義妹を溺愛するヤンデレ公爵令息は、ハニートラップに引っかかり義妹を傷つけたアホ王子を許さない・完結

まほりろ

文字の大きさ
3 / 16

3話「計画に狂いが生じる」

しおりを挟む

なにせ俺を好きすぎて、俺の想い人であるクロリスに嫌がらせするぐらいだからな。

そしたらもっと酷い言葉を浴びせ、奴のプライドをズタズタに引き裂いてやる。

こいつはクロリスに酷いことをしたんだから、これぐらいされて当然だ。

そんなことを考えていたらにやけが止まらなかった。

横目でソフィアの様子を窺うと、奴は泣くどころか眉一筋動かさず無表情で突っ立っていた。

なぜだ? なぜ泣かないんだ?

好きな男にあんな酷いことを言われたら、普通の令嬢なら号泣するところだろう? 

こいつには人の血が通ってないのか??

呆然とソフィアの顔を眺めていると、奴は感情のこもらない声で、

「お言葉承りました。
 殿下のお言葉はそのままソフィアお嬢様にお伝えいたします」

と言った。

「えっ?」

今たしかに目の前にいる女は「ソフィアお嬢様」と言った?

こいつがソフィア・バウムガルトナーではなかったのか?

「お、お前は誰だ……?!
 ソフィアではないのか!?」

「申し遅れました。
 私はバウムガルトナー公爵家で、ソフィアお嬢様の家庭教師をしておりますルーリー・フートと申します」

ルーリーと名乗った女はその場でカーテシーをした。

カーテシーの見本のような美しいお辞儀だった。

「家庭教師だと……?
 では本物のソフィアはどこにいる?」

「はい王妃様とのお約束の時刻には少し時間がありましたので、お嬢様は父親であるバウムガルトナー公爵に呼ばれ、宰相閣下の執務室に参っております」

「宰相の部屋だと……?」

母上の名前を騙って手紙を出したことが宰相にばれるとまずい。

「ならさっさと呼んでこい、もうすぐ母上との約束の刻限だろ!」

俺がソフィアの家庭教師を名乗る女を怒鳴りつけたとき、応接室の扉が外から開いた。

「その必要はございません殿下。
 娘のソフィアならここにおります」

扉の向こうに立っていたのは鬼の形相をした宰相と、宰相の補佐をしているソフィアの義理の兄フォンゼル・バウムガルトナー公爵令息だった。

宰相は金髪碧眼の長身の美丈夫。公爵家の養子であるフォンゼルは銀髪紫眼の美青年。

二人とも美しい顔を歪ませ、人を殺せるほど殺気の籠もった目で俺を見据えている。

俺はおしっこをちびりそうになったが、王太子としての矜持でなんとかこらえた。

二人の後ろから金色の長い髪をたなびかせ、美しい少女が現れた。

よく手入れされた腰まで届く黄金色のストレートヘア、
湖面のようにきらきらと輝くサファイアブルーの瞳、
白磁のようにきめの細かい白い肌……今まで見たどんな貴族の令嬢よりも愛らしい顔立ちをした少女は、
俺の前に進み出ると優雅にカーテシーをした。

「お初にお目にかかります。
 ソフィア・バウムガルトナーと申します。
 第一王子殿下にあらせられましてはご機嫌麗しく、恐悦至極に存じ上げ奉ります」

小鳥のさえずりのような美しい声、優雅な所作、鼻筋の通った優美な顔立ち。

彼女の周りは神々しい光に満ちていて、俺は天使が空から舞い降りてきたのかと錯覚した。








☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

今日(2022/12/07)から投稿したこちらの作品もよろしくお願いします!!
「私が彼から離れた七つの理由」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/749914798/37699061 #アルファポリス
異世界恋愛、幼なじみざまぁもの、ハッピーエンドです。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します

けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」 婚約者として五年間尽くしたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。 他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。 だが、彼らは知らなかった――。 ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。 そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。 「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」 逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。 「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」 ブチギレるお兄様。 貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!? 「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!? 果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか? 「私の未来は、私が決めます!」 皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

白い結婚なので無効にします。持参金は全額回収いたします

鷹 綾
恋愛
「白い結婚」であることを理由に、夫から離縁を突きつけられた公爵夫人エリシア。 だが彼女は泣かなかった。 なぜなら――その結婚は、最初から“成立していなかった”から。 教会法に基づき婚姻無効を申請。持参金を全額回収し、彼女が選んだ新たな居場所は修道院だった。 それは逃避ではない。 男の支配から離れ、国家の外側に立つという戦略的選択。 やがて彼女は修道院長として、教育制度の整備、女性領主の育成、商業と医療の再編に関わり、王と王妃を外から支える存在となる。 王冠を欲さず、しかし王冠に影響を与える――白の領域。 一方、かつての夫は地位を失い、制度の中で静かに贖罪の道を歩む。 これは、愛を巡る物語ではない。 「選ばなかった未来」を守り続けた一人の女性の物語。 白は弱さではない。 白は、均衡を保つ力。 白い結婚から始まる、静かなリーガル・リベンジと国家再編の物語。

出て行けと言ったものの、本当に出て行かれるとは思っていなかった旦那様

睡蓮
恋愛
ジーク伯爵は、溺愛する自身の妹レイアと共謀する形で、婚約者であるユフィーナの事を追放することを決めた。ただその理由は、ユフィーナが婚約破棄を素直に受け入れることはないであろうと油断していたためだった。しかしユフィーナは二人の予想を裏切り、婚約破棄を受け入れるそぶりを見せる。予想外の行動をとられたことで焦りの色を隠せない二人は、ユフィーナを呼び戻すべく様々な手段を講じるのであったが…。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

「婚約破棄して下さい」と言い続けたら、王太子の好感度がカンストしました~悪役令嬢を引退したいのに~

放浪人
恋愛
「頼むから、私をクビ(婚約破棄)にしてください!」 乙女ゲームの悪役令嬢に転生した公爵令嬢リュシア。 断罪・処刑のバッドエンドを回避するため、彼女は王太子レオンハルトに「婚約破棄」を突きつける。 しかしこの国には、婚約者が身を引こうとするほど、相手の本能を刺激して拘束力を強める《星冠の誓約》という厄介なシステムがあった! リュシアが嫌われようと悪態をつくたび、王太子は「君は我が身を犠牲にして国を守ろうとしているのか!」とポジティブに誤解。 好感度は爆上がりし、物理的な距離はゼロになり、ついには国のシステムそのものと同化してしまい……? 書類整理と法知識を武器に、自称聖女の不正を暴き、王都の危機を救ううちに、いつの間にか「最強の王妃」として外堀も内堀も埋められていく。 逃げたい元社畜令嬢と、愛が重すぎる王太子の、すれ違い(と見せかけた)溺愛ファンタジー!

「輝きがない」と言って婚約破棄した元婚約者様へ、私は隣国の皇后になりました

有賀冬馬
恋愛
「君のような輝きのない女性を、妻にするわけにはいかない」――そう言って、近衛騎士カイルは私との婚約を一方的に破棄した。 私は傷つき、絶望の淵に落ちたけれど、森で出会った傷だらけの青年を助けたことが、私の人生を大きく変えることになる。 彼こそ、隣国の若き皇子、ルイス様だった。 彼の心優しさに触れ、皇后として迎え入れられた私は、見違えるほど美しく、そして強く生まれ変わる。 数年後、権力を失い、みすぼらしい姿になったカイルが、私の目の前に現れる。 「お久しぶりですわ、カイル様。私を見捨てたあなたが、今さら縋るなんて滑稽ですわね」。

処理中です...