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中等部編
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緑橋の手を引きつつ片手で時間を確認する。昼休みが終わるまでまだ時間はある。緑橋を教室に送り届けるだけの余裕はあるだろう。藤本教諭から頼まれていた本の返却は、まあこれを機に僕に無暗矢鱈に面倒事を押し付けるのをやめてもらえたら嬉しい。あまり期待はしないけれど。
「ご、ゴメンね涼君……僕の所為で時間とらせちゃって。あ、あの、面倒だったら僕一人でも、教室までたどり着けるから、その……。」
「構いませんよ、それに眼鏡を壊してしまったのはある意味僕の所為でもありますから。それに送っていくと言ったのは僕です。途中で放り出したりはしませんよ。」
遠慮がちに僕の方を見上げる緑橋。たどり着けるなどと言っている時点で危ういのだ。不意に分厚い眼鏡と長い前髪で隠されていた深い翡翠色の目が髪の間から覗き思わず目を奪われた。
「…………、」
「あ、あの、涼君……どうしたの?」
高い窓から入る初夏の日差しをチラチラと細かく反射するそれに見入っていると、俯かれ目を伏せられた。半ばハッとするように目を逸らす。
「っ、ああすいません、つい。」
「……、その……そんなに変、かな?」
うっすらと浮かんだ涙にギョッとし慌てて取り繕う。
「いえ、以前にも言いましたが綺麗な目と髪だと思いますよ。つい目を奪われるくらいには。」
「へっ!?」
「君はもっと自分に自信を持った方が良い。確かに君の髪や眼の色は人と違います。が、君が思ってるほど目立ちはしませんよ?」
「で、でも……。」
「でもじゃない、でしょう?」
繋いでいない片手でワシャワシャと若草色の髪をかき回す。いつかの会話が思い出されクスりと笑みがこぼれた。見た目も中身もほとんど変わっていない。このタイプは庇護欲を誘うか、加虐心を煽るかの二択だな、と一人ごつ。
「何より今の学年の頭髪の色は異様なほどカラフルだって知りませんか?赤、白、青、緑、それに結構金髪や茶髪に染色している生徒もいますし、色については気にする必要ありませんよ。」
「でも、じゃない……ええっと、しかし?その、涼君たちの色は綺麗、でしょ……?」
「…………、」
一応すでに緑橋が涙目になっていないことを確認する。よし。
両手で白い頬をキュッと抓んだ。
「いっ……!?」
「君は……成長、または学ぶことを知らないんですか?綺麗だって言ってるじゃないですか!褒め言葉は大人しく享受しておきなさい!君が綺麗だって思わなくても周りは綺麗な色してると思ってるんですから!」
「れ、れも、思ってなひかもしれなひ……、」
「道行く人全員見とれてるとか思うレベルの自意識過剰になってなさい。君にはそれでも足りないくらいでしょう。」
「むう……、」
納得いかなそうな緑橋の頬をむにむにと引っ張る。多少嫌そうにしているが気が弱すぎて振り払うことも
出来ないのだろう。仕方なく手を離しため息を吐く。微かに赤くなった頬を片手で撫でる。
「自信を持つと良い、君は綺麗だ。」
「ッ…………!?」
言うだけ言ってすっきりした僕はパクパクと口を開閉させる緑橋の手を引きまた歩き出した。ちらりと時計を見るとあまり余裕がないことが分かる。妙なやり取りで時間を遣いすぎたな。そう思いながらふと斜め後ろを半ば引きずられるように歩く緑橋を見て一瞬の間思考が停止する。足をもつれさせながら僕の後を追う緑橋は未だに酸欠の魚の様に口を開閉させ顔と言わず耳や首まで真っ赤にさせていた。しかも心なしかつないでいる左手が熱い。
赤面させるほどのことをしたかと自分の言動を振り返り、ややあって、頭を抱えたくなった。
我ながら先ほどの台詞はない。ありえない。『君は綺麗だ』なんて勢いのまま言ってしまったが、どこのホストの台詞だ。どこのプレイボーイの台詞だ。あんな台詞をしれっと使う中学生なんていないし、ましてや女子中学生が男子中学生に向けて言う言葉では断じてない。
そして緑橋も緑橋だ。笑うなら笑え。顔を真っ赤にして笑いを堪えるくらいならいっそ笑い飛ばしてくれ。全力で膝をつきたくなった。だがすでに歩き出して数十秒、今更前言撤回など遅すぎるし何より撤回したせいで彼がネガティブのスパイラルに陥られては尚更面倒だ。結局激しく恥ずかしい先ほどの言葉の進退については諦めるほかないらしい。
