ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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10章 妖精界での冒険

122話VS悪魔2

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レインが火の球を飛ばすとそれが肩に当たりボッと火が付き燃え出した
「あれってどうすれば良いの?」
【何も…出来ない…】
【任せてください!】
ミズチの触手が肩に当たりジュッと音を立てて火は消え去った
「おおお!」
【ごめん…なさい】
【そうですよ!もうちょっと気を付けてください!】
「ミズチ?僕がやったのに何でホムラを責めるの?」
【…主人!】
「何?」
【気を付けてください!】
「うん、分かったけど何でホムラを…」
【さあ敵が来ますよ!】
「…」
ミズチの言う通り何か呪文を唱えている
レインはすぐに悪魔に駆け寄りミズチとホムラで切り刻もうとするが腕の痛みで一瞬速度が緩んでしまった
「死…ね」
その瞬間悪魔がジロリとレインを見た
その目は虚で生物に思えなかった
レインはその目に冷や汗を掻きミズチの触手で悪魔の腕をザクッと突き刺しすぐに地面を蹴り距離を取った…が

ドンッ

「あっ」
レインは何かにぶつかり振り向いた
そこには悪魔がレインを睨みながら立っていた
「え?でも…」
レインはさっきまで悪魔がいた場所を見るがそこに悪魔の姿は無かった
そしてレインが振り返り攻撃しようとしたが悪魔がレインを食べようとしていた
「うっ」
レインは直ぐ様ミズチで防御した…がそれでも少し動きを鈍らせただけでレインの右肩に噛みついてきた
「放してぇ!」
レインは肩から悪魔を引き離そうとするが一向に取れる気配は無い
「ふっ」
レインはホムラとミズチの触手で悪魔の首を刺した

ザクザクザクッ

だが…
「いたたたたたたたた!」
更に強く噛みつかれレインは血が流れている肩を手で押さえた
「終わり…だ!」
悪魔が更に強く噛みつきレインがついミズチとホムラを手放して悪魔を引き離そうとする
「うわぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあ!」
と、レインが泣き叫ぶと悪魔はニヤリと笑った
「これだ…!ついに悲鳴を聞いたぞ…!」
悪魔はレインを蹴り飛ばし、レインは何度か跳ねてドサッと地面にうつ伏した
「すううぅぅぅぅう!っはああぁぁぁ~、良いっよ~、もっと悲鳴を聞かせて~」
悪魔は徐々に人の姿へと戻りレインの前に立った
「うぅ…」
レインが肩を押さえて呻いているとレインの髪を掴みニコニコと笑いながらレインと顔の高さを合わせてしゃがむ
「もっと悲鳴を聞かせてね」
「うっ…嫌だ」

ドゴッ

「がはっ!」
レインは腹を殴られ痛みに顔を歪めた
「チッ、これじゃ足りないか…」
女性はレインの左足を踏み潰した…が特に何も悲鳴を上げなかった
「…?どうなってるの?」
女性は続けざまにレインの左足を踏み潰すが、レインはそっちよりも肩を押さえて呻いている

そして数分後
レインの左足の膝から下がフッと消え、右目もナイフに刺された後が現れた
これは結構前にレインが、ドルバギオの継承を完全な物にしようと受けた試練での傷だった
(18話完全なる継承3-レイン視点-を参照)
「な、何これ…」
レインはその足を見て驚愕した
何と自分の右目が見えなくなっていて、その上自分の左足の膝から下が無いのだから…
「まあ、良いよ…別の所を痛め付ければ良いだけだし」
女性はニヤリとレインの腹に蹴りを入れ、髪から手を離した
「ごふっ!」
「まだか~…だったら…」
女性はニンマリと心に絡み付くような笑顔でレインの指を掴もうと手を伸ばす
「っ!あぁ…!」
レインは何故だか分からなかったがヒヤリと悪感が走ったので女性から離れようと地べたを這いつくばって逃げようとした
「あっ、逃げちゃダメだからね…?」
女性はレインの背中を踏みつけて見下す
「うっ」
レインが呻くと女性はレインの腕を掴み引っ張り出した
「一気に抜くよりゆっくり抜いた方が沢山悲鳴を上げるでしょ?」
女性はゆっくりとレインの右腕を引っ張る
「や、止めて…」
「止めるわけ無いじゃな~い!」
女性は嬉々としてレインの腕を引っ張っていく
「いっ!痛たたたたたたた!」
レインが左腕でバンバンと地面を叩くが女性が力を緩める気配は無い
(どうすれば良いの…?)
レインは泣き叫びながらも必死で打開策を考えるが思い浮かばずその場でもがき始めた
「はぁ~、いつ見ても可愛いね~、子供が必死でもがき苦しむ様は…でも絶対に許してあげない…悪魔になる前の私だったら許してたかも知れないけど…」
女性は徐々にレインの腕を引っ張っていき、ついにレインの腕がミシミシ鳴り始めた
「わああぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁあ!」
レインはズキズキ痛む肩を押さえようとするが女性に踏みつけられ押さえる事すら出来ない
(うぅ、お母さんやメルお姉ちゃんだったらきっとすぐに倒しちゃうんだろうな)
レインは心でため息を吐いた後、覚悟を決めた
(よし!やろう!)
レインはまた必死で暴れ始める
「今もがいたら腕が取れちゃうよ~?」
「ううぅ!」
レインは一瞬暴れる力を緩めたが再び暴れ始めた
(ここでやらないと死んじゃう!殺されちゃう!…それは…やだ!)
レインは必死で暴れ…
「あ~あ…」

