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STORY5
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「おう、俺だ。ああ、そうか。分かった。何? 写真と顔が違う? それなら締め上げて名前を吐かせろ。ああ、多少痛めつけても問題ねぇよ。とにかくその女さえ手に入ればいい」
郁斗と対峙しているにも関わらず、誰かから電話が掛かってきたらしい迅は突然電話に出ると、何やら怪しげな会話をし始める。
(写真と顔が違う…………? その女さえ、手に入れば?)
聞こえてくる言葉を復唱しながら、郁斗の脳裏に詩歌が浮かび、
(まさか!?)
郁斗はすぐに今置かれている状況を悟ったようで、急いで小竹に電話を掛ける。
がしかし、すぐ側で待機している筈の彼が電話に出ない。
嫌な予感が膨らんだ郁斗は美澄に電話を掛けるけれど、彼もまた小竹同様電話には出なかった。
「クソっ!」
迅は誰かと電話をしながら郁斗が焦り始めたのを確認すると電話を切り、
「ようやく気付いたか? 悪いな。こっちは既に手を打ってあんだよ。まさか本当に女連れでのこのこやって来るとはな。どうやら郁斗の部下は頭の悪いのしかいないみてぇで大変だなぁ」
可笑しそうに笑いながら郁斗を刺激する。
「……迅! 詩歌をどうするつもりだ?」
「決まってんだろ? 黛に引き渡す」
「そんな事はさせねぇよ」
「へぇ? どうするつもりだか知らねぇが、やれるもんならやってみろよ。ほら、早く行ったらどうだ? ま、もう手遅れだと思うけどな」
挑発されているのは分かっていたけれど、今はすぐに状況を確認しに行くしかない郁斗は迅の笑い声を背に小竹が待機している筈の場所へ向かってひた走る。
「小竹! 美澄!」
そして、車が二台停まっているそのすぐ横に、複数人から襲撃されたのか、傷だらけの小竹と美澄が折り重なるように倒れていた。
「おい! 大丈夫か?」
二人の側には鉄パイプがいくつか落ちていて、いきなり殴られた事が容易に想像出来る。
「…………っ、郁斗……さん、」
「小竹!?」
「すみ……ま、せん……」
「詩歌は連れてかれたんだな?」
「…………はい、すみ……ま、せん」
「分かった、もういいから喋るな」
小竹は苦しみながらも何とか意識を取り戻すも美澄は反応すらなく、恐らくこのままにしておけば助かるかどうかも怪しいといった状況だった。
ひとまず小竹に話さないように告げると、恭輔に電話を掛けた。
「恭輔さん、悪いけど至急応援を頼みたい。場所は――」
いつになく切羽詰まった声で電話をして来た郁斗にただ事ではないと察した恭輔はすぐに組員に連絡をして詩歌捜索と小竹、美澄を病院へ連れて行く為の要員を集めてそれぞれ仕事を割り振った。
電話を終えた郁斗は美澄と小竹を車の中へ寝かせると、再び迅の元へ戻って行く。
「使えねぇ部下は死んだか?」
「んな訳ねぇだろ。アイツらは丈夫が取り柄なんだよ。それより、詩歌をどこへ連れてった? すぐに黛には引き渡さねぇだろ?」
「さあな」
郁斗は迅がすぐに黛組、もしくは苑流に詩歌を引き渡すとは考えにくく、手下に捕らえさせて一旦どこかへ隠し、何らかの取り引き材料として引き渡すつもりなのではと考え、恭輔たちが匿われている詩歌を探し当てる為の時間を稼ごうとするも、
「俺も忙しいんだ、いつまでもテメェと話してる時間はねぇから、そろそろ行くぜ」
迅の言葉と共に突然猛スピードで近付いて来たワゴン車は迅のすぐ横で停まり、
「お待たせしました、迅さん」
「それじゃあな、郁斗。俺が女を引き渡すまでに辿り着けるといいな」
ドアが開くと同時に泰典が顔を出すと、迅は捨て台詞を吐いてそのまま車に乗り込み、運転手に車を出すよう合図をすると、車は再び猛スピードでその場を去って行った。
「迅っ! クソ!」
あっという間の出来事で郁斗は為す術なく、一人その場に残されてしまった。
郁斗と対峙しているにも関わらず、誰かから電話が掛かってきたらしい迅は突然電話に出ると、何やら怪しげな会話をし始める。
(写真と顔が違う…………? その女さえ、手に入れば?)
