【完結】「魔女のレンタルショップハイル〜助けた蛇は魔女様の眷属でした。えっ? 私をいじめていた家族に復讐してくれるんですか?」

まほりろ

文字の大きさ
4 / 8

4話「魔女が営むレンタルショップ」

しおりを挟む


絶世の美女とはこういう人のことを言うのだろう。

「こんばんは、あの……勝手に入ってすみません」

「いいのよ、あたしの眷属に案内されて来たんでしょう?」

「眷属?」

「あなたをここまで連れてきた蛇のことよ」

蛇さんはこの方の眷属だったのですね?

でも眷属とは?

「ここはレンタルショップハイル救済
 ドレス、靴、アクセサリー、屋敷、家具、馬車、本、なんでも貸し出しているわ。
 時には人も貸し出しているのよ」

「人も……?」

「あなたにはあたしの眷属が随分お世話になったみたいね」

「先程も気になったのですが眷属とは?」


「忠実な従者であり、友人であり、家族であり、仲間のことね」

「そうなんですね」

「話はあの子から聞いたわ。
 あなたは今とっても困ってるみたいね」

「えっ?」

「とりあえず明日卒業パーティーに身に付けていくドレスとアクセサリー、学校まで送り迎えする馬車と従者を手配すればいいかしら?
 それからパートナーも必要ね」

「あの待ってください。私お金持ってなくて……」

「お代は結構よ。
 あたしの眷属がいつもあなたからゆで卵を貰っていたみたいだからね。
 あの子は毎週楽しそうに出かけて行って、あなたからゆで卵を貰っていたのよ。 よっぽどあなたのことが気に入っていたのね。
 家でもゆで卵は食べさせてるのに」

蛇さんが毎週私の家に来ていたのはお腹が空いていたからではないのですね。

蛇さんも私のことをお友達だと思っていてくれたのかしら?

そうだったら嬉しいわ。

「まずはドレスから選びましょう?
 何色のドレスがいいかしら」

店内には色とりどりの高級そうなドレスが並んでいる。

「せっかくのお話ですがお断りします」 

「あらどうして?」

「卒業パーティーに参加するならお母様のドレスを着ていくって決めていたんです。
 お母様のドレスを着て式に出れば、お母様も天国から卒業式を見ていてくれるような気がしたから。
 だからお母様のドレスじゃないなら卒業式に出る意味がないんです。
 わがまま言ってすみません」

「事情はわかったわ。
 それならあなたのお母様ドレスを直しましょう」

「ですがドレスは妹に破られてボロボロです。それにドレスは家にありますし」

「このドレスのことね。確かにボロボロだわ」

店主さんの手には私のお母様のドレスがあった。

「お母様のドレスがどうしてここに?
 部屋に置いてきたはずなのに……!?」

「転移魔法を使えばこのぐらい造作もないことよ」
 
「転移魔法!?
 あの失われた魔術って言われている……!?」

「四百年も生きてる魔女のあたしには、転移魔法を使うなんて簡単なことよ」

「四百年?!」

目の前にいる女性はどう見ても二十代前半にしか見えない。



☆☆☆☆☆
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

冷酷侯爵と政略結婚したら、実家がざまぁされました

鍛高譚
恋愛
「この結婚は、家のため。ただの政略結婚よ」 そう言い聞かせ、愛のない結婚を受け入れた公爵令嬢リゼット。 しかし、挙式後すぐに父が「婚約破棄しろ」と命じてきた!? だが、夫であるアレクシス・フォン・シュヴァルツ侯爵は冷たく言い放つ。 「彼女を渡すつもりはない」 冷酷無慈悲と噂される侯爵が、なぜかリゼットを溺愛し始める!? 毎日甘やかされ、守られ、気づけば逃げ場なし! さらに、父の不正が明るみに出て、公爵家は失墜―― リゼットを道具として利用しようとした者たちに、ざまぁの鉄槌が下される! 政略結婚から始まる、甘々溺愛ラブストーリー! 「愛なんてないはずなのに……どうしてこんなに大切にされるの?」

天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎ ギルドで働くおっとり回復役リィナは、 自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。 ……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!? 「転ばないで」 「可愛いって言うのは僕の役目」 「固定回復役だから。僕の」 優しいのに過保護。 仲間のはずなのに距離が近い。 しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。 鈍感で頑張り屋なリィナと、 策を捨てるほど恋に負けていくカイの、 コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕! 「遅いままでいい――置いていかないから。」

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

処理中です...