79 / 118
079 盗賊さん、考察する。
しおりを挟む
決着がついたようなので、ボクはアッシュに歩み寄り、ウエストポーチから自作の特殊ポーションを取り出して手渡した。その際に小声でアッシュに気になっていたことを一方的に告げる。
「アッシュ。後でヒカリさんと手合わせしてわかったことを教えてくれないかな」
それだけ言ったボクは、アッシュの言葉を待たずにヒカリさんの元に足を進めた。
「彼はヒカリさんのお眼鏡にかないましたか」
「えぇ、今回お願いする調査任務を任せられるだけの実力は、充分に有していると思いますね」
「では、この3人で調査に向かうということでよろしいのでしょうか」
そう訊ねるとヒカリさんは、しばし考え込むように視線を右下に向けて黙り込んでから、ボクに視線を戻して軽く首を横にふった。
「いえ、もうひとり用意するつもりです。まだ出発までは日数がありますしね。それまでに適任者が見つからなければ、そのときはあなた方にお任せします」
「わかりました。では、そのように。あとは彼らの冒険者証の発行をお願いしたいのですが」
ヒカリさんは、すっかり忘れていたといった表情を見せた。
「そうでしたわね。これは冒険者登録試験って建前で行う予定だったんですよね。あのふたりには、すっかり説明もなにもかも忘れちゃってましたが」
「その辺りは大丈夫です。ここに来るまでにボクの方からそれとなく伝えておきましたから」
「そう、なのね。助かったわ」
自身のうっかりに慌てていたヒカリさんだったけれど、ボクの言葉を聞いて胸をなでおろしていた。
「彼らの冒険者証の発行って、どのくらい時間かかりますか。それなりに時間がかかるようでしたら昼食を摂ってから改めてお伺いしますが」
「冒険者証への記載内容は既に把握してるからすぐに用意出来るわ。上の食事スペースで待っててもらえるかしら。今日の昼食は報酬の一部として、お詫びも兼ねて私が奢りますから」
「そういうことでしたら遠慮なくいただかせていただきます」
厚意を受ける旨を告げると、ヒカリさんは上着のポケットから手帳サイズの冊子を取り出し、ぴりぴりと3枚の色付き紙片を切り取ってボクに差し出してきた。
手触りのよい厚めの赤い紙片を受け取り、紙面に目を落とすと『日替わり』と緑色のインクで判が押されていた。
この紙をどうか使えばいいのかわからず、説明が記載されていないかと裏面を確認してみる。だが裏面には特になにも記載されていなかった。そんなボクの様子から、使用法がわからないと察したらしいヒカリさんは、説明を加えてくれた。
「その食券を給仕の子に渡せば、食事を運んできてくれるんですよ」
「そう使うんですね、ありがとうございます」
「じゃあ、私は手続きを済ませてきますので、ゆっくり食事を摂っていてください」
それだけ言うとヒカリさんは、使用した双剣を片付けて一足先に練武場を後にした。
ヒカリさんを見送ったボクは、ふたりに目を移した。するとアッシュはボクの渡したポーションで回復していたようだけれど、その場に立って破損したロングソードを調べていた。
そしてサク姉はというとなにか気になることがあったのか、ヒカリさんが片付けた双剣を手に取ってなにやら調べていた。
そんな様子から、どうもふたりはボクと同様にヒカリさんとアッシュの手合わせで感じた違和感を探ろうとしているようだった。
「アッシュ、なにかわかった?」
「いや、なにもわからないな。なにをどうしたらこんなことになるんだ。私のスキルは無効化されたわけでもないというのに、相手は全くの無傷だなんてな。サクラ、そっちの破損状況はどうだ」
水を向けられたサク姉は、手にしていた2本の片刃の直剣のうち1本を大きく放り投げた。
「自分の目で確かめてみなよ」
ゆるやかな放物線を描いて飛んで来た直剣を、アッシュはこともなげに掴み取り、その剣身に視線を走らせた。ボクも一緒になって直剣を眺めてみたけれど、使い古されて多少の傷は目立つが、真新しい傷や破損は見当たらなかった。
