ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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6章 石化の治療法と石像の在処

68話2つ目の依頼

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リュートが次に受けたのはrankBのアモデウスの撃退または討伐だ

アモデウス
天使の様な羽を背中に生やし、頭に角を2本を生やした人型のモンスター
細身だが、人の言語を理解でき、話す事も可能
アモデウスの殆どが魔王軍に所属していて執事の姿をしている角が小さい者も稀にいて、潜入してくる者もいるがそれも体の色が少し紫掛かっているのですぐにバレてしまう
殆どのアモデウスが人間を下等生物と見下しているが伝説上では1体だけ人間に味方したアモデウスもいる
生息地域は特に指定されていない
討伐証明はアモデウスの羽

リュートがギルドを出ようとすると女性が呼び止めた
「ねぇ!どこに行くか分かってるよね?」
リュートは女性に呼び止められ動きが止まった
「どこなんだ?」
「えーと、これによると…サイニン村のようだね、ここから門を抜けて少しの間真っ直ぐ行くと見えてくるよ。代わりにまた笑わせてね?」
「ありがとな…笑わせるのは別として」
リュートは女性に礼を言うと門を抜けて真っ直ぐ全力疾走した
すると1分も経たない内に灯りが見えてきた
「おっ!もう見えてきた」
リュートはもっと加速し、村に入った

コンコン

「はいはい、今開けますからね~」
ギィィィと音を立ててドアが開き姿を見せたのはメルと同じ位の女の子だった
「?どちら様でしょうか?」
「俺はリュート、冒険者をしている。アモデウスの依頼を受けてここに来た」
「あっはい、今お爺ちゃん呼んできます」
女の子は少しガッカリした様な動きで奥に行った
「これはこれは、ありがとうございます。私は村長のマトルと言います。どうぞ中へ」
村長に案内され椅子に座らされた
「それで、えーと」
「リュートだ」
「はいはい、リュートさんですね。まず言わせて頂きます。ありがとうございます」
リュートはお礼を言われたことに首を傾げる
「何で礼を言うんだ?」
「はい、元々、払えるお金も余りなかったので受けて貰えずその上、最近魔王軍が復活したと言う情報と、モンスターが強くなった事により誰も依頼を受けて貰えなく困っていたのです。この度は本当にありがとうございます」
「礼は良いから話を進めてくれ」
「はいはい、それでは…」
村長がリュートにアモデウスが発見された事と発見場所を言う
「見ただけだろ?被害が出てないなら別に良いじゃねぇか?」
「被害は出ました…実は」
村長は話すのを躊躇した後、覚悟を決め話し出した
「私の…妻が、こ、殺され、た、ので、す」
と村長は泣きながら話してくれた
「分かった、倒してやる」
「報酬はあまり出せませんが宜しいですか?」
「別に良い、rankBの強さを確かめたかっただけだしな」
「あ、ありがとうございます!」
村長は椅子から下り土下座をしてきたので止めさすと村長に場所を確認しリュートはそこへ行った
「この辺りだよな」
リュートが来た場所は村から少し離れた森の中だ
「すぅ~、出てこいアモデウス!」
リュートが大声で叫ぶと辺りの気配が変わった
リュートがその場で仁王立ちしているとやがて歩いてくる人影が見えてきた
「何か用ですか?」
そのアモデウスは執事姿ではなくボロボロの布を体に掛けているだけの服を着ているか怪しい格好だった
「あぁ、少し話をしたい。良いか?」
リュートはアモデウスに交渉することにした
何故ならアモデウスから凄い量の魔力が漏れだしていてリュートを威圧する感じで出てきたからだ
「ありゃ?話ですか?別に良いですよ?立ち話も何ですからこちらへどうぞ」
アモデウスは魔力を止めリュートを家へ案内する
アモデウスの家は木で出来た簡単な家だった
「どうぞ、座ってください」
アモデウスはリュートを椅子に座らせ自分も椅子に座る
「それで、話とは?」
アモデウスが座って真剣な顔をして聞く
「話と言うのはこの近くの村の事だ」
「っ!?」
リュートが話を始めようとするとアモデウスの顔が一瞬強張った様に見えたがすぐに先程の顔に戻った
「お前が村の奴を殺したと話があった。それは本当か?」
「…殺したと言われればそうかもしれませんね」
「?どういう事だ?」
「それはかれこれ一年程前になりますかね」
アモデウスは空想の世界へトリップしながらも話し始める
「俺は森で迷子になって空腹で倒れそうな所をある娘とその母親に助けられたんだ。その娘の名前はニーラ、そしてその母親はナーラ、この2人が俺に食べ物と水を恵んでくれた。その時は女神と思えたよ」
アモデウスは微笑みながら話を進める
「そして、ナーラとニーラに助けられてから少しづつ仲良くなっていったがあん時、あの糞魔王の部下とか言う奴が来てこの森で暴れてたんだ」
アモデウスは思い出して腹が立ったのか段々目付きが悪くなっていったのでリュートがチョップをして落ち着かせた
「それで?」
「あ、あぁすまないそれでその日もナーラが来たんだ、そういや言い忘れてたがこの家はナーラとニーラとの3人で立てたんだ、いつも同じ時間にナーラが来ることは分かっていてそいつを倒した…つもりだった倒したと思い家へ戻ると家の前にナーラが見えたから呼んだんだ、でも、全然動かないから近づくとそこに奴はいた」
アモデウスは涙を流しながら怒りの形相で話し続ける
「奴は笑いながらナーラの頭を掴み俺にこう言った『この女を殺されたくなくば言うことを聞け』と、俺は奴を睨んで殺そうとしたが奴がナーラを掴んだ手に力を込め、ナーラが悲鳴を上げたんで俺は…俺はすぐに殺気を抑えて言うことを聞いた」
アモデウスは顔に手を当て涙を流しながら話す
それを聞いていたリュートも少し涙を目に貯めていた
「奴の命令することは簡単だった、俺が奴の部下に蹴られ殴られ痛めつけられるだけだった。ナーラの事を考えるとそんな事痛くも痒くもない気がした。しかし、それではすまなかった、次の日、朝から奴は家に来てナーラを俺の前に出してきて命令した。命令は段々エスカレートしていって俺はどこかに連れていかれ、焼かれ、電流を流され、体の一部を抉られそこに針を刺したり、蹴ったりされた。その上飯も必要最低限与えられるだけ、俺はナーラの為に耐えて耐えて耐え続けた。しかし、奴がナーラを持って俺の前に現れた時、俺は激怒してしまった。それまでの拷問…の分激怒して奴を思いきり蹴飛ばした。奴はナーラを確りと掴みながらぶっ飛んでいった。それが偶々ナーラのいた村だった、そして奴に思いきり走って追いかけ、見つけた時奴は俺に見せつける様にナーラを前に出してきた。一瞬止まった…でも、俺は耐える事が出来ずそのまま奴を思いきり殴った。奴はナーラを掴んだままぶっ飛んだその時、村の入口にぶっ飛んだ、俺が奴を殴り殺そうとすると奴はナーラの腕を引っ張った。それにナーラが悲鳴を上げたそれに俺はまた止まる事が出来ず引っ張っていた手を叩き潰すと奴は悲鳴を上げてナーラから手を離した。それから俺は奴を殴り殺した…だが奴は死ぬ間際に笑ってある方向に指を指したそこを見ると村のフェンスに刺さって夥しく血が流れたナーラがいた」
リュートはそこまで聞くと涙を抑えきれず上を向き泣いている
「俺は泣き叫んだ、だが来たのはあの村長と言う人間だ。奴は俺を見た瞬間他の者を呼び集め武器を手に持ち襲ってきた。だが俺は必死で訴えた俺が殺したんじゃない!と、だが村長らは俺に攻撃するのを止めなかった。遂に俺の脚に人間が振った斧が脚に刺さった。それを好機と取り人間達は俺に一斉に攻撃してきた。俺は空を飛んで逃げたが村長が人間を集めてくる前にナーラに言われたんだ『おとさん達を守ってあげて』ナーラはそこまで言うと絶命してしまった俺はまた泣いた。泣き叫んだ、だが村長に攻撃され怒りが沸いてきて逃げてきた。と、そんな訳だ。だから俺が殺した様なもんだ」
話が終わった時には2人して思いきり涙を流していた終わった後にはアモデウスは泣き叫んでいた
「うっ、お前も苦労したな~」
「慰めてくれるのか?ありがとうよ」
この時完全に2人は友と呼ぶべき存在になった
「俺はリュートだ」
「俺にはまだ名がないから好きに呼んでくれ」
「じゃあ、思い付くまでアモデウスって呼ぶわ」
「あぁ」
2人は涙を拭き別れた
別れ際にリュートはアモデウスに言う
「魔王に復讐したいか?」
「あぁ、したい!だが俺は気が短いから…」
「なら我慢する修行をすれば良い!」
「そ、そうだな!でも、人間に見つかったら」
「それなら、少し待て、そうしたらアモデウス、お前に偽造のペンダントをやる」
「あ、ありがとう!どこからどこまで」
アモデウスはまた涙を流した
「だって俺ら友達だろ?」
「リュート!ありがとう!」
「あっ!ついでに言うが俺も人間じゃ無いぞ!じゃあな~また来るから~!」
リュートが走って村の方へ行くとアモデウスは驚いた表情をしていた
「え?人間じゃない?どういう事だ?」
アモデウスは疑問に思いながら、もう深夜を回っていたがまだ起きて羽の手入れを始めた
「よし、これは本気でやらないとな。アモデウスの為に!」
リュートは手を鳴らすと走って町へ戻っていった。その時に村には行かなかった
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