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失った記憶
しおりを挟むやがて彼はまるで薬園に居るかのように眠っていた。
(ねぇ、お願いだから)
(起きてよ)
私は涙ながらに彼に囁きかけた。
しかし私の声も虚しく、彼の返事は無くただ時計の針が刻まれる音が響き渡るだけだった。
私は全て諦めて楽になる手段を考え始めようとした。
(どうせ君が居ない世界なら生きていても仕方が無い)
私のネガティブな感情だけが強くなるばかりだった。
数分後私は睡魔に襲われた。
(なんか眠くなってきた)
私はしばらく仮眠を取る事にした。
腕を組み顔を埋めていると (あれッ) (此処は一体何処なんだ) と囁く声が聞こえて来た。
その声で私は目を覚ました。
そして顔を上げると、彼の手が私の頭上にあったのだ。
私は状態を把握出来ず (一体此れは何が如何なっているんだ) と私は脳内でパニック状態に陥った。
すると彼が何か囁き始めたのだ。
私はただただ彼の囁く声に耳を傾けた。
そして彼の言葉を必死に拾おうとした。
(有難う)
私はその言葉の意味をハッキリと理解はしていなかったが、コクッと首を縦に振り頷いた。
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