胸糞展開で倒されるラスボスに転生してイライラするので、ストーリフラグ全部破壊することに決めた

竜頭蛇

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チート鎧

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 実戦環境での量産型鎧ーースピアの調子を確かめつつ、目的の祭壇を目指していく。
 祭壇の地下にはワンパン鎧が隠されており、今回の戦いで、王国のある部隊に祭壇が見つけられ、保存処理がなされる。
 その6年後に寂れた観光スポットになっていたこの場所が実は賊の隠れ家にされており、休日に観光に訪れた主人公と賊がドンパチした果てに、地面が吹き飛び、ワンパン鎧が発見されることになる。
 部隊に見つかる前にワンパン鎧を奪取するか、遺跡が見つかっていた場合は部隊を全滅させることが俺のここでやらなければならないことだ。
 この世界、特に皇国では人の命は軽いため、人を殺したくないと言えば、鼻で笑われるが、前世を倫理観がしっかりとしている日本人として生きてきたので、できれば、殺さずに済むのならばそれがいい。

 テキストで確認しただけなので、具体的にどのタイミングで祭壇が発見されるかまではわからないが、急いで向かうことにする。

 ーーー

 祭壇まで近づいていくと、やはりというか、案の定遺跡を発見する部隊ーー王国近衛騎士団所属のアルトリウス部隊がもうすでに祭壇に到着しているのが見えた。
 白銀の鎧が陽光を反射しているため、遠くからでもよくわかる。

『赤いスピアが急接近しています!』

『赤いスピアだと? 最弱の皇国鎧の上、その中でも一際弱い奴だ。騒がずにささっと狩ってこい』

『それが速度が今まで見たどの鎧よりも速く……』

『魔石も碌に詰め込んでもいないスピアが、王国鎧、ひいてはこのアルトリウスよりも優れているだと? ふざけたことを……。貴様の節穴な目でなく、この私が実際に確かめてやろう!』

『総員! いつでも脱出できる準備をして、応戦しろ! 敵は王族公爵クラスーー皇国最強クラスだ!』

 角の付いた隊長鎧がこちらに振り向くと、怒号とともに部隊が散開して、各々剣を抜刀し、魔法を展開し始めた。
 前から軍では脅威度が下から順に、男爵クラス、子爵クラス、伯爵クラス、侯爵クラス、王族(公爵)クラスと呼んでいるとは聞いてはいるが実際に、脅威度の単位を戦場で聴くとは思っても見なかった。

『覚悟するがいい! じゃじゃ馬の姫騎士ダリア! そのポンコツで戦場に出てきたことを後悔させてやろう!』

 先祖が神とされる王家の血が濃いほど魔力は多いので、脅威度は大体鎧に乗ってる身分と同じとされているため、第3王女のダリアと完全に勘違いされているようだ。
 この世界では最も強いものは王族という常識があるためしょうがないだろう。
 ゲームで確認できるステータスから実際はラスボスは王族の百倍以上の魔力量を現時点で持っていることを知っている俺としては、主要キャラクターたちならまだしも、テキストにしか出てきてない半ばモブ扱いの王族と比べるのは流石に不憫じゃないかと思わないでもないが。

『王国に栄光あれい!』

「一発で堕ちてくれよ」

 アルトリウスたちの攻撃開始と被せるようにして、鎧に搭乗している時のみ発動可能な極大魔法を発動する。
 赤い光弾が俺の鎧を中心に全方向にガトリングのような勢いで打ち出される。
 無論ゲームで何度もこの光弾を経験して回避パターンをアルトリウスたちが覚えているわけもなく、赤い光弾に貫かれ、あっという間に鎧をガラクタに変えた。
 奇跡的に光弾が搭乗席部分を外していたためか、アルトリウスたちはガラクタになった鎧から脱出すると、口をパクパクさせて逃げていった。
 この世界に来て、貴族の嗜みと言われてメイドに読唇術を仕込まれていたため、何を言ってるかはわかった。
 
 魔石も積んでいない粗悪鎧でどうして極大魔法を打てるのか……か。
 ラスボスだからとしか言いようがない。
 極大魔法は莫大な魔力を食うため、基本的に精霊の写身で莫大な魔力が精霊から供給される精霊鎧持ちでしか発動できず、それ以外の鎧は基本的に搭乗者だけの魔力では魔力不足で王族であろうと発動できないが、ラスボスは魔力量が規格外なので魔石無しでも百発近くは連射できる。

「三千世界は極大魔法の中でも魔力コストが低い方ではあるけど、あんまり減った感じはしないな。ステータスパラメータ通りと思ってもいいか。ワンパン鎧を回収して、後々にラスボスを皇国の英雄として祭り上げるフラグになっている皇国大敗確定のこの戦いにフラグ折りに行くか」

 先ほどの戦闘の余波で祭壇は木っ端微塵になっているかと思ったが、頑丈な素材で作られているのか、祭壇は無傷で、ワンパン鎧が隠してある地面だけ綺麗に地面が捲れ上がっていた。
 伏兵がいて、生身の状態で襲われても面白くはないので、周りをよく確認してから地面から覗く漆黒の鎧ーーデウス・エクス・マキナに向けて搭乗席のハッチからあちらのハッチまで飛行魔法で飛んでいき、近づくと自動で開いた搭乗席にそのまま乗り移る。

 


 



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