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5.使用人リータは微笑む執事を利用する【リータ】
【1】
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「花を探したいんだけど、良ければ手伝ってもらえるかな?」
ぶつかってきた男の唐突な発言に、私はポカンとした。
え、花……?てか、誰……?執事服を着ているけど、何者……?
「えぇっと、そもそもどちら様で……」
「はいぃぃぃ!!!!喜んでっっっ!!!」
私の言葉を猛烈な勢いで遮ったのはアリスだ。
「もう、花でも城でも何でも探しますよっ!」
キラキラと目を輝かせながら、無責任なことを言う。
「ちょっとアリス、何勝手なこと言ってんの……」
「リータ、知らないの?この人は執事のパトリシオ様だよ。とってもかっこよくて、堂々としてらして、お仕事も完璧にこなして……。お若いのにお屋敷のことにも詳しくって、今は臨時で執事を取りまとめる係を任されているくらい……」
男――パトリシオだっけ――に聞こえないくらいの声で、早口でまくし立てるアリス。うっとりした表情は、白馬の王子様に出会ったお姫様、もしくは獲物を見つけた獣……。
そんなアリスに辟易しながら男を観察する。歳は20歳くらいといったところだろうか、彼女の解説通り、確かに若い(私とアリスは10代だから私達の方が若いけどね)。背はそこそこ高く、顔も悪くない。時折、人を舐めたような甘い笑顔を見せる。微笑んでおけば女の子なんてコロッと落ちると思っているのだろう。私の冷ややかな視線に気付くと、パトリシオは再び例の嘘っぽい笑顔を向けてきた。苛立ちのあまり顔を背ける。すると、横にいたアリスが目をハートにしている様子が目に入った。だめだこりゃ……。
私は彼女の手を引き立ち去ろうとする。が、ふとある考えが頭に浮かんだ。
この人、使えるんじゃないか……?
ぶつかってきた男の唐突な発言に、私はポカンとした。
え、花……?てか、誰……?執事服を着ているけど、何者……?
「えぇっと、そもそもどちら様で……」
「はいぃぃぃ!!!!喜んでっっっ!!!」
私の言葉を猛烈な勢いで遮ったのはアリスだ。
「もう、花でも城でも何でも探しますよっ!」
キラキラと目を輝かせながら、無責任なことを言う。
「ちょっとアリス、何勝手なこと言ってんの……」
「リータ、知らないの?この人は執事のパトリシオ様だよ。とってもかっこよくて、堂々としてらして、お仕事も完璧にこなして……。お若いのにお屋敷のことにも詳しくって、今は臨時で執事を取りまとめる係を任されているくらい……」
男――パトリシオだっけ――に聞こえないくらいの声で、早口でまくし立てるアリス。うっとりした表情は、白馬の王子様に出会ったお姫様、もしくは獲物を見つけた獣……。
そんなアリスに辟易しながら男を観察する。歳は20歳くらいといったところだろうか、彼女の解説通り、確かに若い(私とアリスは10代だから私達の方が若いけどね)。背はそこそこ高く、顔も悪くない。時折、人を舐めたような甘い笑顔を見せる。微笑んでおけば女の子なんてコロッと落ちると思っているのだろう。私の冷ややかな視線に気付くと、パトリシオは再び例の嘘っぽい笑顔を向けてきた。苛立ちのあまり顔を背ける。すると、横にいたアリスが目をハートにしている様子が目に入った。だめだこりゃ……。
私は彼女の手を引き立ち去ろうとする。が、ふとある考えが頭に浮かんだ。
この人、使えるんじゃないか……?
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