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第17話 深夜の来訪者
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「よく僕のことが分かったね。アクアット卿」
テーブルに置かれた蝋燭の灯だけがその部屋をかろうじて照らしていた。そのテーブルの傍の椅子に座った男は薄笑いを浮かべながら、向かい側に座るコスイナに視線を向ける。
「お会いしていただけて光栄です。まさかあなたが『六芒星』のお一人とは思いませんでした」
「ふうん、その口ぶりだと誰かに教えてもらったってところかな?誰だい?そのおしゃべり君は」
「わ、私にも分かりません。手紙が届けられまして」
「ふん、まさか身内から裏切られたか?まあいい。それで今日は何の用でわざわざ?」
男は甲高い声で不機嫌そうに尋ねる。そう、この男はアーノルド男爵が参加していた怪しげな会議の六名のうちの一人だった。
「まずは確認させていただきたいのですが」
コスイナの質問に男は相変わらず薄笑いを浮かべながら答える。
「間違いございませんでしょうか?」
「ああ、そうらしいね。僕としては少し困っているところだが」
「それは好都合でございます。それでお願いしたい儀がございまして」
コスイナは澱んだ目でそう口にした。
「はあ、疲れた」
ミクリードの宿に着いたパンナは自分が泊まる部屋のベッドに腰を下ろし、大きく息を吐いた。ハンスが領主のロットン子爵に手配を頼んでいた町一番の宿屋だ。三階のこの部屋はその中でも最上等であり、一人で泊まるには少し広すぎるくらいだ。ミッドレイたちは二人部屋を三つ取り、パンナの左右と下の部屋に泊まっている。
「私なんかにはもったいないわよね。それにこんな広くちゃ逆に落ち着かないわ。お嬢様ならこれでも狭いとか言い出しそうだけど」
部屋に入った時、あまりの豪華さに目を丸くしてしまい、ミッドレイたちに心配されてしまったことを思いだしてパンナはため息を吐く。常にアンセリーナとして振舞わねばならないため神経がすり減って仕方がない。ウィッグとドレスを脱ぎ捨ててベッドに横たわりたいが、ミッドレイたちがやってくるかもしれないと思うとそれも躊躇われた。
「やっぱり引き受けるんじゃなかったわ」
大体ボナーと見合いをして向こうから断らせろというのが無茶な話だ。あちらから話を持ってきたのだからボナーはアンセリーナに扮した自分に好感を持っていると考えるべきで、それを幻滅させるとなれば相当失礼なことをしなければならない。ボナー本人はもちろん、周りの人間の怒りに触れたらそれこそこの身が危うくなるかもしれない。それに「四公」の世継ぎを相手にそんな失礼な態度が取れるほとパンナは命知らずではない。
「かといって縁談が上手くいっても困るし……旦那様の言う通り、申し訳ないですけどお嬢様にサンクリスト家の嫁が務まるとは思えないもの」
どうあがいても八方塞がりのような気がして、気が滅入ってくる。このまま逃げ出すわけにもいかないしな、とパンナは頭を抱えた。
「お嬢様」
ドアがノックされ、結局そのままの格好でベッドに横たわっていたパンナは跳ね起きた。ドレスの裾を直し、ウィッグがずれていないことを確認して「どうぞ」と返答する。
「失礼いたします」
ミッドレイがドアを開け、その後ろに立つ部下の騎士が二名、トレイを持って部屋に入る。トレイには料理を載せた皿が並んでいた。
「お食事をお持ちしました」
そういえばもう夕食の時間か。考え事をしていて気付かなかった。窓に目をやると空が紫色に染まっている。
「ありがとうござ……ありがとう。わざわざ持ってきてくれなくても下に行ってもよかったのに」
