43 / 65
9
3
しおりを挟む
「……亜子さん、本当積極的過ぎ……」
「……だって、少しでも触れていたいから……」
付けてあげると言って竜之介くんから避妊具を受け取ったものの、私は失敗したと思った。
こんな事を自らするとか、慣れてるって、思われたりするかもしれないと。
実際、昔付き合ってた人に付けてあげた事はある。
でもそれは相手が付けたがらない人で、あくまでも自衛の為からだった。
だけど、今は違う。
私から何かしてあげたくて言っただけで、誰にでもする訳じゃない。
不安に思いながらも手際良く彼の大きく滾るモノに避妊具を装着すると、私が手を離した瞬間、竜之介くんは私の顎を掬って唇を重ねてくる。
そうして何度か角度を変えながら唇を奪われた後、
「どうしてそんな不安そうな顔してるの?」
私の心を見透かした竜之介くんが優しく問い掛けてくる。
「……付けてあげるって言ったでしょ? でもそれって、男の人的には、慣れてるみたいで嫌かなって、思っちゃって……」
「別に、嫌なんて事は無いよ? まあ、一瞬そういう事は頭を過ったりはしたけど、俺は亜子さんがしてくれる事は何でも嬉しいよ。そりゃ、昔の男に嫉妬する事はあるけど、お互いもう子供じゃないんだから、それなりに経験があるのは仕方ない事だし、何にしても、過去は関係無い。今この時が、全てだよ――」
「――ッんん、……」
再び彼の膝の上に跨るように座った私は、腰を引き寄せられ、もう一度深く口付け合うと、そこから徐々に竜之介くんの唇が首筋や鎖骨、胸元へと降りていく。
「……ネックレス、亜子さんに似合ってる」
「……嬉しい。大切にするから」
「本当はもっと高価な物をプレゼントしたいけどね」
「値段じゃないよ。気持ちが嬉しいの」
何も身に纏っていない私の身体に、彼から貰ったネックレスだけがキラリと光っている。
「そう言って貰えて、俺も嬉しい」
何度もキスと愛撫が繰り返され、私の蜜口は彼を求めて疼いている。
「亜子さん、今日はこのままで、してみようか?」
「このまま……?」
「そう。ここに、ゆっくり腰を落としてみて?」
それは、私が自ら腟内へ彼のモノを挿れるという事で、そんな経験は無いから、少しだけ戸惑ってしまう。
でも、私からしてあげたいと思っていたのは本当だから、竜之介くんが望むなら、それに応えたい。
恥ずかしさを感じつつも、私は言われた通り少しずつ腰を下ろしていき、太くて長い彼のモノを少しずつ飲み込んでいく。
「……っん、……ぁ、んんッ……」
挿れられるのとは違った感覚を全身で感じながら、ようやく限界まで到達したかと思った瞬間、
「――ッあ! やぁっ……、んんっ!」
待ってましたと言わんばかりに竜之介くんは腰を打ち付けてくると、まるで叩きつけるように奥深くを刺激してきた。
「っあ、いやっ……そんな、に、つよく……しちゃッ、だめ……ぇッ」
男根に肉壁が押し広げられる感覚と、何度もピストンされる度に、彼は私を求めてくれている、感じてくれているという事が分かる。
私の腟内は彼の形を覚え、彼のモノでいっぱいになっているところが、私は彼のものになれているという幸福感に包まれていく。
「嫌、じゃなくて、良い、の間違い……でしょ?」
ギュッと抱き寄せられると腟内がキュッと締まり、その度に竜之介くんが小さく吐息を漏らすのを見ると、もっと、もっと私で感じてもらいたいと思ってしまい、彼の頭を抱き、自身の胸の辺りに引き寄せてみる。
すると、余裕が無い表情を浮かべつつ竜之介くんは私の胸の先端を口に含み、甘噛みするように弄ってくる。
「はぁんッ! あ、っ、やぁ……ッん、」
胸を攻められたせいで腟内は更にキュッと締め付けてしまい、
「ん、……亜子、さん……それ、ヤバい……ッ」
竜之介くんも気持ちいいらしく、再び強く腰を動かしてきた。
自分から煽ったくせに、結局主導権を握られてしまう。
こんなにも幸福感を得られるセックスは竜之介くんとだけ。
もう、彼しか見えない。
「――ッ、亜子さん……っん、」
「あ、っ……ん、あぁ、やっ、……何か、きちゃう……あぁッ!!」
「ッんん!」
