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三十六話「起きて下さい!①」***
しおりを挟む目覚めたとき、日はまだ登っておらず外は薄暗かった。
夢のせいか気持ちがもやもやしている。目覚めたあとも夢の内容は鮮明に残っていた。
夢の中の俺……つうかザフィーアはノヴァさんの言い分を聞かず、ノヴァさんの頬をひっぱたいていた。
夢で見たザフィーアは嫌いだ。ノヴァさんは何もしてないのに、ノヴァさんが服を脱がせたと決めつけて一方的に殴りつけた……。
でも俺も人のことを言えない。ノヴァさんに何も聞いてない。
どうして解毒治療に付き合ってくれているのか、どういうつもりで指輪を俺の指にはめたのか、指輪が本当に母親の形見なのか…………ノヴァさんが俺のことをどう思っているのか。
ノヴァさん本当のことを言うか分からないし、本心かどうか知る術もない。でも知ろうともせずに、一方的に決めつけたくない。
夢の中のザフィーアはエルガーに裏切られても、エルガーを愛していた。
俺もそのくらい一途に人を愛したいな。
とは言っても、エルガーや神子みたいな男はお断りだ。
◇◇◇◇◇
「ノヴァさん、ノヴァさん、起きて下さい!」
ぺちぺちとノヴァさんの体を叩くがノヴァさんは目を覚まさない。体を揺すっても、呼びかけてもまぶたをピクリとも動かさない。
眠りの呪文が効きすぎてしまったのだろうか?
人を目覚めさせる呪文を知らない。このままノヴァさんが目を覚まさなかったらどうしよう?
俺は軽率に、とんでもなく危険な呪文を人にかけてしまったのではないだろうか?
背筋を冷たい汗が伝う。
「ノヴァさん! ノヴァさん! 起きて下さい! お願いです、目を開けてください!」
ノヴァさんの体をポカポカ叩くがピクリともしない。
どうしよう……! ノヴァさんがこのまま永遠に目を覚まさなかったら……! ノヴァさんは命の恩人なのに……!
これがおとぎ話なら口づけで目覚めるのに。
俺は僅かな希望にかけてノヴァさんの唇にキスをした。
ノヴァさんお願いします! 目を開けてください!
チュッチュッと口付けしていると、背に手が触れ、ノヴァさんのたくましい腕に抱きしめられた。
「ノヴァさん良かった! 意識が戻ったのですね!」
くるりと体が反転し、ノヴァさんに組み敷かれていた。ノヴァさんの舌が口内に侵入してくる。
ノヴァさんの意識は回復したとは思う。だが変なスイッチ入ってしまったようだ。
下半身に触れるノヴァさんのペニスは硬くなっていた。それをグリグリと押し付けられる。
「ん、あっ……、やっ、ノヴァさん、起きてるんですか?」
無意識にやっているとしたらかなり怖いぞ。
「シエルの口づけで目が覚めた」
ノヴァさんが耳元でささやく。寝起きだからか声が艶っぽい。
「ごめんなさい、ノヴァさんに眠りの呪文をかけました」
「シエルの口づけで起こしてもらえるのなら、毎日魔法をかけられても構わない!」
ノヴァさんがうっとりとした瞳で俺を見つめ、バスローブの前を寛げ中に手を滑りこませた。
やっぱり、眠りの魔法をかけられたことを怒っているのかな? おしおきされてる?
「ノヴァさん、眠りの魔法をかけてすみませんでした」
「気にするな」
ノヴァさんが胸の突起を指で転がし、反対の突起を口に含む。
「やっ、らめです……俺、ノヴァさんに聞きたいことがあるんです……!」
「分かってる! シエルも一回では足りなかったのだろう?」
ノヴァさんは俺のバスローブの紐をほどき、顕になったペニスに自身の逸物を擦りつける。
ノヴァさん寝ぼけてるのかな? 話が噛み合ってない!
「いやっ、だめです! あっ、やぁ……もうすぐ夜が明けるのに……」
ノヴァさんが俺の足を持ち上げ、ペニスをアナルに擦りつけてくる。
駅馬車の出発時刻は夜明けの三十分後! このままでは出発時刻に間に合わなくなる……!
「それまでには終わらせる! シエルを抱きたい!」
ノヴァさんのペニスが俺のアナルを貫く。
「あぁ……ん!」
声を抑えなくちゃいけないのに、高い声を出してしまった。
「シエル! シエル! シエルの中を私のもので満たしたい!」
ノヴァさんに感じるところを突かれ、唇にキスされる。おちんちんを握られ上下に擦られた。
最奥をズンズンと突かれ、中にいっぱい出された。
正常位ではしないでって言ったのに、キスも愛撫も止めてって言ったのに、一回だけって約束したのに……!
◇◇◇◇◇
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