。だいたい、何度も言っているが妖魔には心臓がない。妖魔ごとに急所は違う。大動脈や心臓ばかり狙おうとするな。」
シアンは宙に浮いたまま綺羅に言い返す。
綺羅が闘っていた相手はシアンの傀儡である。
ピックスとの闘いから半年、綺羅達はガルシャム帝国の最北端にあるシャラ街に隠れ住んで居る。
シャラ街は、冬の間は雪に閉ざされてしまう。
特にシャラ街の北側にある切り立った岩山の間に近づくような人はいない。
その岩間に綺羅達の隠れ家はある。
冬場でもシャラ街に残るのは街の南側にある療養所に入れられた貴族の子女やそこで働く人、開拓移民ぐらいである。
つまり、妖魔から逃れるには餌になる人がいないシャラ街は、絶好の隠れ場所であった。
だが、このシャラの街でも南側は、夏になれば避暑地として多くの貴族が使用人を引き連れて訪れる。
その季節がそろそろ巡ってくるのだが、シアンは移動する気はない。
仕方なく綺羅はシアンの言う通り訓練を積んだ。だが、その努力もむなしく、シャラ街が雪で閉ざされる時期になってしまった。
さすがに綺羅は移動するべきだと主張するが、シアンは頑として譲らない。
「お姫さんがまだ、黄金龍の力を使いこなせてないからな。そもそも、なぜ人間の目など気にしなければならないのだ」
台詞の後半がシアンの本音だろう。
なんとも妖魔らしい答えだと綺羅は思う。
綺羅は紅茶を飲む。
稽古を終えた綺羅はシアンに身体を清めてもらい、望月の淹れた紅茶を飲んで休憩していた。
ビンテージ木材の家具、ダークブラウン以外の色味はカーテンやクッションのロイヤルブルーやワインレッドだけである。
若い綺羅には渋い空間だが、綺羅はかなり気に入っていた。
「そんなこと言ったって2人の話を聞いただけで、黄金龍の力が使えるようになるわけないでしょう」
閉ざされた街に居ることに不満がある綺羅は、文句を言う。
黄金龍の力は、妖魔によって人生を狂わされた人間をもとの人生に戻す。在るべき場所に還すものだとシアンから聞いていた。
「黄金龍の使い手と会うのは私が3人目なの?」
「あぁ。お姫さんで3人目だ」
なぜ、このような訓練をする必要があるのか疑問をぶつけた時にシアンは答えた。
「俺が会った黄金龍の使い手は他にも、さまざまな能力があり戦闘能力も高かった。少なくとも、お姫さんのように、なんでも真っ向勝負というタイプは居なかったな」
どこか皮肉るような言い方が気になったが、綺羅は黄金龍の能力に興味があった。
「例えばどんな」
「1人目の黄金龍は治癒能力に優れていた。当時は疫病が流行っていたから、各地を治療して歩いた。2人目は半妖であるが故に悩む人々を救う能力を持っていた」
「半妖の人を救って、何をするの?」
シアンは一瞬、逡巡するような目をしたように見えた。
「・・・・・・。具体的にはわからない。在るべき姿に戻す、そんな力だ」
綺羅はシアンの僅かな変化に気がついたが、それよりもシアンの言葉が引っかかる。
「在るべき姿に戻す。ということは人間に戻すということかしら・・・・・・」
綺羅はシアンに問いかけたつもりだったが、隣に居たと思っていたシアンの姿はなかった。
「もう、肝心なことはいつも教えてくれないのね」
プンプンしながら綺羅は、先程までシアンが居た場所を睨みつけた。
それから数日後。
「陛下と王妃殿下は大丈夫かしら」
綺羅は望月に尋ねた。
「大丈夫ですよ。皇帝陛下の元で療養されているのですから」
「私に昔の黄金龍のような治癒能力があれば治して差し上げられるのに」
「まぁ、綺羅様は昔の黄金龍についてお調べになっていたのですか」
紅茶を淹れていた望月が驚いたように綺羅を見た。
「望月は黄金龍のことを知っているの?」
「もちろんですとも」
望月は大きく頷くと綺羅の隣に座った。
「綺羅様をお預かりした時、金の髪に瞳だったので、もしかしたら黄金龍の使い手ではないかと思い、調べていたのです」
「そうだったの。それで、望月は黄金龍の何を知っているの?」
綺羅は何も知らなかった。
そもそも、本当の自分が金の髪と瞳であることすら最近知ったのである。
「黄金龍の使い手は治癒や結界、風、火、水などあらゆる龍を従える力があるということです。その中で使い手と相性の良い能力が開花するようですね。おそらく、疫病を治して歩いた使い手は治癒の能力と相性が良かったのでしょう」