聞こえてくる言葉を復唱しながら、郁斗の脳裏に詩歌が浮かび、
(まさか!?)
郁斗はすぐに今置かれている状況を悟ったようで、急いで小竹に電話を掛ける。
がしかし、すぐ側で待機している筈の彼が電話に出ない。
嫌な予感が膨らんだ郁斗は美澄に電話を掛けるけれど、彼もまた小竹同様電話には出なかった。
「クソっ!」
迅は誰かと電話をしながら郁斗が焦り始めたのを確認すると電話を切り、
「ようやく気付いたか? 悪いな。こっちは既に手を打ってあんだよ。まさか本当に女連れでのこのこやって来るとはな。どうやら郁斗の部下は頭の悪いのしかいないみてぇで大変だなぁ」
可笑しそうに笑いながら郁斗を刺激する。
「……迅! 詩歌をどうするつもりだ?」
「決まってんだろ? 黛に引き渡す」
「そんな事はさせねぇよ」
「へぇ? どうするつもりだか知らねぇが、やれるもんならやってみろよ。ほら、早く行ったらどうだ? ま、もう手遅れだと思うけどな」
挑発されているのは分かっていたけれど、今はすぐに状況を確認しに行くしかない郁斗は迅の笑い声を背に小竹が待機している筈の場所へ向かってひた走る。
「小竹! 美澄!」
そして、車が二台停まっているそのすぐ横に、複数人から襲撃されたのか、傷だらけの小竹と美澄が折り重なるように倒れていた。
「おい! 大丈夫か?」
二人の側には鉄パイプがいくつか落ちていて、いきなり殴られた事が容易に想像出来る。
「…………っ、郁斗……さん、」
「小竹!?」
「すみ……ま、せん……」
「詩歌は連れてかれたんだな?」
「…………はい、すみ……ま、せん」
「分かった、もういいから喋るな」
小竹は苦しみながらも何とか意識を取り戻すも美澄は反応すらなく、恐らくこのままにしておけば助かるかどうかも怪しいといった状況だった。
ひとまず小竹に話さないように告げると、恭輔に電話を掛けた。
「恭輔さん、悪いけど至急応援を頼みたい。場所は――」
いつになく切羽詰まった声で電話をして来た郁斗にただ事ではないと察した恭輔はすぐに組員に連絡をして詩歌捜索と小竹、美澄を病院へ連れて行く為の要員を集めてそれぞれ仕事を割り振った。
電話を終えた郁斗は美澄と小竹を車の中へ寝かせると、再び迅の元へ戻って行く。
「使えねぇ部下は死んだか?」
「んな訳ねぇだろ。アイツらは丈夫が取り柄なんだよ。それより、詩歌をどこへ連れてった? すぐに黛には引き渡さねぇだろ?」
「さあな」
郁斗は迅がすぐに黛組、もしくは苑流に詩歌を引き渡すとは考えにくく、手下に捕らえさせて一旦どこかへ隠し、何らかの取り引き材料として引き渡すつもりなのではと考え、恭輔たちが匿われている詩歌を探し当てる為の時間を稼ごうとするも、
「俺も忙しいんだ、いつまでもテメェと話してる時間はねぇから、そろそろ行くぜ」
迅の言葉と共に突然猛スピードで近付いて来たワゴン車は迅のすぐ横で停まり、
「お待たせしました、迅さん」
「それじゃあな、郁斗。俺が女を引き渡すまでに辿り着けるといいな」
ドアが開くと同時に泰典が顔を出すと、迅は捨て台詞を吐いてそのまま車に乗り込み、運転手に車を出すよう合図をすると、車は再び猛スピードでその場を去って行った。
「迅っ! クソ!」
あっという間の出来事で郁斗は為す術なく、一人その場に残されてしまった。
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