幼なじみに婚約破棄された僕が、隣国の皇子に求婚されるまで・BL・完結・第9回BL小説大賞、奨励賞受賞作品

まほりろ

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三十話「駅馬車の旅⑥」

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森の中をものすごいスピードで駆けぬける。
強盗犯に手を引かれ転ばないように走っていた。

馬車から離れた所まで行ったら、魔法で強盗を攻撃するつもりだ。

シエルになってから、魔法を使ったことがないのでどの程度威力があるのか分からない。

周りを巻き込まないために馬車から離れた方がいいと判断した。

ザフィーアの記憶を紐解く、えっとザフィーアが習得している呪文は……回復ベッセルング最大マクシムム回復ベッセルング……ってそれは回復呪文だ。攻撃呪文か相手を行動不能にする呪文は……?

眠りシュラーフ!」

そう眠りシュラーフ……相手を眠らせる呪文……って、えっ?

「ここでお別れだお嬢ちゃん、眠ってる間に指輪はいただくぜ!」

強盗犯の体がぐらりと揺れたように見えた。



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