こうして綺羅はシアンと望月から黄金龍の使い手について教えてもらったのである。
「私には何ができるのかしら」
リビングの窓から降り積もる雪を眺めながら呟く。
シアンと望月から聞いてから、綺羅は幾度となく考えていた。
水の青龍と火の赤龍、黄金の剣に変化する白龍を従えているが、どの力が優れているのか分からない。
「だから訓練しているのだろう」
突然、綺羅の背後からバリトンが響く。
「シアン」
綺羅が嬉しそうに振り向くのを望月は苦々しく見つめる。
「綺羅様に訓練をさせるのは構いませんが、怪我だけはさせないでくださいね」
無感情に望月は言った。
「その心配は無用だ。怪我をしてもすぐに治せる。そもそも、お姫さんは龍から落ちようが怪我1つしないだろう」
確かに龍宮王との訓練で何度も地面に叩きつけられたが、捻挫や骨折をしたことがない。
「それって半妖だからじゃないの」
「何度も言っているが、お姫さんの中にある妖魔の力は黄金龍に喰われている。怪我をしないのは黄金龍の力だろう」
シアンは少し呆れたように言う。
「あ、そうか。じゃあ、私は人間ってこと」
「まぁ、妖魔の力が残っているとすれば人間より長生きだということぐらいだろう。平穏に暮らせればな」
「へぇ、そうなの」
綺羅が感心していると、望月が立ち上がった。
「綺羅様。あまり妖魔の言うことを信じてはなりません」
「もう、望月。シアンは私を護る契約をしているのよ。嘘を教えたりしないわ」
「その契約は誰が交したのですか」
「・・・・・・。それは、わからないけど」
未だにシアンは誰と契約をしたのか綺羅に明かしてくれていなかった。
「そもそも、その契約云々が嘘かも知れません」
「それは違うわ。確かに肝心な時に居ないし、教えてくれないけれど、こうして身を隠す場所を提供してくれて、黄金龍の力を開花させるために訓練までさせてくれているのよ」
「それが、手練手管ですよ。綺羅様をそうやって信じ込ませて、自分の良いように使う気です」
「だから、そんなことないってば」
綺羅は食い下がるが、望月は聞き入れない。
望月と再会してからシアンのことになると毎回言い合いになる。
妖魔は人間の敵。そのために天から授けられたのが龍使いである以上、妖魔を信じる方がおかしいのだろう。
だが、綺羅はすでにシアンを疑うことも嫌うこともできない。
そのことを母親代わりの望月に理解してもらえないことが悲しかった。
ぼんやりと降り積もる雪を眺めていると六角柱から声が聞こえた。
『雪崩だ。雪崩が起きるよ』
『ケンタウルス達、死んじゃうね』
青龍と赤龍の声がしたかと思うと、2匹は綺羅の目の前に降りてきた。
黄金龍の力を得てから綺羅は青龍と赤龍と会話ができるようになった。だが、2匹は同時に話すうえに声が同じなので、どちらが何を言っているのは判別不能である。
「雪崩?青龍、赤龍。止められる?」
『できるよ』
『簡単。簡単』
どこか楽しげに青龍と赤龍は答えて、2匹は綺羅の周囲を飛び回る。
「じゃあ、お願い。行って来てくれる?」
綺羅の周りを飛び回っていた青龍と赤龍は『行ってくる』『ちょっと遊んで来て良い?』とキャッキャッと騒ぎながら出て行った。
綺羅と話ができるようになってから、青龍と赤龍は六角柱から小さな姿で出て来ては、部屋の中を飛び回ってじゃれ合っている。
青龍と赤龍があんなに天真爛漫な性格だと思っていなかった綺羅は、彼らの性格を知って接し方を変えた。と、いうよりも自然と変わった。
何より、青龍と赤龍が可愛くなったのである。
ただ、白龍とは相変わらず意思の疎通ができない。
青龍や赤龍とは違う能力であり、力の使い方も違うから仕方がないのかも知れない。
「あとどれだけ頑張ればいいのかな」
綺羅は零す。
綺羅自身、子供の頃から努力をしているつもりである。それでも認めて貰えずにあがいてあがいて、ようやく黄金龍の力を開花させることができた。
それでも、まだ認めて貰えない。
龍使いなのに、龍に認めて貰えない。
それは半人前を意味する。
早く龍にも龍宮王や龍宮国の仲間にも認めて貰えるような龍使いになりたい。
綺羅の悩みは降り積もる雪のように深く重いものだった。
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