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5.使用人リータは微笑む執事を利用する【リータ】
【3】
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「すまないね、付き合わせてしまって」
パトリシオが申し訳なさそうに頭を搔く。
「いいえ、(対価として情報提供してもらうつもりなので)全然構いませんよぉ!」
私はひらひらと片手を振る。
「そうですよ、困っている(イケメンの)人のお手伝いが出来るなんて、光栄ですわ」
こちらは、アリス。
「ははっ。よく出来た使用人さんたちだね。
鈍い執事は私達の発言の真意に気付かない。
「ところで、二人はなぜ花に詳しいのかい?」
首を傾げる彼に、私が答える。
「たまにお仕事でお花を摘むことがあるんです。ほら、私達って見ての通りいわゆる下っ端の雑用でしょう。毎日決まった仕事をするわけじゃなくて、その時人手が足りていない仕事にあてがわれるんです。だから、草花係が足りていない時とか、花摘みの季節とかはお花関係の仕事をすることもあって、それをこなすうちに色々覚えてきて……」
「それはそうと、なぜパトリシオ様がお花を探しているんです?執事が草花関係のお仕事にあてがわれることってほぼないですよね?ましてや、パトリシオ様ほどのお方が土仕事など……!綺麗なお手が汚れてしまっては大変だわ……」
アリスが頬に手を当てながら眉を下げる。後半はほぼ彼女の感想というか、独り言と化しているため、ほとんど聞こえない。
「草花係が出払っているんだ。どこも人が足りていないようでね」
「なるほど」
私は慎重に言葉を選ぶ。
「それは、つまり、王様の出張の影響ですか?」
「そうだね。まぁ、それ以外にも、王妃の部屋に優秀な人員が集中していることも関係しているけど」
なるほど。つまり、王妃が部屋に籠もっているという話は本当で、今もその状態が続いているというわけか。まずひとつ、情報が聞き出せた。
パトリシオが申し訳なさそうに頭を搔く。
「いいえ、(対価として情報提供してもらうつもりなので)全然構いませんよぉ!」
私はひらひらと片手を振る。
「そうですよ、困っている(イケメンの)人のお手伝いが出来るなんて、光栄ですわ」
こちらは、アリス。
「ははっ。よく出来た使用人さんたちだね。
鈍い執事は私達の発言の真意に気付かない。
「ところで、二人はなぜ花に詳しいのかい?」
首を傾げる彼に、私が答える。
「たまにお仕事でお花を摘むことがあるんです。ほら、私達って見ての通りいわゆる下っ端の雑用でしょう。毎日決まった仕事をするわけじゃなくて、その時人手が足りていない仕事にあてがわれるんです。だから、草花係が足りていない時とか、花摘みの季節とかはお花関係の仕事をすることもあって、それをこなすうちに色々覚えてきて……」
「それはそうと、なぜパトリシオ様がお花を探しているんです?執事が草花関係のお仕事にあてがわれることってほぼないですよね?ましてや、パトリシオ様ほどのお方が土仕事など……!綺麗なお手が汚れてしまっては大変だわ……」
アリスが頬に手を当てながら眉を下げる。後半はほぼ彼女の感想というか、独り言と化しているため、ほとんど聞こえない。
「草花係が出払っているんだ。どこも人が足りていないようでね」
「なるほど」
私は慎重に言葉を選ぶ。
「それは、つまり、王様の出張の影響ですか?」
「そうだね。まぁ、それ以外にも、王妃の部屋に優秀な人員が集中していることも関係しているけど」
なるほど。つまり、王妃が部屋に籠もっているという話は本当で、今もその状態が続いているというわけか。まずひとつ、情報が聞き出せた。
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