何度も何度も腰を打ち付けられ、痙攣するようにビクビクと大きく身体が跳ね動いたその瞬間、二人同時に絶頂を迎えた私たちは崩れるように身体を重ねて果てた。
「……はぁ、っ……はぁ、……」
「亜子さん……気持ち良かった?」
「……うん、……すごく、良かった……っ、竜之介……くんは?」
「俺も、良かった。こんなに気持ち良くなれたのは、亜子さんが初めてだから」
「……私も、竜之介くんだけ……大好き……ずっと、ずっと、傍に居てね……?」
「決まってる。嫌だって言っても、離す気無いから」
「うん……私も、離れる気、無いよ」
「本当、可愛いよ、亜子さん」
チュッと音を立てて唇に吸い付いてきた竜之介くん。
彼に好きになって貰えて、私は本当に幸せ者だ。
この幸せはこれからもずっと続いていくと思ってた。
先の事は分からないけど、
竜之介くんとの未来を夢見たいって思ってた。
そしてそれは、竜之介くんも同じ気持ちだと思ってた。
だけど、
それは無理なんだと改めて思わされる出来事が迫りつつある事を、
今の私たちは知る由もなかった。
「……だって、少しでも触れていたいから……」
付けてあげると言って竜之介くんから避妊具を受け取ったものの、私は失敗したと思った。
こんな事を自らするとか、慣れてるって、思われたりするかもしれないと。
実際、昔付き合ってた人に付けてあげた事はある。
でもそれは相手が付けたがらない人で、あくまでも自衛の為からだった。
だけど、今は違う。
私から何かしてあげたくて言っただけで、誰にでもする訳じゃない。
不安に思いながらも手際良く彼の大きく滾るモノに避妊具を装着すると、私が手を離した瞬間、竜之介くんは私の顎を掬って唇を重ねてくる。
そうして何度か角度を変えながら唇を奪われた後、
「どうしてそんな不安そうな顔してるの?」
私の心を見透かした竜之介くんが優しく問い掛けてくる。
「……付けてあげるって言ったでしょ? でもそれって、男の人的には、慣れてるみたいで嫌かなって、思っちゃって……」
「別に、嫌なんて事は無いよ? まあ、一瞬そういう事は頭を過ったりはしたけど、俺は亜子さんがしてくれる事は何でも嬉しいよ。そりゃ、昔の男に嫉妬する事はあるけど、お互いもう子供じゃないんだから、それなりに経験があるのは仕方ない事だし、何にしても、過去は関係無い。今この時が、全てだよ――」
「――ッんん、……」
再び彼の膝の上に跨るように座った私は、腰を引き寄せられ、もう一度深く口付け合うと、そこから徐々に竜之介くんの唇が首筋や鎖骨、胸元へと降りていく。
「……ネックレス、亜子さんに似合ってる」
「……嬉しい。大切にするから」
「本当はもっと高価な物をプレゼントしたいけどね」
「値段じゃないよ。気持ちが嬉しいの」
何も身に纏っていない私の身体に、彼から貰ったネックレスだけがキラリと光っている。
「そう言って貰えて、俺も嬉しい」
何度もキスと愛撫が繰り返され、私の蜜口は彼を求めて疼いている。
「亜子さん、今日はこのままで、してみようか?」
「このまま……?」
「そう。ここに、ゆっくり腰を落としてみて?」
それは、私が自ら腟内へ彼のモノを挿れるという事で、そんな経験は無いから、少しだけ戸惑ってしまう。
でも、私からしてあげたいと思っていたのは本当だから、竜之介くんが望むなら、それに応えたい。
恥ずかしさを感じつつも、私は言われた通り少しずつ腰を下ろしていき、太くて長い彼のモノを少しずつ飲み込んでいく。
「……っん、……ぁ、んんッ……」
挿れられるのとは違った感覚を全身で感じながら、ようやく限界まで到達したかと思った瞬間、
「――ッあ! やぁっ……、んんっ!」
待ってましたと言わんばかりに竜之介くんは腰を打ち付けてくると、まるで叩きつけるように奥深くを刺激してきた。
「っあ、いやっ……そんな、に、つよく……しちゃッ、だめ……ぇッ」
男根に肉壁が押し広げられる感覚と、何度もピストンされる度に、彼は私を求めてくれている、感じてくれているという事が分かる。
私の腟内は彼の形を覚え、彼のモノでいっぱいになっているところが、私は彼のものになれているという幸福感に包まれていく。
「嫌、じゃなくて、良い、の間違い……でしょ?」
