転生したら避けてきた攻略対象にすでにロックオンされていました

みなみ抄花

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第一章

一話

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 ここは……?
 私はまだうつろな頭で周囲を見回した。
 煌びやかな装飾が目立つ、ぱっと見ヨーロッパ調の建物内。
 確か私は、とある県の地元から上京する予定で、故郷から離れることに名残惜しさを感じ、最後の思い出にと一人で地元を歩いていた。
 子どもの頃、よく遊んでいた川の近くを通っていたら、川の中で子犬が溺れているのを発見し、そのまま何も考えず水の中へ飛び込んだのだ。
 思っていたよりも流れの速い川の中、私は必死になって泳ぎ、子犬を岸に上げたところまでは覚えている。
 そして、おそらく……。
 ああ、きっと私は死んだのだろう。
 もしかして、ここは転生先か?

 私はこの体が寝かされていたキングサイズのベッドから裸足のまま降りた。
 そしてふらふらと、まだ慣れないふらつく足で大きな鏡の前へと向かう。
(わ、まさかの青い髪……完全に異世界か。しかもこの部屋の感じ、見覚えがある)
 私が高校生の時、長期休みに入るとよくやっていた恋愛シュミレーションゲーム。
 その世界に出てくる建物の、室内の雰囲気によく似ていた。
 確か、ヒロインの友人の一人に青髪の貴族の娘がいたけれど、かなりのモブ中のモブで、顔もろくに覚えていない。
 ヒロインの友人ポジション(しかも貴族)に転生したのだとしたら、なんとイージーモードであろうか。
(死んだことは残念だけれど、きっとあれが私の運命だったのかもしれない。そして前世の記憶を持ったまま知ってる世界に転生できたのはかなりの幸運!)
 などと一人で勝手にウキウキしていた。

 目の前の鏡をもう一度じっと見つめる。
 うん、可愛い。
 寝起きで色々と整っていないとはいえ、髪は艶々で腰まで長いロング、毛先に少し癖があるが、これは中々の美少女である。
 胸は小ぶりだが、かといって貧乳というわけでもない。
 うん、手頃な大きさだ。(どこ気にしてる)
 高スペック美少女のネグリジェ姿を堪能した後、少し気持ちを落ち着かせてから、私はそっと周りを見回した。
(ここはこのモブちゃんの自宅で間違いないよね?)
 ベッドの上で寝ていたネグリジェ姿の綺麗な少女、うん、間違いなくここの貴族の娘だろう。
 はい、決定!
 我ながらお気楽な性格である。
 壁にかかっている時計を確認すると今は深夜の2時ごろのようだ。
 きっと家族やメイドは寝ているのだろう。
 少し探検してみるかと、部屋の外に出てみた。
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