思わずメイドの言葉づかいで礼を言いそうになり、パンナは冷や汗を掻く。ここは高級な宿だが、造りは一般的なものと変わらず、一階が食堂兼酒場になっていた。
「いえ、ここは高級な宿ではありますが、食堂には泊り客以外も出入りいたします。下賤な者とお食事を共にされるのは……」
そう言われればそうか。どうしてもメイドとしての感覚が抜けない。本物のアンセリーナなら決してこんなことは言わないだろう。パンナは己の失言に焦り何とか言葉を取り繕う。
「そ、そうね。つい貴族専用の宿と勘違いしてしまったわ」
「泊まり客のほとんどは貴族の家の関係者か大商人ではありますが」
「と、とにかくご苦労様。そこに置いておいて」
何とか誤魔化せたかとほっとし、パンナは胸をなで下ろす。騎士たちがテーブルに皿を並べ、一礼して部屋を出て行く。どれも普段パンナが口にすることなどない豪勢な料理ばかりだった。
「それではこれで失礼いたします」
「う、うん。今日は疲れたから食事が済んだらすぐ休むわ。あなたたちも部屋で休んでいいわよ」
「は。それでは食事が終わりましたらお手数ですが食器をドアの前に置いてください。食堂に戻しておきますので」
「え、ええ。頼むわ」
ミッドレイたちが出て行くと、パンナは大きく伸びをしてまたベッドに倒れこんだ。本当に疲れる。見合いが終わるまで体がもつだろうか。体力より精神力が削られて仕方がない。
「今更泣き言を言ってもしかたないか」
気を取り直すように頬を叩き、テーブルの前の椅子に腰かける。目の前の料理はどれも湯気を立て、とても美味しそうだ。
「これくらいの役得は許されるわよね」
言い訳をするように呟き、パンナは本来なら決して食べられないようなご馳走に舌鼓を打った。
どれくらいの時間が経っただろうか。
ミッドレイに言った通り、食事が終わるとパンナは身だしなみもそこそこにベッドに横になった。流石に就寝中に部屋に入っては来ないだろうと思い、ウィッグは外している。ドレスも脱いで、これもアンセリーナに借りたパジャマを身に着けていた。
「何……?」
眠りに就いてからどれくらいの時間が過ぎたか。パンナは異様な気配を感じて目を覚ました。こんなことは久しぶりだ。もう長いこと伯爵家では平穏な夜を過ごしている。かつての自分は寝ている間でも常に気を張っていて微かな物音にも反応したものだが、今では隣でルームメイトのメイドがいびきを掻いていても気にせず寝ている。それが今、失ったと思っていた危機察知能力が目を覚ましていた。
「誰かいる……」
正面ドアの先、外の廊下にただならぬ気配を感じる。パンナは素早く飛び起きて念のためウィッグを被り直し、じっとドアの方を見つめた。
キィッ……
と、いきなりドアが開かれた。パンナは緊張で息を呑む。施錠はしていたはずだ。それに鍵を細工したような音も聞こえなかった。
「誰!?」
思わず叫ぶ。と、開かれたドアの向こうに人影が立っていた。
「あら、起きてたの?……何だ、まだ子供じゃない。良い子はお休みしている時間よ、お嬢ちゃん」
相手から視線を外さぬまま、パンナはベッドサイドのランプに灯を点ける。蝋燭の灯に照らし出されたのは赤いノースリーブのワンピースを纏った若い女だった。ウエーブのかかった長い黒髪に雪のように白い肌。夜の街角に立っていそうな雰囲気の美女だ。
「何者です!?ここは私の部屋よ。お客を招待した覚えはないんだけど」
子ども扱いされてパンナはむっとしながら問いただす。これでも自分はもう18だ、と思いながら。
「ふふ、結構肝が据わってるじゃないの嬢ちゃん。見たところいいとこのご令嬢みたいだけど……変ねえ。貴族に異能者はいないはずだけど。ゲルマ、あんたの鼻、衰えたんじゃないの?」
異能者ですって!?パンナは心の中で叫ぶ。まさかこいつは……