ギュッと抱き寄せられると腟内がキュッと締まり、その度に竜之介くんが小さく吐息を漏らすのを見ると、もっと、もっと私で感じてもらいたいと思ってしまい、彼の頭を抱き、自身の胸の辺りに引き寄せてみる。
すると、余裕が無い表情を浮かべつつ竜之介くんは私の胸の先端を口に含み、甘噛みするように弄ってくる。
「はぁんッ! あ、っ、やぁ……ッん、」
胸を攻められたせいで腟内は更にキュッと締め付けてしまい、
「ん、……亜子、さん……それ、ヤバい……ッ」
竜之介くんも気持ちいいらしく、再び強く腰を動かしてきた。
自分から煽ったくせに、結局主導権を握られてしまう。
こんなにも幸福感を得られるセックスは竜之介くんとだけ。
もう、彼しか見えない。
「――ッ、亜子さん……っん、」
「あ、っ……ん、あぁ、やっ、……何か、きちゃう……あぁッ!!」
「ッんん!」
何度も何度も腰を打ち付けられ、痙攣するようにビクビクと大きく身体が跳ね動いたその瞬間、二人同時に絶頂を迎えた私たちは崩れるように身体を重ねて果てた。
「……はぁ、っ……はぁ、……」
「亜子さん……気持ち良かった?」
「……うん、……すごく、良かった……っ、竜之介……くんは?」
「俺も、良かった。こんなに気持ち良くなれたのは、亜子さんが初めてだから」
「……私も、竜之介くんだけ……大好き……ずっと、ずっと、傍に居てね……?」
「決まってる。嫌だって言っても、離す気無いから」
「うん……私も、離れる気、無いよ」
「本当、可愛いよ、亜子さん」
チュッと音を立てて唇に吸い付いてきた竜之介くん。
彼に好きになって貰えて、私は本当に幸せ者だ。
この幸せはこれからもずっと続いていくと思ってた。
先の事は分からないけど、
竜之介くんとの未来を夢見たいって思ってた。
そしてそれは、竜之介くんも同じ気持ちだと思ってた。
だけど、
それは無理なんだと改めて思わされる出来事が迫りつつある事を、
今の私たちは知る由もなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜 【完結】
日下奈緒
恋愛
雨の日の交差点。
車に轢かれそうになったスーツ姿の男性を、とっさに庇った大学生のひより。
そのまま病院へ運ばれ、しばらくの入院生活に。
目を覚ました彼女のもとに毎日現れたのは、助けたあの男性――そして、大手企業の御曹司・一ノ瀬玲央だった。
「俺にできることがあるなら、なんでもする」
花や差し入れを持って通い詰める彼に、戸惑いながらも心が惹かれていくひより。
けれど、退院の日に告げられたのは、彼のひとことだった。
「君、大学生だったんだ。……困ったな」
15歳という年の差、立場の違い、過去の恋。
簡単に踏み出せない距離があるのに、気づけばお互いを想う気持ちは止められなくなっていた――
「それでも俺は、君が欲しい」
助けたはずの御曹司から、溺れるほどに甘やかされる毎日が始まる。
これは、15歳差から始まる、不器用でまっすぐな恋の物語。
俺様外科医の溺愛、俺の独占欲に火がついた、お前は俺が守る
ラヴ KAZU
恋愛
ある日、まゆは父親からお見合いを進められる。
義兄を慕ってきたまゆはお見合いを阻止すべく、車に引かれそうになったところを助けてくれた、祐志に恋人の振りを頼む。
そこではじめてを経験する。
まゆは三十六年間、男性経験がなかった。
実は祐志は父親から許嫁の存在を伝えられていた。
深海まゆ、一夜を共にした女性だった。
それからまゆの身が危険にさらされる。
「まゆ、お前は俺が守る」
偽りの恋人のはずが、まゆは祐志に惹かれていく。
祐志はまゆを守り切れるのか。
そして、まゆの目の前に現れた工藤飛鳥。
借金の取り立てをする工藤組若頭。
「俺の女になれ」
工藤の言葉に首を縦に振るも、過去のトラウマから身体を重ねることが出来ない。
そんなまゆに一目惚れをした工藤飛鳥。
そして、まゆも徐々に工藤の優しさに惹かれ始める。
果たして、この恋のトライアングルはどうなるのか。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる