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認識阻害(怖い)☆

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 鐵也にかばわれるようにしながら、先生の悲鳴が聞こえる方に行ってみると。

「いやぁあああっ、何でえっ、やめてぇっ、やめてよおおおおっ!」

 更戸先生が、5名の野球部員に取り囲まれて、スーツやブラウスを剥ぎ取られようとしていた。

「暴れんなよっ!」「いやっ、いやあっ!」「おいっ、そっち脱がせろっ!」

 部員の一人が、羽交い締めにして、一人がスーツのミニスカート、一人がショーツ、一人が上着とブラウスに手をかけている。

『なっ、なななっ?』

『しっ』

 思わずびっくりして声を上げそうになったら、鐵也がそっと口元を押さえてきて止める。

 そんなやりとりしてる間にも、更戸先生は、胸元をはだけられ、スカートをはぎ取られ、ショーツも強引に引きちぎられて、ほぼ裸の上にスーツとブラウス、ちぎれたストッキングだけという状態になってしまう。

「やだあっ、いやああっ、何でっ、何でっ、やめてくれないのおおっ!」

 羽交い締めにされた先生が藻掻く度に、先端の黒いややタレ気味のミルクタンクが激しく跳ね、酷い妊娠線の刻まれた腹部が淫らにうねる。

 興奮しきってる野球部の先輩方がそれを見て、我慢できるはずもなく。

「たまんねっ」「うはっ、揺れ過ぎだろっ」「何だよ、依祈ちゃん、若手教師のくせに経産婦かよっ」

(ぎゅむっ)

「いやああああ!」

 二人がかりで、左右からそれぞれの乳房を掴んで、吸い始める。

「うわっ、ミルク出る出るっ!」「うんっ、うぶっ、出すぎだろこれ!」

「ひいっ、ひいっ?!」

(ぷしゃあっ)

 自分より遥かに大きく屈強な若者5人に手篭めにされ、恐怖のあまり、失禁する先生。

「おっ、おもらし?」「何だよ、これ、精液か?」

 興味半分で股を弄った野球部の先輩が、指についた鐵也の精液に気づき、苦笑する。

「あー、もう、我慢なんねっ!」

「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!」

 先輩の一人が、いきり立ったペニスを取り出すと、先生の腰を掴んで持ち上げる。

 子供みたいに、首を激しく振って拒絶する先生にかまわず、ペニスを彼女の膣内に突き入れた。

「ひーーーーーーーーーーーーーっ?!」

 対面立位でガンガンペニスを打ち込まれて、悲鳴を上げながらも犯してる相手にしがみつく先生。

 その背後からもうひとりの野球部員がさも当然のように体を寄せてくる。

「こっちも、さんざん使われてそっすよね?」「ひっ?」

 そのままアナルにペニスを押し込んでいく。

「ういいいいいいいいいっ?!」「ほらっ、オレたちのもしごいてくださいよっ」「やーっ?!」

 そのまま、以前見たアングラ映像そのままに男たちの玩具にされていく更戸先生。

『こ、これ……、一体?』

 あまりに暴力的な集団強姦現場に、思わず身の危険を感じて、鐵也の背中に隠れるようにしながら訊く。

『ほら、お義母さんが、以前、精霊使って先生やクラスメイトに、エルフ耳とかエルフ王国とか胡散臭い設定をヘンに感じさせないようにしてるっていったろ?』

『胡散臭いいうな。てかまあ、うん……、覚えてる、けど』

 何がいいたいんだろう?

『同じ要領で、ヤツらの『女を犯してはならない』という常識を阻害してる』

 え? な、何それ? そんなこと……、できるの?

『まぁね~♪ こっちの人は自衛手段ないこと多いから、結構やりたい放題なのよね』

 母さんの何処か自慢げな念話が聞こえる。

 ちょっと待った、それって犯罪し放題……なんじゃ、……ていうか、オレや鐵也も、もしかして?

『未玲ちゃんや鐵也くんには『酷いこと』してないから、安心して♪』

 いやいや、てことは、他の人にはしてんの?

 てか、『酷いこと』じゃないことなら、オレたちにもしてるとか?

 う、うーん、今さっき、更戸先生へのレイプ手伝ったオレがいえることじゃないけど。

 母さんへの心象が少し変わったかも知れない。

『貴女もその血を引いてるのよ~?』

 ……いわないで。

 とか。そんな念話してる間も輪姦は続いていて……。

「やだぁ、もうやだぁっ!

 こんな人生もう終わったはずなのにっ!

 もうやなのにぃっ! んぶうっ?!」

 泣きじゃくりながら、犯されてる更戸先生が今更ながらに可愛そうになってくる。

「これ、止められ……」

 つい、顔を出して、鐵也を見上げながら、お願いしようとしたんだけどさ。

「おっ、空いてるカワイイ子はっけーーーーーっ!」「ひいいっ?!」

 一人手持ち無沙汰にしてた野球部員が、血走った目でオレに手を伸ばしてきた。

(ゴツッ)

「ぐがあっ?!」「……てめぇ、オレの女に、ナニしようとした?」

 そのまま、鐵也の手刀一発でのされる。

 あー、……ビックリした。

『お前も女ってこと忘れたのかこの阿呆ッ!』

『ごっ、ごめんなさぁいっ!!!』

 鐵也の背後に隠れながら、慌てて謝る。

 でも、それはさておき、この先生どーするの?

『そうだな……』

 鐵也は、頬を軽く指で擦るようにして思案すると、先生を向き、

『聞こえますか? 更戸先生』

 念話で、そう語りかけた。

「っ?!」

 更戸先生は、犯されながら、ぎょっとした顔で、こちらを向く。

『オレ、斎藤鐵也の奴隷になるって誓うなら、そこから助けてあげますよ?』

「……な、……あ?」

 しかし、その顔に浮かぶのは、侮蔑と……憎悪の光。

『つまり、……この状況も貴方達がやったのねっ?!

 絶対に、絶対に、許さないっ!!』

 先生の本音が、念話のコードみたいなの?を伝って、痛いほど伝わってくる。

 うん、そりゃ、そうなるよね。

『そっか』

 でも、鐵也は、気にした風もなく。

『じゃ、そういいたくなるまで、待つよ』

 くすっと笑ってそういうと、背中を向ける。

 背後から続けて響く悲鳴と男たちが先生を貪る気配。

『……で、……を、……して』

 気づけば、鐵也が母さんと何か秘密の会話をしてるのか、小さな細切れの念話が聞こえてくる。

『な、何を話してるの?』

『『ナイショ♪』』

 ハモる鐵也と母さんの声。

 ほんと、仲いいなこの二人。

 何だか、いろいろ引っかかることがあるものの、オレは、やや後ろ髪を引かれつつ、鐵也に手を引かれ、その場を後にしたのだった。
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