「武器に魔力をまとわせていたのは間違いないが、どんなスキルが使われていたのかまるで検討が付かない。『アースグレイヴ』を切り裂いた方法も理解不能だしな」
一瞬にして切り裂かれた前後左右から同時に襲い来る複数の土の槍は、超高速の剣技でどうにかしたわけでないのだけは間違いなかった。
「剣技系のスキルではなさそうだよね」
「そうだな。『剣豪』や『剣聖』などといった天職なのかもしれないと思って『インセクトアイ』で視覚情報の密度を上げて技を見極めようと、視認することだけに努めたが、剣が振るわれたのは一度だけだったよ」
「もしかしたらヒカリさんって、戦闘職ですらないのかもね」
ヒカリさんのこれまでの言動から、なんとなくそう感じた。
「あれだけの腕で?」
「たぶんね。なんて言ったらいいのかな。アッシュが天職を『聖騎士』だって明かしたときの反応から、ヒカリさんが天職に関してなんらかの劣等感のようなものを抱いてるような印象を受けてさ。それに剣を扱う天職なら、ボクらが誰ひとりとして使用されたスキルが判別出来ないってのは変な気がするんだよね」
「その可能性。なくは、ないのか」
不可思議な事実を前に理解が及ばないながらも、アッシュはボクの意見にそれなりの理解を示した。
「アッシュは『聖騎士』だし、剣技系のスキルは未修得だったとしても、ひと通り判別出来るんじゃないの」
「どうだろうな。あれが剣技系のスキルだったとしても、特定の天職専用スキルだった場合はわからないだろうね。だが、彼女の剣技はあまりにも無駄が多かったから、ヒイロが言うように本来は剣を扱う天職ではないというのは正解かもしれないな」
アッシュの指摘にボクは、ヒカリさんが行動に移る前に必ず双剣を擦り合わせていた様子が脳裏に浮かんだ。あれがスキル発動に必要な動作だったのは疑いようがない。
「気にはなるが、今の私らにはこれ以上の答えは出せそうもないな」
「だね。お腹も空いてきたし、上に行って食事にしようか」
ボクの提案を受けたふたりは、それに同意した。長いこと話し込んでいたボクらは、ヒカリさんから随分と遅れて練武場を後にした。
「アッシュ。後でヒカリさんと手合わせしてわかったことを教えてくれないかな」
それだけ言ったボクは、アッシュの言葉を待たずにヒカリさんの元に足を進めた。
「彼はヒカリさんのお眼鏡にかないましたか」
「えぇ、今回お願いする調査任務を任せられるだけの実力は、充分に有していると思いますね」
「では、この3人で調査に向かうということでよろしいのでしょうか」
そう訊ねるとヒカリさんは、しばし考え込むように視線を右下に向けて黙り込んでから、ボクに視線を戻して軽く首を横にふった。
「いえ、もうひとり用意するつもりです。まだ出発までは日数がありますしね。それまでに適任者が見つからなければ、そのときはあなた方にお任せします」
「わかりました。では、そのように。あとは彼らの冒険者証の発行をお願いしたいのですが」
ヒカリさんは、すっかり忘れていたといった表情を見せた。
「そうでしたわね。これは冒険者登録試験って建前で行う予定だったんですよね。あのふたりには、すっかり説明もなにもかも忘れちゃってましたが」
「その辺りは大丈夫です。ここに来るまでにボクの方からそれとなく伝えておきましたから」
「そう、なのね。助かったわ」
自身のうっかりに慌てていたヒカリさんだったけれど、ボクの言葉を聞いて胸をなでおろしていた。
「彼らの冒険者証の発行って、どのくらい時間かかりますか。それなりに時間がかかるようでしたら昼食を摂ってから改めてお伺いしますが」
「冒険者証への記載内容は既に把握してるからすぐに用意出来るわ。上の食事スペースで待っててもらえるかしら。今日の昼食は報酬の一部として、お詫びも兼ねて私が奢りますから」
「そういうことでしたら遠慮なくいただかせていただきます」
厚意を受ける旨を告げると、ヒカリさんは上着のポケットから手帳サイズの冊子を取り出し、ぴりぴりと3枚の色付き紙片を切り取ってボクに差し出してきた。