ブチッ

「うわぁぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁあああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあ!」
レインは血が溢れ流れる左肩を押さえながらも脱出に成功し息を切らしながら女性を見詰める
「おお!君、今中々格好いいよ~!でも関係無いけどね…」
レインが肩を押さえて立ち上がろうとすると左足が無く転けてしまった
その間に女性はレインの左腕を投げ捨てた
「ふう…ふう…」
レインは左肩を押さえているが値は止めどなく溢れ出していて、血がジンワリと広がって地面にしたたっている
「じゃあそろそろ悲鳴も聞けそうに無いし殺しちゃおうかな…」
女性はレインが抵抗出来ないと判断しゆっくりと歩き始める
「どうしよう…」
レインは少し先にいる女性を霞む目で見上げながらミズチとホムラの方へ左手を伸ばす
「あ、それは取らせない、よっ!」
女性が地面を蹴り、レインの刀を回収しようと手を伸ばしたのとレインがホムラを掴んだのと同時だった
「1本取られたね…でもこっちは取らせないよ」
【主人…大丈夫…?】
「うん、大丈夫……じゃないね」
レインはホムラを杖代わりにしてヨロヨロと立ち上がり女性を睨む
「ここから反撃するよ」
【分かり…ました】
レインはホムラに魔力を流す
【主人?これだけですか?】
「はあ…はあ…い、今はこれが精一杯…」
【…分かりました】
ホムラを炎が包み込みレインは右足で上手くバランスを取りホムラを構えた
火球は出てこなかった
「へぇ~そうしたら良いのか…」
女性はミズチに魔力を通そうとするがミズチは拒絶した
【止めてください!私は主人一筋です!】
「へぇ~どこまで耐えられるかな?」
女性はニコニコ笑いながら莫大な量の魔力を流し込んだ
【あっ、や、止め!】
するとミズチを中心に黒い光が溢れる
「な、何なの?」
【主人!何か…嫌な気配が…する】
「嫌な気配?」
光が治まるとレインはミズチを見た
「な、何なのあれ?」
レインが使っていたミズチは刀身が青黒い刀へ変化していて纏っている水も黒く変色していて、水の触手も黒く変色していて、数も見ただけで50を優に越えている事が分かるが正確な数は分からない
【はあ、はあ、もっと~!もっと魔力をくださいまし~!】
とミズチの口調も変わっていた
「ど、どうなってるの…」
【悪魔の…魔力に耐え…きれなくなって…魔剣へと…変化…した…】
レインはその光景に気圧され思考が一瞬停止してしまった
【レインくん!しっかりして!】
「え!だ、誰!?」
レインは辺りを見渡すがミズチ?を手に持って触手の数を数えている女性がいるだけだった
【私だよ!リーナ!】
「どうしたの?」
【今のあの娘は昔私達が戦った魔王並の力を有してる…つまり、私達以外の神様を殺しちゃった奴と同レベルの強さみたい…】
レインはリーナの声を聞いて呆然としてしまった
「どうすれば…」
【今は絶対に勝てない!だからまず逃げなきゃ!】
「あの人から逃げられる…?」
【頑張れば何とか…でもまずはレインくんの魔力をある程度回復させないと…それまでは何とか堪えて!そうしたら助かるかもしれないから!】
「かもなの?」
【でもこの状態じゃ絶対に助からないよ?】
「頑張る…でも魔力が目標まで回復するまでどれくらい掛かるの?」
【私もこっちで何とか魔力を早く回復させてみるから…10分…いや!せめて5分!これだけ堪えて!お願い!】
レインは5分と聞き驚いた
「5分!?」
【大丈夫!いつも魔力を常に使ってたんだから普通の人より魔力を回復するのも早くなってるから!】
レインは少し驚いた後、聞き直す
「5分?」
【5分】
「それって勿論魔力使って良い状態で?」
【ダメな状態で】
レインは黙り込みホムラに流していた魔力を止めた
【主人?】
「ごめん…僕の力が足りないばっかりに…」
レインは下唇を噛んで悔し涙を流した
【別に…良い…きっと…何か…考えが…ある…筈…】
【聞こえてたの!?】
【…うん】
【まあ、良いや…だから出来るだけ頑張って!】
「…それしか無いのなら頑張るよ」
【僕…も手伝う…】
「ありがと」
レインは女性をチラッと確認して離れようとホムラを杖代わりに離れようとしたがレインの目の前を触手の内の1本がザクッとレインの足元の地面を刺してきた
「逃げようとしても無駄だよ?だってこの刀…272本も触手あるんだよ?」
レインはヒヤリと額に汗を掻いた
(い、いけるかな~?)
レインはいきなり弱気になってしまった
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