「おいおい、冗談はやめてくれよカサンドラ。俺の鼻に間違いはねえよ」
驚くパンナの目にもう一人の侵入者の姿が映る。カサンドラと呼ばれた女の後ろから部屋に入ってきたその者の姿を見て、パンナはさらに息を呑んだ。
「獣人族!?」
その男は上半身裸だった。その胸以外には硬そうな体毛がびっしりと這えている。身長は2m近くあるだろう。そしてその顔は
「犬……いえ狼?」
そう、その男は狼の顔を持っていた。獣人族の一種、月狂狼である。
「よく知ってるな嬢ちゃん。貴族のご令嬢は亜人種なんぞ名前も聞いたことが無いと思ってたぜ」
ゲルマと呼ばれた月狂狼が耳まで裂けた口を歪める。どうやら笑っているらしい。
「それで確かなのかいゲルマ?本当にこいつが……」
「ああ、間違いねえよ。この嬢ちゃんからは確かに異能の臭いがする」
ゲルマの言葉にパンナは青ざめる。この男は異能者を臭いで判別できるらしい。貴族には異能者はいない、というのがこの世界では常識とされている。このままでは自分が身代りだと分かってしまう。
「まあ連れて行けばわかるってもんさね」
ぞっとするような笑みを浮かべてカサンドラが近づく。パンナはとっさにベッドの後ろに飛び、サイドテーブルに置かれたベルを手に取ってそれをチリンチリンと鳴らす。
「何の真似だい?お嬢ちゃ……」
カサンドラが訝し気な顔をしたのと同時に廊下からドアを開け放つ音が聞こえ、足音が響く。カサンドラとゲルマが振り向くと、ミッドレイたち四人の騎士がパンナの部屋の前に剣を構えて立っていた。寝ている間も警戒を解いていなかったと見えて皮鎧を身に着けている。
「お嬢様!いかがいたしました!?……貴様ら!ここで何をしている!?」
ミッドレイが部屋に踏み入り、カサンドラたちを睨みつける。
「おやおや。まあ仮にもご令嬢だ。そりゃ護衛の一つも付いているわね」
「賊です!ミッドレイ、捕縛なさい!」
「はっ!」
パンナの言葉に騎士四人が全員部屋に入って剣をカサンドラたちに向ける。
「盗賊か?おとなしく投降しろ!」
「ふうん、見たところ騎士団か。ということはやはりこのお嬢ちゃんは貴族の令嬢ってことになるね」
「気を付けてください!獣人族もいます」
「はっ。おい、あれは月狂狼だ。油断せず三人でかかれ!」
「ふっ、俺たちのことを知っているか。只の田舎騎士ではなさそうだな」
ミッドレイの部下三名がゲルマを取り囲むようにじりじりと剣を構えたまま近づく。一方ミッドレイは剣先をカサンドラに向け、手を挙げるよう命令した。
「そんな怖い顔で睨みなさんな。少々薹が立っているがなかなかハンサムじゃないか。色男が台無しだよ」
「ふざけるな!おとなしく縛に付け!」
「縛に付け、か。ふふ、縛られるのはどっちだろうねえ」
カサンドラが不気味な笑みを浮かべた瞬間、パンナは気配を感じて反射的に天井を見上げる。そこに黒い影を認めると同時にパンナはぞっとした感覚が走り、叫び声を上げる。
「みんな!避けて!」
しかし時すでに遅く、天井から太い線のようなものがいくつも放たれ、それがミッドレイたち四人の体をあっという間に拘束してしまう。よく見るとそれは何本もの白い糸が集まったものだった。パンナはランプをかざして天井を見つめ、あっ、と声を上げる。
「そんな……『妖蟲族』まで」
天井に張り付くようにして糸を出していたのは一匹の蜘蛛だった。しかしその大きさは人間の体ほどもある。そしてさらに奇怪なことにその顔は蜘蛛というより人間の目鼻立ちに近かった。
「へえ。妖蟲族まで知ってるのかい。やっぱりただのご令嬢じゃなさそうだねえ。その通り、こいつは妖蟲族の一種、忍蜘蛛さ。中々使い勝手がいいんだよ」
パンナは冷や汗が流れるのを感じながらカサンドラを睨む。妖蟲族は亜人種の一種で、基本的には蟲の生態を持っているが、人間に似た容姿とある程度の知能を有する。人間を捕食する者も多く、獣人族が差別の対象なのに対して、妖蟲族は完全に駆除対象とされている。尤も人間の生活領域にはあまり生存していないため、一般人が遭遇する可能性は低かった。
「みんなを解放なさい!」
「それはお嬢ちゃん次第さね。おとなしくあたしらに付いてくれば、こいつらは殺さずにおいてやってもいい」
「ふざけるな!誰が貴様らなどにお嬢様を……」
ミッドレイがそう叫んだ時、廊下を慌ただしく走ってくる足音が聞こえた。見ると、下の部屋に泊まっていた騎士二人がこちらに向かってきている。ようやく異変に気付いたようだ。
「団長!どうされました!?」
「部屋に入るな!賊だ!獣人族と妖蟲族がいる!お嬢様をお守りするんだ」
「妖蟲族ですって!?」
「不意を突かれて拘束された。こいつらが部屋を出たところを取り押さえろ!」
「ふふ、舐めてもらっちゃ困るよ。六人がかりならまだしも二対二であたしらに敵うとでも思ってるのかい?」
パンナは焦りながらカサンドラたちを観察した。この女がどれくらいの力を持っているか分からないが、少なくとも月狂狼の力は脅威だろう。カサンドラの言葉がはったりではないことをパンナは確信した。
「黙れ!我らは誇りある騎士だ。少なくともお嬢様を逃がす時間くらいは稼いでみせる!」
廊下の騎士が緊張しながらもじりじりと部屋に近づく。それをあざ笑うようにゲルマが鋭い爪を持った手をポキポキと鳴らした。
「いけません!無暗に戦っては!」
「ふふ、お嬢ちゃんの方が賢いようだねえ。ちなみに忍蜘蛛は人間が大好物でねえ。お嬢ちゃん、逃げようとしたら大事な騎士様が蜘蛛の餌になるよ?」
カサンドラの邪悪な笑みに一同の背筋が凍り付く。
『どうしよう……こうなったら正体がバレるのを覚悟で私も戦うしか……』
パンナがそう考えた時、いきなりゲルマがびくっと体を震わせ窓の方を見る。それに気付いたカサンドラも窓に視線を向けたその時、
ガシャアアン!!
大きな音を立てて窓ガラスが砕け散り、黒い影が部屋の中に飛び込んできた。何が起きたか理解するより早く、その影が素早く動き、ミッドレイたちを拘束していた蜘蛛の糸を一斉に断ち切る。
「何だと!?」
ゲルマが叫ぶのとその喉元に光る剣先が襲い掛かるのが同時だった。驚異的な反射速度でそれを躱したゲルマが後ずさりながら低い唸り声を上げる。
「何者だ!?貴様!」
飛び込んできた黒い影は何も答えず、ゆっくりと体を起こす。その時になってやっとそれが黒、というより濃紺の服を身に纏った人間であると分かる。無造作に伸ばした茶色い髪の下の顔の下半分は布で覆われ、目元しか見えないが、背丈からしてまだ少年といっていい年頃の男らしい。
「いきなりふざけた真似を!おい!」
解放されたミッドレイたちを含む全員が突然の事態に呆然とする中、ゲルマが叫びを上げ忍蜘蛛が再び糸を少年に向かって放つ。しかし少年はそれをいともたやすく躱すと、手にしていた短剣を天井に向かって投げつける。
「ギィッ!」
短剣は狙い過たず胴体に突き刺さり、人面蜘蛛は天井から落ちて体をピクピクと痙攣させた。
「殺してやる!」
ゲルマが激高して少年に襲い掛かろうとした時、再び体をビクッと震わせ、動きを止めた。そして廊下の方を振り向き、目を見開く。
「何だ……何だこの臭いは……馬鹿な!こんな臭いに今まで気づかなかっただと!?」
廊下の方を凝視するゲルマの視線を追って、一同もそちらに目をやる。と、薄暗い廊下から一人の女性が姿を現した。透明といってもいいような透き通る銀髪にカサンドラに勝るほどの白い肌。白いロングドレスに身を包み、目を閉じたまま穏やかな笑みを浮かべるその姿は慈愛に満ちた聖母のような雰囲気を湛えている。
「お邪魔いたします。二つの意味で、ですけれど」
白づくめの美女は場違いにおっとりした口調でそう言うと、静かに頭を下げた。
テーブルに置かれた蝋燭の灯だけがその部屋をかろうじて照らしていた。そのテーブルの傍の椅子に座った男は薄笑いを浮かべながら、向かい側に座るコスイナに視線を向ける。
「お会いしていただけて光栄です。まさかあなたが『六芒星』のお一人とは思いませんでした」
「ふうん、その口ぶりだと誰かに教えてもらったってところかな?誰だい?そのおしゃべり君は」
「わ、私にも分かりません。手紙が届けられまして」
「ふん、まさか身内から裏切られたか?まあいい。それで今日は何の用でわざわざ?」
男は甲高い声で不機嫌そうに尋ねる。そう、この男はアーノルド男爵が参加していた怪しげな会議の六名のうちの一人だった。
「まずは確認させていただきたいのですが」
コスイナの質問に男は相変わらず薄笑いを浮かべながら答える。
「間違いございませんでしょうか?」
「ああ、そうらしいね。僕としては少し困っているところだが」
「それは好都合でございます。それでお願いしたい儀がございまして」
コスイナは澱んだ目でそう口にした。
「はあ、疲れた」
ミクリードの宿に着いたパンナは自分が泊まる部屋のベッドに腰を下ろし、大きく息を吐いた。ハンスが領主のロットン子爵に手配を頼んでいた町一番の宿屋だ。三階のこの部屋はその中でも最上等であり、一人で泊まるには少し広すぎるくらいだ。ミッドレイたちは二人部屋を三つ取り、パンナの左右と下の部屋に泊まっている。
「私なんかにはもったいないわよね。それにこんな広くちゃ逆に落ち着かないわ。お嬢様ならこれでも狭いとか言い出しそうだけど」
部屋に入った時、あまりの豪華さに目を丸くしてしまい、ミッドレイたちに心配されてしまったことを思いだしてパンナはため息を吐く。常にアンセリーナとして振舞わねばならないため神経がすり減って仕方がない。ウィッグとドレスを脱ぎ捨ててベッドに横たわりたいが、ミッドレイたちがやってくるかもしれないと思うとそれも躊躇われた。
「やっぱり引き受けるんじゃなかったわ」
大体ボナーと見合いをして向こうから断らせろというのが無茶な話だ。あちらから話を持ってきたのだからボナーはアンセリーナに扮した自分に好感を持っていると考えるべきで、それを幻滅させるとなれば相当失礼なことをしなければならない。ボナー本人はもちろん、周りの人間の怒りに触れたらそれこそこの身が危うくなるかもしれない。それに「四公」の世継ぎを相手にそんな失礼な態度が取れるほとパンナは命知らずではない。
「かといって縁談が上手くいっても困るし……旦那様の言う通り、申し訳ないですけどお嬢様にサンクリスト家の嫁が務まるとは思えないもの」
どうあがいても八方塞がりのような気がして、気が滅入ってくる。このまま逃げ出すわけにもいかないしな、とパンナは頭を抱えた。
「お嬢様」
ドアがノックされ、結局そのままの格好でベッドに横たわっていたパンナは跳ね起きた。ドレスの裾を直し、ウィッグがずれていないことを確認して「どうぞ」と返答する。
「失礼いたします」
ミッドレイがドアを開け、その後ろに立つ部下の騎士が二名、トレイを持って部屋に入る。トレイには料理を載せた皿が並んでいた。
「お食事をお持ちしました」
そういえばもう夕食の時間か。考え事をしていて気付かなかった。窓に目をやると空が紫色に染まっている。
「ありがとうござ……ありがとう。わざわざ持ってきてくれなくても下に行ってもよかったのに」
思わずメイドの言葉づかいで礼を言いそうになり、パンナは冷や汗を掻く。ここは高級な宿だが、造りは一般的なものと変わらず、一階が食堂兼酒場になっていた。
「いえ、ここは高級な宿ではありますが、食堂には泊り客以外も出入りいたします。下賤な者とお食事を共にされるのは……」
そう言われればそうか。どうしてもメイドとしての感覚が抜けない。本物のアンセリーナなら決してこんなことは言わないだろう。パンナは己の失言に焦り何とか言葉を取り繕う。
「そ、そうね。つい貴族専用の宿と勘違いしてしまったわ」
「泊まり客のほとんどは貴族の家の関係者か大商人ではありますが」
「と、とにかくご苦労様。そこに置いておいて」
何とか誤魔化せたかとほっとし、パンナは胸をなで下ろす。騎士たちがテーブルに皿を並べ、一礼して部屋を出て行く。どれも普段パンナが口にすることなどない豪勢な料理ばかりだった。
「それではこれで失礼いたします」
「う、うん。今日は疲れたから食事が済んだらすぐ休むわ。あなたたちも部屋で休んでいいわよ」
「は。それでは食事が終わりましたらお手数ですが食器をドアの前に置いてください。食堂に戻しておきますので」
「え、ええ。頼むわ」
ミッドレイたちが出て行くと、パンナは大きく伸びをしてまたベッドに倒れこんだ。本当に疲れる。見合いが終わるまで体がもつだろうか。体力より精神力が削られて仕方がない。
「今更泣き言を言ってもしかたないか」
気を取り直すように頬を叩き、テーブルの前の椅子に腰かける。目の前の料理はどれも湯気を立て、とても美味しそうだ。
「これくらいの役得は許されるわよね」
言い訳をするように呟き、パンナは本来なら決して食べられないようなご馳走に舌鼓を打った。
どれくらいの時間が経っただろうか。
ミッドレイに言った通り、食事が終わるとパンナは身だしなみもそこそこにベッドに横になった。流石に就寝中に部屋に入っては来ないだろうと思い、ウィッグは外している。ドレスも脱いで、これもアンセリーナに借りたパジャマを身に着けていた。
「何……?」
眠りに就いてからどれくらいの時間が過ぎたか。パンナは異様な気配を感じて目を覚ました。こんなことは久しぶりだ。もう長いこと伯爵家では平穏な夜を過ごしている。かつての自分は寝ている間でも常に気を張っていて微かな物音にも反応したものだが、今では隣でルームメイトのメイドがいびきを掻いていても気にせず寝ている。それが今、失ったと思っていた危機察知能力が目を覚ましていた。
「誰かいる……」
正面ドアの先、外の廊下にただならぬ気配を感じる。パンナは素早く飛び起きて念のためウィッグを被り直し、じっとドアの方を見つめた。
キィッ……
と、いきなりドアが開かれた。パンナは緊張で息を呑む。施錠はしていたはずだ。それに鍵を細工したような音も聞こえなかった。
「誰!?」
思わず叫ぶ。と、開かれたドアの向こうに人影が立っていた。
「あら、起きてたの?……何だ、まだ子供じゃない。良い子はお休みしている時間よ、お嬢ちゃん」
相手から視線を外さぬまま、パンナはベッドサイドのランプに灯を点ける。蝋燭の灯に照らし出されたのは赤いノースリーブのワンピースを纏った若い女だった。ウエーブのかかった長い黒髪に雪のように白い肌。夜の街角に立っていそうな雰囲気の美女だ。
「何者です!?ここは私の部屋よ。お客を招待した覚えはないんだけど」
子ども扱いされてパンナはむっとしながら問いただす。これでも自分はもう18だ、と思いながら。
「ふふ、結構肝が据わってるじゃないの嬢ちゃん。見たところいいとこのご令嬢みたいだけど……変ねえ。貴族に異能者はいないはずだけど。ゲルマ、あんたの鼻、衰えたんじゃないの?」
異能者ですって!?パンナは心の中で叫ぶ。まさかこいつは……
「おいおい、冗談はやめてくれよカサンドラ。俺の鼻に間違いはねえよ」
驚くパンナの目にもう一人の侵入者の姿が映る。カサンドラと呼ばれた女の後ろから部屋に入ってきたその者の姿を見て、パンナはさらに息を呑んだ。
「獣人族!?」
