2 / 10
第2話
しおりを挟む
「さて」
皆が落ち込む中、山田が声を上げた。
「こうしていても仕方ない。まずは各自、何か持っていないか調べよう」
言われてポケットの中を探ってみる。しかしそこには何も無かった。
「ちなみに俺は何ももっていなかった。時計すら無い」
山田の補足が入る。私と他の二人も同じく何も持っていなかった。
「つまりまるで手がかりはないわけだな」
山田が改めて言う。手がかり、恐らくこの状況から脱するためのだろう。状況を飲み込めていない城田と峯田だけが首を傾げている。
「普通に出ればいいじゃんよ」
峯田が言う。それが出来ればな、と呟いた後見せる方が早いと思ったのだろう。私達についてこいと山田が言うのでついていった。
ついたのは昇降口だった。
「開かないんだ」
山田が言う。それに対して三人で押したり引いたり窓を破ろうとしたりしたが、確かにビクともしなかった。
「つまり閉じ込められたってわけね、最悪」
城田が不機嫌につぶやく。
「その通りだ。しかもだれも何も持っていなかった事と窓も完全に塞がれている事を考えるとこれをやったのはだいぶ大きい組織かもな」
山田が言う。それに対して私が言う。
「この四人だけをって言う理由が分からないけど」
「確かにな。でもまあ記憶を無くす前は知り合いだったかもしれないしな」
そんな話をしているとグゥーと間抜けた音がした。見ると峯田が顔を赤らめている。
「お腹減っちゃって......」
まずは食料を探す事になったのだった。
「あ、丁度地図あるよ」
城田が昇降口近くに地図を見つける。残念ながらこの建物の名前は書いてなかったが食堂のあるところはわかった。
全員で食堂へ向かう。
「私達以外いないから食料あっても腐ってるかも」
若干城田が後ろ向きな発言をしたが、この発言は杞憂であった事がすぐにわかる。
食堂にたどり着いた私達が見たのは完全に機械化された食堂だったのだ。
「お金ないよー」
峯田が悲痛な声を上げたが心配はいらなかった。そもそも食事は無料だったようで、ボタンを押せばカウンターでその料理が出てくるシステムになっていたからだ。
そこで一旦食事をとる事にしたのだった。
食事も終わって一息ついていると山田が言い出した。
「一回各自元いた部屋に戻ってみないか。何かこの場所に関する情報とかがあるかも知れない」
「私覚えてないよ」
「峯田は大丈夫だよ私がいるから」
「お前は覚えてるか」
「自信無いけど大丈夫だろう」
三十分後に集合、と一回言ってから時計が一切ない事を思い出したのだろう。一通り調べたらまた食堂に集合という事になった。
そうして私達は最初にいた部屋に再び戻ったのだった。
皆が落ち込む中、山田が声を上げた。
「こうしていても仕方ない。まずは各自、何か持っていないか調べよう」
言われてポケットの中を探ってみる。しかしそこには何も無かった。
「ちなみに俺は何ももっていなかった。時計すら無い」
山田の補足が入る。私と他の二人も同じく何も持っていなかった。
「つまりまるで手がかりはないわけだな」
山田が改めて言う。手がかり、恐らくこの状況から脱するためのだろう。状況を飲み込めていない城田と峯田だけが首を傾げている。
「普通に出ればいいじゃんよ」
峯田が言う。それが出来ればな、と呟いた後見せる方が早いと思ったのだろう。私達についてこいと山田が言うのでついていった。
ついたのは昇降口だった。
「開かないんだ」
山田が言う。それに対して三人で押したり引いたり窓を破ろうとしたりしたが、確かにビクともしなかった。
「つまり閉じ込められたってわけね、最悪」
城田が不機嫌につぶやく。
「その通りだ。しかもだれも何も持っていなかった事と窓も完全に塞がれている事を考えるとこれをやったのはだいぶ大きい組織かもな」
山田が言う。それに対して私が言う。
「この四人だけをって言う理由が分からないけど」
「確かにな。でもまあ記憶を無くす前は知り合いだったかもしれないしな」
そんな話をしているとグゥーと間抜けた音がした。見ると峯田が顔を赤らめている。
「お腹減っちゃって......」
まずは食料を探す事になったのだった。
「あ、丁度地図あるよ」
城田が昇降口近くに地図を見つける。残念ながらこの建物の名前は書いてなかったが食堂のあるところはわかった。
全員で食堂へ向かう。
「私達以外いないから食料あっても腐ってるかも」
若干城田が後ろ向きな発言をしたが、この発言は杞憂であった事がすぐにわかる。
食堂にたどり着いた私達が見たのは完全に機械化された食堂だったのだ。
「お金ないよー」
峯田が悲痛な声を上げたが心配はいらなかった。そもそも食事は無料だったようで、ボタンを押せばカウンターでその料理が出てくるシステムになっていたからだ。
そこで一旦食事をとる事にしたのだった。
食事も終わって一息ついていると山田が言い出した。
「一回各自元いた部屋に戻ってみないか。何かこの場所に関する情報とかがあるかも知れない」
「私覚えてないよ」
「峯田は大丈夫だよ私がいるから」
「お前は覚えてるか」
「自信無いけど大丈夫だろう」
三十分後に集合、と一回言ってから時計が一切ない事を思い出したのだろう。一通り調べたらまた食堂に集合という事になった。
そうして私達は最初にいた部屋に再び戻ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
となりのソータロー
daisysacky
ライト文芸
ある日、転校生が宗太郎のクラスにやって来る。
彼は、子供の頃に遊びに行っていた、お化け屋敷で見かけた…
という噂を聞く。
そこは、ある事件のあった廃屋だった~
香りの魔女と王宮の冷徹参謀
佐倉穂波
恋愛
森で倒れていた少女ミアは、記憶を失っていた。
彼女を保護したレオンは、微かに漂う“禁呪の残滓”に気づき、王宮へと連れて行く。
そこで判明したのは──《香術》という希少な才能。
王宮で次々と起こる事件。
不完全な魔法香水、甘い幻香、枯れた花、消えた文書……。
ミアは香りに宿った痕跡を読み取り、真相に近づいていく。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる