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3話「…………助けて」
しおりを挟む養子縁組の書類を偽造するなんて。
「お義母様こんな仕打ちはあんまりです!」
「これはもう決定事項だよ!
今日は遅いからさっさと寝な!
明日は朝早くから働いてもらうからね!
ウナのドレスの着付けもあんたがやるんだよ!」
「そういうことです、私を恨まないでくださいねお姉様」
八年前、病弱だった母が亡くなった。
そのたった一年後、父が再婚した。
再婚相手にはウナという私と同い年の連れ子がいた。
ウナは父と継母との間にできた子供で、母が生きてる間から父が浮気していたことを知り、私はショックを受けた。
ウナは私の部屋を奪い、私のおもちゃを奪い、私のドレスやアクセサリーを奪っていった。
お母様の形見のドレスだけは奪われないように部屋の奥に隠していた。
そのドレスも見つかってしまいボロボロにされてしまった。
卒業生総代も、婚約者も、子爵家の後継者の立場も……何もかもウナに奪われてしまった。
「私にはもう何も残っていないのね」
『ソンナコトナイヨ、カラン ニハ僕ガイルヨ』
お母様のドレスを抱えメソメソと泣いていると、どこからか声が聞こえた。
「誰? どこにいるの?」
『ココダヨ、窓ヲ見テ』
謎の声に言われた通り窓の外を見る……そこには私のお友達がいた。
「蛇さんどうしてここに?
それよりも人の言葉を話せるのですか?」
『話ハ聞イタヨ。外二出テキテ僕ガ助ケテアゲル』
「えっ?」
『カラン ハ木登リハデキル?』
「私こう見えて昔はお転婆でしたの。
木登りは得意ですわ」
『ジャア窓カラ外ニ出テ木ヲ伝ッテ降リテ。ソノ後ハ、僕ニツイテキテ』
私は蛇さんに言われた通りに窓から外に出て、木を伝って庭に下りた。
「庭に出れたのはいいのですが、家の周りには鉄の柵がありますわ」
子爵家の庭は二メートルの鉄の柵で覆われている。
私ではとても飛び越えられない。
『大丈夫ダヨ。僕ニツイテ来テ』
蛇さんに言われた通り後をついていくと、柵が一部壊れていた。
ここから外に出られそうだ。
屋敷の外に出た後もずっと蛇さんの後をついていく。
蛇さんはある小さなお店の前で止まった。
建物は小さいけど高級感に溢れている。
ショーウィンドウをのぞくと、綺麗なドレスや靴やアクセサリーが飾られていた。
『扉ヲ開ケテ』
蛇さんに促されるままに、店のドアを開けると店内は花のような甘い香りに包まれていた。
「レンタルショップハイルへようこそ。可愛いお客様ね」
腰まで伸びた真っ赤な髪、ルビー色の瞳、真紅ドレスを纏ったスタイル抜群の女の人が立っていた。
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