高校生のための世界史教室! ヨーロッパ史

秋澤えで

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7 百年戦争からバラ戦争まで+α

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「間に合わないいいい!」
 「間に合わせろ!次はイギリスとフランスの復習だ!」
 「復習なんてしてる暇ないよー!」
 「しかたねえだろ!それやらねえとバラ戦争まで繋がらなくなる!復習自体は適当にやる!」


 「まずはイギリスのノルマン朝から!ノルマン朝建てたのは?」
 「ウィリアム一世!」

 「正解。そのあとに就いたのがヘンリ二世。このヘンリ二世はフランスよりだった。そしてこのヘンリ二世はプランタジネット朝を建てた。このプランタジネット朝は長いこと続く!」
 「プランタジネットって長い!覚えられない!」

 「死ぬ気で覚えろ。次の国王はリチャード一世。獅子心王!前に一回出てきたぞ!」
 「第三回十字軍のとき!」

 「正解。リチャード一世の次に就いたのが、さっきのヘンリ二世の子供、ジョン王だ。このジョン王はフランスの国王フィリップ二世と戦って負けて、大陸側にあった領地の大部分を失った。だから欠地王とも言われてる。さらにジョン王はカンタベリ大司教の任命権を巡り最も権威が高かった教皇と争い破門された。はいこの教皇は?」
 「インノケンティウス三世!ていうかジョン王やらかしすぎ。」

 「そう、ジョン王は失敗しまくった。そこでイギリスの貴族たちで憲法を作ることにした。1215年に作られたのがイギリス憲法の起源、大憲章またの名を、マグナカルタ。」
 「おおっなんかカッコいい!」

 「だがジョン王の次の王であるヘンリ三世がこの大憲章を無視した。だから貴族である、シモン=ド=モンフォールが貴族を率いて反乱を起こした。1258年、シモン=ド=モンフォールの反乱だ。そして聖職者と貴族の議会に州騎士と市民の代表を参加することを認めさせた。ちなみにこれはイギリス議会の起源な。」
 「貴族が反乱ってのも珍しいよね。」

 「ヘンリ三世は大憲章に否定的だったが、エドワード一世は肯定的で、1295年に模範会議を開催した。聖職者、貴族、州騎士、市民で構成された身分議会だ。議会で言えば、エドワード三世は貴族院の上院と庶民院の下院からなる二院制議会を確立させた。」
 「おお、やるじゃんエドワード三世。」

 「ああ、ここまでは良かったんだ。だが少々欲張りすぎた。この王が百年戦争の火種となる。次はフランスな。」


 「フランスの始まり、メルセン条約直後にできた朝は?」
 「ユーグ・カペーの開いたカペー朝!」

 「正解。最初は王権はものすごく低かった。1189年に第三回十字軍に参加したフィリップ二世は大陸のイギリス領土を奪う。この時のイギリスの王は?」
 「いろいろ失敗した欠地王、ジョン王!」

 「正解。またルイ九世はアルビジョワ派、異端宗派だな、この南フランスを征服した。これをアルビジョワ十字軍という。1209年。アルビジョワ派はカトリックではなく異端カタリ派でマニ教の影響を受けていた。ルイ九世は第六回、第七回十字軍に参加していた他に、モンゴル帝国にルブルックを派遣した。んで第七回十字軍のとき、チュニスで病死。」
 「ルイ九世やられっぱなしじゃなかったんだ。アルビジョワ派を討伐してたんだ、良かったね。」

 「お前の中のルイ九世が分からん。次、フィリップ四世。何したやつだった?」
 「ええっと、アナーニ事件でボニファティウス八世を捕まえて、教皇のバビロン捕囚をした。」
 「ん、あとは三部会っていう身分議会を召集した。覚えとけー。さあ次で大きく動く。」


 「1328年、フランスでヴァロア朝がフィリップ六世によって創始された。そしてフィリップ六世はイギリスの支配下であるギエンヌ地方とフランドル地方に目をつけた。フランドル地方はどんなところだった?」
 「うう、毛織物?」

