【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ

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28話「馬車の中で」

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ドレス姿をお披露目すると、お父様とお母様に「可愛い、可憐だ、まるで妖精のようだ」と褒められ、フリード様に「ディアーナは女神よりも美しいね」と言われ髪にキスされました。

三人が私を褒め称えている間に出発する時間になりました。

お茶会の行われるお城までは馬車で向かいます。馬車の中ではフリード様と二人きり。

「そういえばディアーナ、なぜピンクのドレスにしたの?」

「お茶をこぼしてしまいまして着替えたのです。本当はフリード様の瞳の色と同じ蒼玉色のドレスにしたかったのですが……」

婚約披露パーティーに出席しなかった方々にも、私はフリード様のものだと知っていただきたかったのに。

「大丈夫だよ、僕のことは気にしないで、それにディアーナには桃色も似合うよ」

フリード様が優しくほほ笑み、私の髪を撫でてくださる。

「フリード様」

フリード様の腕に自分の腕を絡ませ、

「私、フリード様のお側を離れません! だからフリード様も私の側を離れないで欲しいのです!」

真っ直ぐにフリード様を見つめる。

ディアーナがコーエン王子に告白されるのは、宮廷のバラ園に迷い込んだディアーナが一人になったとき。

フリード様と一緒にいれば、第二王子の婚約者になり殺されるとい破滅フラグは折れるはず。

「もちろん、そのつもりだよ」

フリード様が穏やかに笑い、私の手に自身の手を重ねた。

「約束ですよ」

「約束するよ、僕がディアーナを守る」

フリード様の言葉に胸の奥にくすぶっていた不安な気持ちが消えていく。
 
フリード様が側にいてくれるなら大丈夫、なにも心配いらない。

「ところでディアーナ」

フリード様の手が私の頬に触れる。

「体を密着しながら上目遣いで見つめられ、そんな可愛い言葉を言われると、我慢できなくなるんだけど」

「えっ……?」

フリード様に顎をクイッと上げられ、フリード様の唇が私の唇と重なる。フリード様の舌が口内に侵入し、歯列をなぞられ舌を絡め取られる。

「ん……ぁっ、……だめっ、お化粧が崩れてしまいます」

角度を変えて深くキスしようとするフリード様を止める。

「分かった、今はここまでにしよう」

フリード様の唇が名残りおしそうに離れていく。

「その代わり、夜はいっぱいしよう。覚悟して」

耳元で色っぽい声で囁かれ、心臓がドクンと跳ねる。私、明日の朝足腰が立つかしら?




このときの私は漫画の強制力の恐ろしさを知らず、フリード様の甘いささやきにとろけていた。
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