「あ、あの……、」
「んー?」
数分前に戻りたいとッ半分意識飛ばしていると後ろから気弱そうな声が掛かる。あまり時間がないため先ほどの様に立ち止まり面と向かって離すことはできない。
「ありがとう……それ、と……、」
重ねて何かを言おうとする緑橋を何も言わずに待つ。たぶん急かしたら、何でもない、と言って何もなかったようにしてしまうだろう。
「その、昔、涼君に会ってから、ずっと、また会いたかったんだ。……それで、涼君みたいに、強くなりたくて、ええっと、その……、ぼっ、僕は、」
なんとなく歩きながら顔も見ずに話して良いことには思えず、立ち止まりたくなったがいい加減時間がないので立ち止まることができない。流石に申し訳なくなった。だが結局その続きが緑橋の口から出ることはなく、もごもごと吃りながら飲み込まれてしまった。
「……焦らなくても良いですよ。また話す機会はあるでしょう。」
「ッ!そ、そう、だね……。」
それっきり口を閉ざした。否、何やらもごもごと言っているが不明瞭で何も聞き取れない。だが人気のない階段や廊下を抜け人通りの多い廊下に出たので正直ありがたい。予鈴がなるまでもう一分もない。サクッと送り届けて僕も教室へ帰らなければならない。だが不便なことに緑橋の教室と僕らの教室は階が違うのだ。A組からC組までが三階、D組とE組は二階ということになっている。僕や蓮様のクラスはB組の三階、緑橋のクラスはE組の二階だ。そのおかげもあって今まで接触しなかったが正直今はそれが面倒に思える。
何とか予鈴直前にE組の教室にたどり着き、開け放された教室に緑橋を促した。
「さあ、着きましたよ。……流石に自分の席には行けますよね?」
「う、うん!ありがとう!」
さあこれでやっと教室に帰れる、と思ったのに緑橋は何故か僕の左手を離そうとしない。むしろ先ほどよりも力が込められていると言っても過言ではない。それどころか今度はなぜか僕の左手を両手で握ってきた。
「緑橋くん……?」
「う、ええっと……その……、」
意図が分からず名前を呼んでみると、ハッとしたように手を離しそうになりもう一度握りなおした。どうやら無意識に握っており、そして意識的に握りなおしたらしい。訳が分からない。そしてその状態でもじもじし始めた。もじもじするのは勝手だが、僕を巻き込まないでほしい。このクラスにだって知り合いはたくさんいる。たとえ緑橋が地味だからって、いや地味だからこそだろう。僕と教室のドアの前で手を握り合っているというのはかなり異様な光景であるし、何より僕がものすごく居たたまれない。
「その、涼くんっ!!」
「はい。」
「涼くんの―――――――――!」
キーンコーンカーンコーン……
予鈴が学校中に鳴り響く。
残念なことに、決死の覚悟と言わんばかりの様子で僕に言った何かは見事にチャイムにかき消された。肝心の緑橋は呆然としたように口をパクパクさせており、教室で聞き耳を立てていた一部の生徒は、ある者は笑いをかみ殺し、ある者は拍子抜けしたように机に突っ伏していた。何とも間の抜けた顛末だ。
僕自身クツクツと喉で笑っていた。握られていた左手は解放され緑橋は力なくうなだれている。
解放された左手で若草色の髪をポンポンと撫でておく。
「ッ!!」
途端に顔をパッと上げた緑橋にまた笑う。先ほどのかき消された彼の言葉は側にいた僕にはしっかり聞こえていた。
「ありがとう、嬉しいよ。」
もう一度頭を撫でてから僕は自身の教室に向かった。
『涼くんの髪も綺麗ですっ!』
必死に伝えたかったことがそんなことか。他の人間ならさらりと言えることでも、あの子は全力だ。それがどうも可愛らしくて仕方がない。
どうにも僕は彼のようなタイプには弱いらしい。どうしたって適当にあしらったり邪険にすることができない。
黄師原のように傲慢であったり、青柳のように軽ければあしらうのもぞんざいでいいのだが。どうも緑橋は昔の蓮様に似ているようなところがあって捨て置けない。
攻略キャラクターとは関わらない、がモットーであったのに、それはどうしたって無理だと悟った。
後日何やら妙な噂が広まり、しかもその噂に尾ひれ胸鰭が生えて、赤霧涼が、カツアゲされて眼鏡を割られた哀れな生徒を救出し、お姫様抱っこで教室まで送り届けた、というほとんど原型のなくなった噂に頭を痛めることになった。
「ご、ゴメンね涼君……僕の所為で時間とらせちゃって。あ、あの、面倒だったら僕一人でも、教室までたどり着けるから、その……。」
「構いませんよ、それに眼鏡を壊してしまったのはある意味僕の所為でもありますから。それに送っていくと言ったのは僕です。途中で放り出したりはしませんよ。」
遠慮がちに僕の方を見上げる緑橋。たどり着けるなどと言っている時点で危ういのだ。不意に分厚い眼鏡と長い前髪で隠されていた深い翡翠色の目が髪の間から覗き思わず目を奪われた。
「…………、」
「あ、あの、涼君……どうしたの?」
高い窓から入る初夏の日差しをチラチラと細かく反射するそれに見入っていると、俯かれ目を伏せられた。半ばハッとするように目を逸らす。
「っ、ああすいません、つい。」
「……、その……そんなに変、かな?」
うっすらと浮かんだ涙にギョッとし慌てて取り繕う。
「いえ、以前にも言いましたが綺麗な目と髪だと思いますよ。つい目を奪われるくらいには。」
「へっ!?」
「君はもっと自分に自信を持った方が良い。確かに君の髪や眼の色は人と違います。が、君が思ってるほど目立ちはしませんよ?」
「で、でも……。」
「でもじゃない、でしょう?」
繋いでいない片手でワシャワシャと若草色の髪をかき回す。いつかの会話が思い出されクスりと笑みがこぼれた。見た目も中身もほとんど変わっていない。このタイプは庇護欲を誘うか、加虐心を煽るかの二択だな、と一人ごつ。
「何より今の学年の頭髪の色は異様なほどカラフルだって知りませんか?赤、白、青、緑、それに結構金髪や茶髪に染色している生徒もいますし、色については気にする必要ありませんよ。」
「でも、じゃない……ええっと、しかし?その、涼君たちの色は綺麗、でしょ……?」
「…………、」
一応すでに緑橋が涙目になっていないことを確認する。よし。
両手で白い頬をキュッと抓んだ。
「いっ……!?」
「君は……成長、または学ぶことを知らないんですか?綺麗だって言ってるじゃないですか!褒め言葉は大人しく享受しておきなさい!君が綺麗だって思わなくても周りは綺麗な色してると思ってるんですから!」
「れ、れも、思ってなひかもしれなひ……、」
「道行く人全員見とれてるとか思うレベルの自意識過剰になってなさい。君にはそれでも足りないくらいでしょう。」
「むう……、」
納得いかなそうな緑橋の頬をむにむにと引っ張る。多少嫌そうにしているが気が弱すぎて振り払うことも
出来ないのだろう。仕方なく手を離しため息を吐く。微かに赤くなった頬を片手で撫でる。
「自信を持つと良い、君は綺麗だ。」
「ッ…………!?」
言うだけ言ってすっきりした僕はパクパクと口を開閉させる緑橋の手を引きまた歩き出した。ちらりと時計を見るとあまり余裕がないことが分かる。妙なやり取りで時間を遣いすぎたな。そう思いながらふと斜め後ろを半ば引きずられるように歩く緑橋を見て一瞬の間思考が停止する。足をもつれさせながら僕の後を追う緑橋は未だに酸欠の魚の様に口を開閉させ顔と言わず耳や首まで真っ赤にさせていた。しかも心なしかつないでいる左手が熱い。
赤面させるほどのことをしたかと自分の言動を振り返り、ややあって、頭を抱えたくなった。
我ながら先ほどの台詞はない。ありえない。『君は綺麗だ』なんて勢いのまま言ってしまったが、どこのホストの台詞だ。どこのプレイボーイの台詞だ。あんな台詞をしれっと使う中学生なんていないし、ましてや女子中学生が男子中学生に向けて言う言葉では断じてない。
そして緑橋も緑橋だ。笑うなら笑え。顔を真っ赤にして笑いを堪えるくらいならいっそ笑い飛ばしてくれ。全力で膝をつきたくなった。だがすでに歩き出して数十秒、今更前言撤回など遅すぎるし何より撤回したせいで彼がネガティブのスパイラルに陥られては尚更面倒だ。結局激しく恥ずかしい先ほどの言葉の進退については諦めるほかないらしい。
「あ、あの……、」
「んー?」
数分前に戻りたいとッ半分意識飛ばしていると後ろから気弱そうな声が掛かる。あまり時間がないため先ほどの様に立ち止まり面と向かって離すことはできない。