その男は上半身裸だった。その胸以外には硬そうな体毛がびっしりと這えている。身長は2m近くあるだろう。そしてその顔は
「犬……いえ狼?」
そう、その男は狼の顔を持っていた。獣人族の一種、月狂狼である。
「よく知ってるな嬢ちゃん。貴族のご令嬢は亜人種なんぞ名前も聞いたことが無いと思ってたぜ」
ゲルマと呼ばれた月狂狼が耳まで裂けた口を歪める。どうやら笑っているらしい。
「それで確かなのかいゲルマ?本当にこいつが……」
「ああ、間違いねえよ。この嬢ちゃんからは確かに異能の臭いがする」
ゲルマの言葉にパンナは青ざめる。この男は異能者を臭いで判別できるらしい。貴族には異能者はいない、というのがこの世界では常識とされている。このままでは自分が身代りだと分かってしまう。
「まあ連れて行けばわかるってもんさね」
ぞっとするような笑みを浮かべてカサンドラが近づく。パンナはとっさにベッドの後ろに飛び、サイドテーブルに置かれたベルを手に取ってそれをチリンチリンと鳴らす。
「何の真似だい?お嬢ちゃ……」
カサンドラが訝し気な顔をしたのと同時に廊下からドアを開け放つ音が聞こえ、足音が響く。カサンドラとゲルマが振り向くと、ミッドレイたち四人の騎士がパンナの部屋の前に剣を構えて立っていた。寝ている間も警戒を解いていなかったと見えて皮鎧を身に着けている。
「お嬢様!いかがいたしました!?……貴様ら!ここで何をしている!?」
ミッドレイが部屋に踏み入り、カサンドラたちを睨みつける。
「おやおや。まあ仮にもご令嬢だ。そりゃ護衛の一つも付いているわね」
「賊です!ミッドレイ、捕縛なさい!」
「はっ!」
パンナの言葉に騎士四人が全員部屋に入って剣をカサンドラたちに向ける。
「盗賊か?おとなしく投降しろ!」
「ふうん、見たところ騎士団か。ということはやはりこのお嬢ちゃんは貴族の令嬢ってことになるね」
「気を付けてください!獣人族もいます」
「はっ。おい、あれは月狂狼だ。油断せず三人でかかれ!」
「ふっ、俺たちのことを知っているか。只の田舎騎士ではなさそうだな」
ミッドレイの部下三名がゲルマを取り囲むようにじりじりと剣を構えたまま近づく。一方ミッドレイは剣先をカサンドラに向け、手を挙げるよう命令した。
「そんな怖い顔で睨みなさんな。少々薹が立っているがなかなかハンサムじゃないか。色男が台無しだよ」
「ふざけるな!おとなしく縛に付け!」
「縛に付け、か。ふふ、縛られるのはどっちだろうねえ」
カサンドラが不気味な笑みを浮かべた瞬間、パンナは気配を感じて反射的に天井を見上げる。そこに黒い影を認めると同時にパンナはぞっとした感覚が走り、叫び声を上げる。
「みんな!避けて!」
しかし時すでに遅く、天井から太い線のようなものがいくつも放たれ、それがミッドレイたち四人の体をあっという間に拘束してしまう。よく見るとそれは何本もの白い糸が集まったものだった。パンナはランプをかざして天井を見つめ、あっ、と声を上げる。
「そんな……『妖蟲族』まで」
天井に張り付くようにして糸を出していたのは一匹の蜘蛛だった。しかしその大きさは人間の体ほどもある。そしてさらに奇怪なことにその顔は蜘蛛というより人間の目鼻立ちに近かった。
「へえ。妖蟲族まで知ってるのかい。やっぱりただのご令嬢じゃなさそうだねえ。その通り、こいつは妖蟲族の一種、忍蜘蛛さ。中々使い勝手がいいんだよ」
パンナは冷や汗が流れるのを感じながらカサンドラを睨む。妖蟲族は亜人種の一種で、基本的には蟲の生態を持っているが、人間に似た容姿とある程度の知能を有する。人間を捕食する者も多く、獣人族が差別の対象なのに対して、妖蟲族は完全に駆除対象とされている。尤も人間の生活領域にはあまり生存していないため、一般人が遭遇する可能性は低かった。
