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第1話
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記憶とはなんだろうか。
例えば、三年前に知り合った人間がいたとしてその人と自分の間に三年分の記憶があれば知人として認識できる。
しかし、記憶がなければそれはただの他人だ。それ以上でも、それ以下でもない。
それに自分の過ごしてきた記憶が無ければ自分自身が誰か分からないだろう。
つまるところ記憶とは他人と自分を線引きしつつ、その上で個性を生み出すような・・・・・・存在だと思っている。
なぜそんな話をしたかと言えばこの私、鈴木翔の記憶が無くなっていたからだ。
目覚めれば知らない部屋にいて椅子に座っていた。机に突っ伏す状態で寝ていたせいだろう、背中が痛い。
自分の名前は思い出せる。言葉も話せる。自分の過去についてのみすっぽりと記憶が抜け落ちていたのだった。
「目、覚めたか」
混乱している自分に声がかけられる。
「誰だ」
「山田拓也だ。それ以外は分からない」
「お前もか、山田」
「ああ、その辺について話そう。その前にお前も名乗ったらどうだ」
言われて混乱のせいか名乗らなかった事に気付き、名乗った。
山田に話しかける。
「ここはどこなんだ」
「さあな、ただ出られないって事は確かだ」
帰ってきた言葉は不可解なものだった。
詳しく話を聞くと、山田は少し前に目覚めてすぐに自分のいた部屋から出て周りの部屋を見回ったらしい。そこで鈴木を含め三人がいるのを確認した。しかし少し待っても起きる気配がなかったので外に向かったところ、出入り口の扉が開かなかったという事だ。
「で、戻ってきたらお前が起きてたから声かけた。そういう流れだ」
「なるほど」
つまり私達の他に二人いるという事だ。自分の持つ情報を山田に話してから提案する。
「少なくとも私は情報を持ってない。後の二人を起こすか待つかした方がいいと思う」
「そうか」
私の提案を聞いた山田が逡巡する。すぐに答えは出たようで、そうするかと言うとついてこいと私に手招きした。
大人しくついていく。目的地に向かう途中、山田は話し始めた。
「ポケットの中に何か入ってるか。生徒手帳とか」
一応ポケットを探ってみる。残念ながらポケットの中は空だった。
「やっぱりか。俺も何も無かった。せめて時計があれば時間が分かるんだけどな」
言われてから気づいたが、この建物には時計が一切なかった。なぜだかは分からないが強い恐怖を感じた。
「もうすぐだ」
山田が言う。見れば教室が並ぶ空間に来ていた。
山田が一番手前の扉を開く。
そこには二人の女の子がやはり机に突っ伏すようにして眠っていたのだった。
「こっちはまだ起きて無いか」
山田が言う。
「ちょっと起こしてみようか」
私が肩に手をかけようとしたその時、目を覚ましたのだった。
「だれ」
半分寝ぼけた目で聞かれる。
「俺は山田。こいつは鈴木だ。お前は」
「城田。ちょっとあんた、起きなよ」
城田が隣の少女を起こそうと揺する。
「知り合いなのか」
「うん、そうこの子の名前は・・・・・・」
答えた後、顔が驚愕に染まっていく。
「思い出せない!なんで!」
「俺達もだ」
「どう言う事・・・・・・」
「それを調べている」
そうこうしているうちに城田の横にいた少女が目を覚ました。
名前は峯田、やはりそれ以外は全て忘れていた。
つまりはこう言う事だった。ここにいる四人全員が記憶喪失だった。
例えば、三年前に知り合った人間がいたとしてその人と自分の間に三年分の記憶があれば知人として認識できる。
しかし、記憶がなければそれはただの他人だ。それ以上でも、それ以下でもない。
それに自分の過ごしてきた記憶が無ければ自分自身が誰か分からないだろう。
つまるところ記憶とは他人と自分を線引きしつつ、その上で個性を生み出すような・・・・・・存在だと思っている。
なぜそんな話をしたかと言えばこの私、鈴木翔の記憶が無くなっていたからだ。
目覚めれば知らない部屋にいて椅子に座っていた。机に突っ伏す状態で寝ていたせいだろう、背中が痛い。
自分の名前は思い出せる。言葉も話せる。自分の過去についてのみすっぽりと記憶が抜け落ちていたのだった。
「目、覚めたか」
混乱している自分に声がかけられる。
「誰だ」
「山田拓也だ。それ以外は分からない」
「お前もか、山田」
「ああ、その辺について話そう。その前にお前も名乗ったらどうだ」
言われて混乱のせいか名乗らなかった事に気付き、名乗った。
山田に話しかける。
「ここはどこなんだ」
「さあな、ただ出られないって事は確かだ」
帰ってきた言葉は不可解なものだった。
詳しく話を聞くと、山田は少し前に目覚めてすぐに自分のいた部屋から出て周りの部屋を見回ったらしい。そこで鈴木を含め三人がいるのを確認した。しかし少し待っても起きる気配がなかったので外に向かったところ、出入り口の扉が開かなかったという事だ。
「で、戻ってきたらお前が起きてたから声かけた。そういう流れだ」
「なるほど」
つまり私達の他に二人いるという事だ。自分の持つ情報を山田に話してから提案する。
「少なくとも私は情報を持ってない。後の二人を起こすか待つかした方がいいと思う」
「そうか」
私の提案を聞いた山田が逡巡する。すぐに答えは出たようで、そうするかと言うとついてこいと私に手招きした。
大人しくついていく。目的地に向かう途中、山田は話し始めた。
「ポケットの中に何か入ってるか。生徒手帳とか」
一応ポケットを探ってみる。残念ながらポケットの中は空だった。
「やっぱりか。俺も何も無かった。せめて時計があれば時間が分かるんだけどな」
言われてから気づいたが、この建物には時計が一切なかった。なぜだかは分からないが強い恐怖を感じた。
「もうすぐだ」
山田が言う。見れば教室が並ぶ空間に来ていた。
山田が一番手前の扉を開く。
そこには二人の女の子がやはり机に突っ伏すようにして眠っていたのだった。
「こっちはまだ起きて無いか」
山田が言う。
「ちょっと起こしてみようか」
私が肩に手をかけようとしたその時、目を覚ましたのだった。
「だれ」
半分寝ぼけた目で聞かれる。
「俺は山田。こいつは鈴木だ。お前は」
「城田。ちょっとあんた、起きなよ」
城田が隣の少女を起こそうと揺する。
「知り合いなのか」
「うん、そうこの子の名前は・・・・・・」
答えた後、顔が驚愕に染まっていく。
「思い出せない!なんで!」
「俺達もだ」
「どう言う事・・・・・・」
「それを調べている」
そうこうしているうちに城田の横にいた少女が目を覚ました。
名前は峯田、やはりそれ以外は全て忘れていた。
つまりはこう言う事だった。ここにいる四人全員が記憶喪失だった。
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