「ありがとう……それ、と……、」
重ねて何かを言おうとする緑橋を何も言わずに待つ。たぶん急かしたら、何でもない、と言って何もなかったようにしてしまうだろう。
「その、昔、涼君に会ってから、ずっと、また会いたかったんだ。……それで、涼君みたいに、強くなりたくて、ええっと、その……、ぼっ、僕は、」
なんとなく歩きながら顔も見ずに話して良いことには思えず、立ち止まりたくなったがいい加減時間がないので立ち止まることができない。流石に申し訳なくなった。だが結局その続きが緑橋の口から出ることはなく、もごもごと吃りながら飲み込まれてしまった。
「……焦らなくても良いですよ。また話す機会はあるでしょう。」
「ッ!そ、そう、だね……。」
それっきり口を閉ざした。否、何やらもごもごと言っているが不明瞭で何も聞き取れない。だが人気のない階段や廊下を抜け人通りの多い廊下に出たので正直ありがたい。予鈴がなるまでもう一分もない。サクッと送り届けて僕も教室へ帰らなければならない。だが不便なことに緑橋の教室と僕らの教室は階が違うのだ。A組からC組までが三階、D組とE組は二階ということになっている。僕や蓮様のクラスはB組の三階、緑橋のクラスはE組の二階だ。そのおかげもあって今まで接触しなかったが正直今はそれが面倒に思える。
何とか予鈴直前にE組の教室にたどり着き、開け放された教室に緑橋を促した。
「さあ、着きましたよ。……流石に自分の席には行けますよね?」
「う、うん!ありがとう!」
さあこれでやっと教室に帰れる、と思ったのに緑橋は何故か僕の左手を離そうとしない。むしろ先ほどよりも力が込められていると言っても過言ではない。それどころか今度はなぜか僕の左手を両手で握ってきた。
「緑橋くん……?」
「う、ええっと……その……、」
意図が分からず名前を呼んでみると、ハッとしたように手を離しそうになりもう一度握りなおした。どうやら無意識に握っており、そして意識的に握りなおしたらしい。訳が分からない。そしてその状態でもじもじし始めた。もじもじするのは勝手だが、僕を巻き込まないでほしい。このクラスにだって知り合いはたくさんいる。たとえ緑橋が地味だからって、いや地味だからこそだろう。僕と教室のドアの前で手を握り合っているというのはかなり異様な光景であるし、何より僕がものすごく居たたまれない。
「その、涼くんっ!!」
「はい。」
「涼くんの―――――――――!」
キーンコーンカーンコーン……
予鈴が学校中に鳴り響く。
残念なことに、決死の覚悟と言わんばかりの様子で僕に言った何かは見事にチャイムにかき消された。肝心の緑橋は呆然としたように口をパクパクさせており、教室で聞き耳を立てていた一部の生徒は、ある者は笑いをかみ殺し、ある者は拍子抜けしたように机に突っ伏していた。何とも間の抜けた顛末だ。
僕自身クツクツと喉で笑っていた。握られていた左手は解放され緑橋は力なくうなだれている。
解放された左手で若草色の髪をポンポンと撫でておく。
「ッ!!」
途端に顔をパッと上げた緑橋にまた笑う。先ほどのかき消された彼の言葉は側にいた僕にはしっかり聞こえていた。
「ありがとう、嬉しいよ。」
もう一度頭を撫でてから僕は自身の教室に向かった。
『涼くんの髪も綺麗ですっ!』
必死に伝えたかったことがそんなことか。他の人間ならさらりと言えることでも、あの子は全力だ。それがどうも可愛らしくて仕方がない。
どうにも僕は彼のようなタイプには弱いらしい。どうしたって適当にあしらったり邪険にすることができない。
黄師原のように傲慢であったり、青柳のように軽ければあしらうのもぞんざいでいいのだが。どうも緑橋は昔の蓮様に似ているようなところがあって捨て置けない。
攻略キャラクターとは関わらない、がモットーであったのに、それはどうしたって無理だと悟った。
後日何やら妙な噂が広まり、しかもその噂に尾ひれ胸鰭が生えて、赤霧涼が、カツアゲされて眼鏡を割られた哀れな生徒を救出し、お姫様抱っこで教室まで送り届けた、というほとんど原型のなくなった噂に頭を痛めることになった。
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