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Wセンター 編
Wセンター編〜エピローグ〜
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2024年3月。
34thシングルのミニライブが行なわれた。
以前は全国握手会の中のイベントとして披露していたけど、今は無観客の配信に切り替わっているライブだ。
35thシングルの選抜発表も世間に公開済みなので、グループはすっかり次のシングルに向けて動き始めている。
だけど私の感覚では、このミニライブまではかっきーとのWセンターの活動期間が続いていた。
でも、それもついにおしまい、、
~~~~~~~~
遥香「終わっちゃったね」
さくら「うん。あっという間だった」
ミニライブを終えた私たちは、楽屋で34thシングルの衣装から私服へ着替えを始めていた。
「もう、ないかな」
「ない、かもね」
だって、Wセンター自体がめずらしいフォーメーションだから。そのうえ同じペアがまた選ばれることはないだろう。
1期生の白石さんと西野さんのペアだけは、表題曲でWセンターに2度選ばれたらしいけど。それはきっと、あの大先輩二人が特別だから。私たちが同じ経験をさせてもらえるなんて、到底思えない。
「私、きっと最初で最後のWセンターがさくちゃんと一緒で本当に良かった。さくちゃんが隣にいてくれたから頑張れたし、心強かった」
「そんな、私のほうこそだよ。かっきーにはいつも助けてもらってた。ヒット祈願の時だって」
「あれだって、さくちゃんがいたから頑張れたんだよ?それなら、さくちゃんは私のダンス練習に付き合ってくれたし」
「え~?私そんなことした?」
「ほら、渋谷から生配信で新曲解禁した時、私が振りを間違えちゃって」
「あっ、そのあと私の部屋で練習した時か」
「そうそう。それで練習したあと、ベッドでさくちゃんに押し倒されちゃって……」
「わーー!それはいいから!忘れて!」
「ううん。一生忘れない」
「もぅ!」
かっきーの汗のにおいでドキドキしちゃった日か。
あれは、、うん、自分でも抑えられなかった。
もしかして、私ってにおいフェチ?性癖ってやつ?
なんか、恥ずかしいな。
「あはは、冗談だよ。じゃあ私たち、お互いに支え合って、よく頑張ったってことだよね」
「うん、そうだね。2人で一緒に頑張れた。楽しい時も、大変な時も」
「ふふふ、そう言うとなんだかあれみたい、ほら、なんだっけ、、『健やかなる時も、病める時も……』みたいな?」
「かっきー、それ結婚式で神父さんが言うやつじゃない?」
「あー、そっか。結婚式か」
結婚、というワードが出たせいだろうか。
少しだけ、沈黙が生まれた。
かっきーと、そこまで具体的な話はしたことがない。そもそも、日本の法律だと同性では出来ないらしいし。だったら法律を変えようとか、そんな大それた行動を起こすつもりも全くない。
私たちの関係が公にはどうなるとか、そこにはこだわっていないから。
でも、かっきーはどう思っているんだろう。
「さくちゃん、、その、、これからもよろしくね」
「うん。どうしたの?改まって」
「考えてみたら、Wセンターの期間が特別だったわけじゃないんだなって。私はこれからの人生も、さくちゃんと支え合って生きていきたい。だから、これからもよろしくね」
「かっきー、、」
(それ、プロポーズじゃん、、)
心がとってもピュアなかっきーは、こっちが赤面しちゃうようなことを今みたいにサラッと言ってのける。
嬉しさと恥ずかしさで頭がフリーズしかけたけど、私だってちゃんと答えたい。
「あの、、私のほうこそ、よろしくね。これから何があっても、かっきーの側にいるからね」
「うん!私がずーーっと、さくちゃんのこと独り占めしちゃう!」
「ほんとに~?約束だからね」
やっぱり、結婚できるとかできないとか、今は考えなくていいや。
これからもかっきーの隣で生きていける。いつもってわけじゃないけど、かっきーを独り占めできる。
私は、それだけで幸せだから。
~~おしまい~~
34thシングルのミニライブが行なわれた。
以前は全国握手会の中のイベントとして披露していたけど、今は無観客の配信に切り替わっているライブだ。
35thシングルの選抜発表も世間に公開済みなので、グループはすっかり次のシングルに向けて動き始めている。
だけど私の感覚では、このミニライブまではかっきーとのWセンターの活動期間が続いていた。
でも、それもついにおしまい、、
~~~~~~~~
遥香「終わっちゃったね」
さくら「うん。あっという間だった」
ミニライブを終えた私たちは、楽屋で34thシングルの衣装から私服へ着替えを始めていた。
「もう、ないかな」
「ない、かもね」
だって、Wセンター自体がめずらしいフォーメーションだから。そのうえ同じペアがまた選ばれることはないだろう。
1期生の白石さんと西野さんのペアだけは、表題曲でWセンターに2度選ばれたらしいけど。それはきっと、あの大先輩二人が特別だから。私たちが同じ経験をさせてもらえるなんて、到底思えない。
「私、きっと最初で最後のWセンターがさくちゃんと一緒で本当に良かった。さくちゃんが隣にいてくれたから頑張れたし、心強かった」
「そんな、私のほうこそだよ。かっきーにはいつも助けてもらってた。ヒット祈願の時だって」
「あれだって、さくちゃんがいたから頑張れたんだよ?それなら、さくちゃんは私のダンス練習に付き合ってくれたし」
「え~?私そんなことした?」
「ほら、渋谷から生配信で新曲解禁した時、私が振りを間違えちゃって」
「あっ、そのあと私の部屋で練習した時か」
「そうそう。それで練習したあと、ベッドでさくちゃんに押し倒されちゃって……」
「わーー!それはいいから!忘れて!」
「ううん。一生忘れない」
「もぅ!」
かっきーの汗のにおいでドキドキしちゃった日か。
あれは、、うん、自分でも抑えられなかった。
もしかして、私ってにおいフェチ?性癖ってやつ?