 「ああ、毛織物で栄えていた。具体的な町を言うとガン、ブリュージュだな。フィリップ六世はこの土地を支配したかった。だが覚えてるか?フランドル地方は毛織物を売る、その材料である羊毛を輸出していたのは、イギリスだ。イギリスからしたらフランスにフランドル地方を取られるのが痛い。ここで出てくるのがエドワード三世。ヴァロア朝が建ったってことはカペー家が断絶したってことだったんだが、エドワード三世の母親はカペー朝出身だったため、エドワード三世は、自身にフランスカペー朝の王位継承権があると主張した!」
 「……無茶じゃない?」


 「ああ無論フランスは納得しない。この二つが百年戦争の火種だ。」
 「ええっと、ヴァロア朝の成立によるエドワード三世の王位継承権とギエンヌ地方とフランドル地方の問題か。」


 「そう、じゃあ百年戦争順に追ってくな。1346年クレシーの戦い。イギリスの長弓隊の活躍により、イギリスの大勝利。1356年ポワティエの戦い。エドワード黒太子率いるイギリス軍がフランス王、ジャン二世を捕らえ勝利。」
 「エドワード黒太子って?なんかカッコいい!」

 「ああ?単に黒い鎧着てたってだけだぞ?当時は黒い鎧は珍しかった。」
 「急に中2チック……。」

 「触れてやるな。今のところイギリスの二戦二勝、優勢だった。そして黒死病、ペストの大流行に加えてジャックリーの乱。フランスは崩壊寸前、イギリスの勝利は確定したも同然。だが1429年、突然妙な兵が現れた。」
 「妙な?」

 「ジャンヌダルクだ。1429年オルレアンの戦い。オルレアンはフランスの最後の拠点。このときのフランス王はシャルル七世。攻めてきたイギリス軍をジャンヌダルク率いるフランス軍が撃退した。」
 「ジャンヌダルクカッコいい!」

 「まあジャンヌダルクはその後イギリスに捕まり異端者として火炙りにされた。だがオルレアンの戦いのお陰でフランス軍は大逆転。イギリスはカレーを除いて大陸から撤退。でもお互い国はボロボロだったが、同じように騎士、領主が没落し農民解放、市民階級の発展があった。フランスでは国王シャルル八世が中央集権化に成功。」

 「やっと百年戦争まで終わったぁぁぁあ!」
 「次だ次!バラ戦争!」



ーバラ戦争ー


「バラ戦争はイギリス国内の王位継承権のゴタゴタだ。サクサク終わるぞ。」
 「お願いします!」

 「原因はイギリス国内の王位継承権。ランカスター家とヨーク家で争っていた。史上ではランカスター家が赤バラ、ヨーク家は白バラに分かれて戦ったってことになってる。」
 「一瞬にして運動会っぽくなった!」

 「イギリス国内の諸侯、騎士たちはそれぞれランカスター家派、ヨーク家派について戦った。が、まあ結局両家ズタボロになった挙げ句、内乱を納めたのはランカスター家でヨーク家の娘と結婚したヘンリ七世だった。ヘンリ七世はテューダー朝を開き、星室庁裁判所を作り、王権に逆らうものを処罰した。イギリスの絶対王政の始まりだ。ほらバラ戦争終了!戦争っつってもただの内乱だ。」

 「終わったあああ!」

 「まだ終わらない。微妙にテスト範囲残ってるぞ!」

 「うわあ本当だ……。」
 「終わらせるぞ。」



ーイベリア半島にてー


「中世のイベリア半島では国土回復運動、レコンキスタが進展していた。レコンキスタの始まりは遡ると八世紀のキリスト教によるイベリア半島の失地回復運動だ。ここは西ゴートを滅ぼした後ウマイヤ朝がいたからだ。多少回復したものの全てとは言えないから14世紀まで続いてる。回復された地はレオン、カスティリャ、アラゴン。1479年、カスティリャ女王とアラゴン王フェルナンド五世が結婚してカスティリャとアラゴンが合併、スペイン王国になった。ちなみに1143年にカスティリャから分離独立したのがポルトガル王国。有名な王は、王権を強くしたジョアン二世だな。はい、今回のテスト範囲終了!」


 「終わった!奇跡だよ!もうワークの答え丸暗記しようと思ってたのに!瑞季くんありがとう!」
 「礼なら百点のテストが見たい。」
 「……善処はします。」
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