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二十五話「外堀を埋められました」
しおりを挟む奸臣たちが衛兵に連れ出されたあと、父上は疲れ切った顔で玉座に腰を下ろした。
「かかる不正がはびこっていたことに露ほども気が付かぬとは、予は愚王であるな」
父上がこの半時の間に一気に年老いて見えた。
「やつらの策略に乗せられ兄、インゲルベアド公爵を遠ざけたことは予の不明のいたすところであった許せ、フリード公子」
父上がフリード公子に頭を下げる。
三年前からインゲルベアド公爵が城に来なかったのは、何かぼくの知らない事情があるらしい。
フリード公子が父上の前に膝をつく。
「頭を上げてください陛下」
フリード公子が温かなまなざしを父上に向ける。
「陛下が父上を遠ざけてくださったおかげで彼らは油断した。そのおかげで父と私は彼らの不正の証拠を集め歩くことができたのです。それに陛下は私の言葉を信じ、奸臣を遠ざけてくださった。それで十分です」
フリード公子が穏やかにほほ笑む。
「フリード公子そなた……なんとやさしい」
父上がフリード公子の手を取り、瞳をうるうるさせる。
あっ落ちたなこれ。
「フリード公子は思いやりがあり、聡明で、勇気もある。お詫びと言ってはなんだが、そなたに予の息子を与えよう」
「はっ? 父上なにをおっしゃっているのですか?」
「ラインハルトと結婚し、ラインハルトが王位についた暁には王配としてラインハルトを支えてほしい」
「はい陛下、そのお役目喜んでお受けいたします」
「ちょっ、フリード公子までなにを言ってるんですか!」
「息子の行く末を頼んだぞ」
「もちろんです陛下」
ダメだ完全に二人の世界に入っている。
フリード公子がぼくの愛人から婚約者に昇格してしまった。
王命だから容易には取り消せない。
どうしよう、勇者様になんて言えばいいんだ!
勇者様はフリード公子が好きで、世界一強くなったらフリード公子と結婚しようと思っているのに!
フリード公子がぼくと結婚する事を知ったら勇者様がヤンデレ化しちゃう!
国の憂いは払われたけど、今度は世界が滅びの危機に瀕してしまった。
◇◇◇◇◇
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