なんか、恥ずかしいな。
「あはは、冗談だよ。じゃあ私たち、お互いに支え合って、よく頑張ったってことだよね」
「うん、そうだね。2人で一緒に頑張れた。楽しい時も、大変な時も」
「ふふふ、そう言うとなんだかあれみたい、ほら、なんだっけ、、『健やかなる時も、病める時も……』みたいな?」
「かっきー、それ結婚式で神父さんが言うやつじゃない?」
「あー、そっか。結婚式か」
結婚、というワードが出たせいだろうか。
少しだけ、沈黙が生まれた。
かっきーと、そこまで具体的な話はしたことがない。そもそも、日本の法律だと同性では出来ないらしいし。だったら法律を変えようとか、そんな大それた行動を起こすつもりも全くない。
私たちの関係が公にはどうなるとか、そこにはこだわっていないから。
でも、かっきーはどう思っているんだろう。
「さくちゃん、、その、、これからもよろしくね」
「うん。どうしたの?改まって」
「考えてみたら、Wセンターの期間が特別だったわけじゃないんだなって。私はこれからの人生も、さくちゃんと支え合って生きていきたい。だから、これからもよろしくね」
「かっきー、、」
(それ、プロポーズじゃん、、)
心がとってもピュアなかっきーは、こっちが赤面しちゃうようなことを今みたいにサラッと言ってのける。
嬉しさと恥ずかしさで頭がフリーズしかけたけど、私だってちゃんと答えたい。
「あの、、私のほうこそ、よろしくね。これから何があっても、かっきーの側にいるからね」
「うん!私がずーーっと、さくちゃんのこと独り占めしちゃう!」
「ほんとに~?約束だからね」
やっぱり、結婚できるとかできないとか、今は考えなくていいや。
これからもかっきーの隣で生きていける。いつもってわけじゃないけど、かっきーを独り占めできる。
私は、それだけで幸せだから。
~~おしまい~~
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今作も最高でした^ ^私はかきさくの作品をよく読んでいるのですが、やっぱりyoumeryさんが1番リアルに近く、2人の言動の可愛さが細かく表現されていて本当にキュンキュンします!私もかきさくがずっと仲良くしていてほしいと願っております。もしお時間ありましたら次回もお待ちしています!
れん様
早速の感想、ありがとうございます。リアルに近いというお褒めのお言葉、とても嬉しいです。
かきさくのセリフは2人の声で脳内再生しながら、言いそうなこと言わなそうなことに結構こだわっているかもしれません。
私はかきさくで「尊い」という感情を覚えたので、本当にずっとずっとイチャイチャ仲良くしていてほしいです。
次回作はまだ何も固まっていませんが、どうか気長にお待ちください。
ぐふっうっっ…!!(//Д//)と、尊いっ
口移しからの~っ、、最高でした!
想像したらよい鳥肌がたって夜中にひとり悶えてました…
作者様の文章力スんゴイです!!
かきさく尊い……っ ンンン"ン""
弟が乃木坂好きでそこから見ているうちに私も見事にはまってしまったのですが、、
確実に弟とは異なる楽しみを見いだしてしまった。。
責任とってくださいっ!!新作楽しみにしてます!🥺♥️
ありがとうございます!
とても熱量の高いコメントをありがとうございます!
口移しから2人が結ばれるまでの流れは、お泊まり旅行でちょっとだけ大胆になるさくちゃんを妄想して生まれました。喜んでいただけて嬉しいです。
弟さんも乃木坂46が好きなんですね。
私も家族と一緒に乃木坂46を応援していますが、かきさくに百合を感じていることは隠しています。なので、Twitterで同志を見つけてはいいねをしまくっております。
ありがたいことに現実でのかきさくの供給が多く、妄想小説が追い付いていません…
ですが、妄想が止まない限り続編は書こうと思っています。どうか気長にお待ちください。
かきさくは僕の推しメンで百合も大好きなので
毎話何回読んでも最高です!!
また次のお話も楽しみしてます!!
感想ありがとうございます、とても励みになります!!
かきさく推しの百合好きの方に読んでいただいて嬉しいです!