ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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11章 激闘!魔界突入!

151話夜の始まり

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少年は刀を下ろすとドラゴニュートと視線を合わせた
「じゃあ、さっきの続きしよ!」
見た目は先程と同じなのに話し方がまるで女子のようになっていた
ドラゴニュートは驚きながら少年の頭に手を乗せた
「死ね、審判の世界ジャッジワールド

ブスッ

「ぐっ!」
「ねえ?審判の世界ジャッジワールドって何?ねえ?ねえ?」
少年は足に指した炎を纏った刀をグリグリと回しながら尋問する
「貴様…!死ねぇ!」
ドラゴニュートが少年へ殴り掛かるが少年はスッと右に重心をずらし、避けるとドラゴニュートの胸に手を当てた
すると、ドラゴニュートが気が付くと目の前に自分と同じくらいの背の高さの青年が立っていた
青年はニコッと笑うと胸にトンッと拳を軽く当てた
「ぐふぉあ!」
それと同時にドラゴニュートは近くの樹に吹っ飛び叩きつけられた
「やっぱりすぐに終わっちゃうね」
少年は未だにドラゴニュートの足に刀を突き刺したまま、立っていた
その前ではドラゴニュートが糸の切れた人形のように倒れ出した
それと同時に少年は刀を抜き、鞘に納めた
「レインくん、夜になってなかったらどうしてたの!?」
【ごめんリーナちゃん、それでも頼ってた…と思う】
「はあ、それはそれで良いけどさ~…それよりもどう?そこ、驚いた?」
【うん、驚いたよなんなの?この部屋】
「それは私の楽園よ!」
【この猫は?】
「その子はマニエルちゃん!私の癒しよ!試しにモフモフしてみて!」
【う、うん】
リーナの少し荒げた息に少し引きながらもマニエルを抱いてモフモフしてみた
【あれ?すっごく気持ちいい!】
「でしょでしょ!外の世界も良いけどマニエルちゃんも良いよね~!」
【うん!】
リーナはレインとの会話を暫くした後、メイト達を1ヶ所に集め、ドラゴニュートも一緒に寝かしていた
「夜だけなんだから絶対に満喫してやる!」
リーナは拳をグッと握り近くの樹の周りを探検し始めた
「1000年前は戦いばっかりでこんな事出来なかったな~」
リーナは皆を寝かせた樹の枝で寝転がり樹の葉の間から見える夜空を見る…が夜空と言っても綺麗な星空ではなく、真っ暗で暗闇しかない、その中に1つだけ発光している白く丸い顔が夜の魔界を照らしている
「あの顔も何か不気味よね~」
【すぅ…すぅ…】
「ありゃ、レインくんもう寝てるよ」
リーナは苦笑しながら樹から飛び降りると樹に凭れて眠りこけた





次の朝、リーナが目を覚ますと皆はまだ眠っていた
「レインくん、交代ね」
【ん~】
リーナは目を瞑りレインと交代した
「リーナちゃん、昨日はありがとうね」
【どういたしまして!マニエルちゃ~ん!】
「あはは」
レインはリーナがマニエルに飛び付く姿を想像し苦笑した
「…どうしようこの人」
レインはドラゴニュートを見てその処遇をどうするか困っていた
「レインく~ん?」
「キラちゃん、おはよう」
「ん~、どうしたの?」
「この人をどうしようか考えてたんだ~」
レインが眠っているドラゴニュートを指差すとキラはそれを見て驚いた
「え?レインくんがこの人?を倒したの?」
「ううん、リーナちゃんが」
「リーナちゃんって確か夜のレインくんよね?」
「うん」
「へぇ~、リーナちゃん凄いね~!」
キラは気絶しているドラゴニュートを見て驚きの表情をしている

パチッ

「うわわっ!」
キラが突然大きな声を上げて尻餅を着いたのでレインはキラの方を振り向くとある一点を見詰めて震えていた
レインがそちらへ目を向けるとそこには座ったままのドラゴニュートが目を覚ましていた
「…貴様ら、着いてこい」
ドラゴニュートが立って言うとキラは首を傾げた
「なんで貴方の所に行かないと行けないの!?だって敵同士なのに!」
「リュート…団長はこう言えば伝わると言っていた」
「リュートさん!?」
キラが驚いてつい大きな声で言ってしまいその声で3人が起き出した
「どうしたの!?」
「あ~?どうした~?」
「眠い…」
3人が起きた所でドラゴニュートの言葉をレインはそのまま伝えた
「リュート!」
ハルはすぐに立ち上がった
「リュートがどうしたの?」
「リュート…ああ!あいつか!」
ハルはリュートが魔王軍に入った事とその理由を説明した
するとレインとキラを近寄らせ5人で円陣を組んで会議を始めた
「…それじゃあ行きましょ。もしかしたらリュートが見付かるかもしれないし」
「でもあいつの事信用できるのか?」
「出来るわよ。誰かと違って人の「その話はもういい!」」
「リュートは信用出来るけどあのドラゴニュートは信用できるのか?」
「でもリュートさんの名前を知ってる以上何か関係があると思うから私はついていった方が良いと思うよ」
「じゃあ着いていくに賛成の人は手を前に出して!」
レインが手を前に出すと出すタイミングは違えど皆が手を前に出した
「よし!じゃあ決まりだね!」
円陣を解除するとレインはドラゴニュートの方に向き直した
「良いよ。着いていく」
「なら早くしろ」
ドラゴニュートが周りを警戒しながら進み出すとレイン達はその後を追い掛けて行った
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