癒やしの力を持つ聖女は王太子に嵌められ民衆の恨みを買い処刑され時を巻き戻る〜二度目の人生は誰も救いません・完結

まほりろ

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5話「やり直し後の王太子」ざまぁ回


やり直し後の王太子

――ユーベル(王太子)視点――


父である国王が病に伏し二年が経過する。

我が国には伝説がある、国王が重い病にふした時、癒やしの力を持つ聖女が現れると。

聖女の力は絶大で、病でも怪我でもたちどころに癒やしてしまう。

あらゆる傷を癒やし、欠損した手足を元通りにすることも可能。

それどころか死して間もない者なら、復活させることも出来る。

その力があれば不死身の軍隊を作り、大陸を支配することも許される。
 
僕は弱小国のいち王太子で終わるつもりはない。もっと上を目指したい。そのためにはどうしても聖女の力がいる。

僕は王太子の権力を駆使し聖女の情報をかき集めた。

だが一年が経過しても全く聖女の情報は集まらなかった。

どこかの村が聖女の力を独占しようとして、聖女を隠しているのかもしれない。

僕は自ら兵を引き連れ、村々を回り聖女を探すことにした。

村長の首に刃を当て「聖女がいるなら出せ! 出さないなら村長を殺すぞ!」と脅し、百数えても聖女が出てこないときは村長の首を切り落とした。

村を破壊し、女、子供、年寄りを問わず尋問したが聖女の情報は得られなかった。

そうこうしているうちに父の容態が悪化し、王都から国王が危篤だという知らせが届いた。
 
僕は急いで王都に帰ったが、父の死に目に会うことは叶わなかった。

くそっ! なぜ聖女は見つからなかったんだ! 聖女さえ見つかっていればこんなことにはならなかったのに!

国葬のあと三ヶ月喪に服し、僕が新たな王として即位した。

僕が村々で虐殺を行ったことが知れ渡っていたので、僕に対する貴族からの評価は最悪だった。

その上地方で疫病が発生し、多くの民が死んだ。

疫病は王都にまで広がり、僕も疫病にかかった。

特効薬はない。

僕の治療にあたった王医はさじを置き、首を横に振った。

くそっ、聖女さえ、聖女さえ見つかっていればこんなことには……!

「聖女は……聖女は……どこだ、探せ……聖女を探せ……」 

これが僕の最後の言葉となった。

国葬は質素に行われ、僕の名は聖女伝説に取り憑かれ民を虐殺した狂気の王として、歴史に刻まれることになり、歴代の王を祀る霊廟に入れてもらえなかった。

聖女さえ見つかっていれば父を救えたのに! 

聖女の力を利用し不死身の軍隊を作り上げれば大陸の覇者にもなれた!

聖女さえ、聖女さえ見つかっていれば……!



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


※まだ続きます。
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