「みんなを解放なさい!」
「それはお嬢ちゃん次第さね。おとなしくあたしらに付いてくれば、こいつらは殺さずにおいてやってもいい」
「ふざけるな!誰が貴様らなどにお嬢様を……」
ミッドレイがそう叫んだ時、廊下を慌ただしく走ってくる足音が聞こえた。見ると、下の部屋に泊まっていた騎士二人がこちらに向かってきている。ようやく異変に気付いたようだ。
「団長!どうされました!?」
「部屋に入るな!賊だ!獣人族と妖蟲族がいる!お嬢様をお守りするんだ」
「妖蟲族ですって!?」
「不意を突かれて拘束された。こいつらが部屋を出たところを取り押さえろ!」
「ふふ、舐めてもらっちゃ困るよ。六人がかりならまだしも二対二であたしらに敵うとでも思ってるのかい?」
パンナは焦りながらカサンドラたちを観察した。この女がどれくらいの力を持っているか分からないが、少なくとも月狂狼の力は脅威だろう。カサンドラの言葉がはったりではないことをパンナは確信した。
「黙れ!我らは誇りある騎士だ。少なくともお嬢様を逃がす時間くらいは稼いでみせる!」
廊下の騎士が緊張しながらもじりじりと部屋に近づく。それをあざ笑うようにゲルマが鋭い爪を持った手をポキポキと鳴らした。
「いけません!無暗に戦っては!」
「ふふ、お嬢ちゃんの方が賢いようだねえ。ちなみに忍蜘蛛は人間が大好物でねえ。お嬢ちゃん、逃げようとしたら大事な騎士様が蜘蛛の餌になるよ?」
カサンドラの邪悪な笑みに一同の背筋が凍り付く。
『どうしよう……こうなったら正体がバレるのを覚悟で私も戦うしか……』
パンナがそう考えた時、いきなりゲルマがびくっと体を震わせ窓の方を見る。それに気付いたカサンドラも窓に視線を向けたその時、
ガシャアアン!!
大きな音を立てて窓ガラスが砕け散り、黒い影が部屋の中に飛び込んできた。何が起きたか理解するより早く、その影が素早く動き、ミッドレイたちを拘束していた蜘蛛の糸を一斉に断ち切る。
「何だと!?」
ゲルマが叫ぶのとその喉元に光る剣先が襲い掛かるのが同時だった。驚異的な反射速度でそれを躱したゲルマが後ずさりながら低い唸り声を上げる。
「何者だ!?貴様!」
飛び込んできた黒い影は何も答えず、ゆっくりと体を起こす。その時になってやっとそれが黒、というより濃紺の服を身に纏った人間であると分かる。無造作に伸ばした茶色い髪の下の顔の下半分は布で覆われ、目元しか見えないが、背丈からしてまだ少年といっていい年頃の男らしい。
「いきなりふざけた真似を!おい!」
解放されたミッドレイたちを含む全員が突然の事態に呆然とする中、ゲルマが叫びを上げ忍蜘蛛が再び糸を少年に向かって放つ。しかし少年はそれをいともたやすく躱すと、手にしていた短剣を天井に向かって投げつける。
「ギィッ!」
短剣は狙い過たず胴体に突き刺さり、人面蜘蛛は天井から落ちて体をピクピクと痙攣させた。
「殺してやる!」
ゲルマが激高して少年に襲い掛かろうとした時、再び体をビクッと震わせ、動きを止めた。そして廊下の方を振り向き、目を見開く。
「何だ……何だこの臭いは……馬鹿な!こんな臭いに今まで気づかなかっただと!?」
廊下の方を凝視するゲルマの視線を追って、一同もそちらに目をやる。と、薄暗い廊下から一人の女性が姿を現した。透明といってもいいような透き通る銀髪にカサンドラに勝るほどの白い肌。白いロングドレスに身を包み、目を閉じたまま穏やかな笑みを浮かべるその姿は慈愛に満ちた聖母のような雰囲気を湛えている。
「お邪魔いたします。二つの意味で、ですけれど」
白づくめの美女は場違いにおっとりした口調でそう言うと、静かに頭を下げた。
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