手触りのよい厚めの赤い紙片を受け取り、紙面に目を落とすと『日替わり』と緑色のインクで判が押されていた。
この紙をどうか使えばいいのかわからず、説明が記載されていないかと裏面を確認してみる。だが裏面には特になにも記載されていなかった。そんなボクの様子から、使用法がわからないと察したらしいヒカリさんは、説明を加えてくれた。
「その食券を給仕の子に渡せば、食事を運んできてくれるんですよ」
「そう使うんですね、ありがとうございます」
「じゃあ、私は手続きを済ませてきますので、ゆっくり食事を摂っていてください」
それだけ言うとヒカリさんは、使用した双剣を片付けて一足先に練武場を後にした。
ヒカリさんを見送ったボクは、ふたりに目を移した。するとアッシュはボクの渡したポーションで回復していたようだけれど、その場に立って破損したロングソードを調べていた。
そしてサク姉はというとなにか気になることがあったのか、ヒカリさんが片付けた双剣を手に取ってなにやら調べていた。
そんな様子から、どうもふたりはボクと同様にヒカリさんとアッシュの手合わせで感じた違和感を探ろうとしているようだった。
「アッシュ、なにかわかった?」
「いや、なにもわからないな。なにをどうしたらこんなことになるんだ。私のスキルは無効化されたわけでもないというのに、相手は全くの無傷だなんてな。サクラ、そっちの破損状況はどうだ」
水を向けられたサク姉は、手にしていた2本の片刃の直剣のうち1本を大きく放り投げた。
「自分の目で確かめてみなよ」
ゆるやかな放物線を描いて飛んで来た直剣を、アッシュはこともなげに掴み取り、その剣身に視線を走らせた。ボクも一緒になって直剣を眺めてみたけれど、使い古されて多少の傷は目立つが、真新しい傷や破損は見当たらなかった。
「武器に魔力をまとわせていたのは間違いないが、どんなスキルが使われていたのかまるで検討が付かない。『アースグレイヴ』を切り裂いた方法も理解不能だしな」
一瞬にして切り裂かれた前後左右から同時に襲い来る複数の土の槍は、超高速の剣技でどうにかしたわけでないのだけは間違いなかった。
「剣技系のスキルではなさそうだよね」
「そうだな。『剣豪』や『剣聖』などといった天職なのかもしれないと思って『インセクトアイ』で視覚情報の密度を上げて技を見極めようと、視認することだけに努めたが、剣が振るわれたのは一度だけだったよ」
「もしかしたらヒカリさんって、戦闘職ですらないのかもね」
ヒカリさんのこれまでの言動から、なんとなくそう感じた。
「あれだけの腕で?」
「たぶんね。なんて言ったらいいのかな。アッシュが天職を『聖騎士』だって明かしたときの反応から、ヒカリさんが天職に関してなんらかの劣等感のようなものを抱いてるような印象を受けてさ。それに剣を扱う天職なら、ボクらが誰ひとりとして使用されたスキルが判別出来ないってのは変な気がするんだよね」
「その可能性。なくは、ないのか」
不可思議な事実を前に理解が及ばないながらも、アッシュはボクの意見にそれなりの理解を示した。
「アッシュは『聖騎士』だし、剣技系のスキルは未修得だったとしても、ひと通り判別出来るんじゃないの」
「どうだろうな。あれが剣技系のスキルだったとしても、特定の天職専用スキルだった場合はわからないだろうね。だが、彼女の剣技はあまりにも無駄が多かったから、ヒイロが言うように本来は剣を扱う天職ではないというのは正解かもしれないな」
アッシュの指摘にボクは、ヒカリさんが行動に移る前に必ず双剣を擦り合わせていた様子が脳裏に浮かんだ。あれがスキル発動に必要な動作だったのは疑いようがない。
「気にはなるが、今の私らにはこれ以上の答えは出せそうもないな」
「だね。お腹も空いてきたし、上に行って食事にしようか」
ボクの提案を受けたふたりは、それに同意した。長いこと話し込んでいたボクらは、ヒカリさんから随分と遅れて練武場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる